ヒカルの碁の最終回はひどい?第189局・半目差の決着と佐為の行方

ヒカルの碁 最終回 ひどい 最終回

ヒカルの碁の最終巻が出たのは2003年9月です。それから20年以上たった今も、検索窓に作品名を打つと「ひどい」が続きます。主人公が最後に負けて終わる、という話だけが独り歩きしている気がして、確かめることにしました。

この記事の結論

ヒカルの碁の最終回は、北斗杯の韓国戦でヒカルが高永夏に半目差で敗れ、「遠い過去と遠い未来をつなげるために」と語って終わります。 優勝も再会も描かれない幕切れが、「ひどい」と言われる中心です。

「ひどい」の声の多くは、作品全体ではなく終盤の展開に向けられたものです。佐為との別れは最終回ではなく第15巻の出来事で、ここを混同したまま語られる例も目立ちます。

一方で、この幕切れを作品のテーマそのものと受け止める読者も多くいます。どの場面を指して「ひどい」なのかを分けると、評価はかなり違って見えます。

  • 全23巻
    最終巻は2003年9月4日発売
  • 189局
    連載はおよそ4年半
  • 3つ
    「ひどい」の論点|半目差の敗北ほか

結末のネタバレから入り、その後の描写、「ひどい」と言われる3つの理由、打ち切りの噂へ進みます。

※この記事には『ヒカルの碁』漫画版の結末に関する重大なネタバレが含まれます。会話に登場する全巻くんはこの記事の案内役のキャラクターで、発言は創作です。

シラベエ
シラベエ

主人公が最後の一局で負けて終わる、という話だけはよく目にします。

でも、それだけで20年も『ひどい』と言われ続けるものなんでしょうか。

何が描かれて何が描かれなかったのか、そこから聞かせてください。

全巻くん
全巻くん

最後の一局でヒカルが負けて、佐為とも会えないまま終わるからね。

その二つが重なって、幕切れの印象が強く残るんだ。

ただ、何が描かれたかを順に見ていくと、印象はかなり変わるはずだよ。

ヒカルの碁の最終回はこう終わった|第189局・半目差の決着

最初に、結論だけを整理します。細かい場面のネタバレは次の章から扱うので、ここでは全体像だけを押さえます。

この記事の結論
  • 最終回は北斗杯の韓国戦。ヒカルは大将戦で高永夏に半目差で敗れ、日本は3位に終わる
  • 「ひどい」の中心は、敗北で終わる幕切れと、佐為・塔矢アキラとの物語に明確な決着が無いこと
  • 打ち切りを裏づける編集部・作者の公表は確認できず、賛否は今も分かれている

「ひどい」という感想は、大きく分けて三つの場所に向けられています。最後の対局が敗北で終わること、佐為との再会が描かれないこと、そして塔矢アキラとの決着が持ち越されたままなことです。

どれも最終回そのものの描写だけでなく、終盤の構成に対する不満と結びついています。だからこそ、最終回の1話だけを読み返しても「何がひどいのか」は見えにくくなっています。

とくに注意したいのが、アニメ版と漫画版の混同です。アニメは原作の途中までしか描いておらず、最終回として放送された内容がまったく違います。

「最終回がひどい」という感想を見かけたときは、それが漫画版の第189局の話か、アニメ版第75話の話かを先に見分けると、話が食い違いません。

シラベエ
シラベエ

その三つ、どれも『描かれなかったもの』への不満に聞こえますね。

では逆に、最終回の話数のなかで実際に描かれたのは、どんな場面だったんでしょうか。

全巻くん
全巻くん

描かれたことも、ちゃんとあるんだ。

北斗杯の韓国戦で、ヒカルは大将として最後まで打ち切っている。

その一局で彼が何を答えたのか、順に見ていこう。

ヒカルの碁は全何巻で完結した?全23巻・第189局で終わった連載

『ヒカルの碁』は週刊少年ジャンプ(集英社)で1999年2・3合併号から2003年33号まで連載されました。原作ほったゆみさん・漫画小畑健さんのコンビによる囲碁漫画です。

単行本は全23巻・本編は第189局で完結しました。 最終巻の発売日は2003年9月4日です。打ち切りかどうかをめぐる噂は、後の章で検証します。

項目内容
掲載誌週刊少年ジャンプ(集英社)
連載期間1999年2・3合併号〜2003年33号
単行本全23巻(最終巻は2003年9月4日発売)
話数本編 全189局
原作・漫画ほったゆみ・小畑健
主な受賞第45回小学館漫画賞(2000年)ほか

本作は話数を「第〇局」と数えます。囲碁の対局にちなんだ数え方で、本編の最終話は第189局にあたります。単行本には本編のほかに番外編も収録されており、第18巻に6話、第23巻に2話が入っています。

いま読むなら、全23巻のほかに完全版(全20巻)・文庫版(全12巻)・電子書籍版があります。どの版も物語の結末は同じで、収録の区切りが違うだけです。集英社の紹介でも、囲碁の面白さを世に知らしめた大ヒット作品として説明されています。

シラベエ
シラベエ

全23巻で189局、数え方まで囲碁づくしなんですね。

最後の19巻から23巻が北斗杯編と聞きました。

物語全体のなかで、この最終章はどんな位置づけだったんですか。

全巻くん
全巻くん

北斗杯編は第19巻からの5巻分で、物語の第二部にあたるんだ。

佐為がいなくなったあとのヒカルを描く章、と言ってもいいね。

ここから先は結末そのものに触れるから、心の準備をしてから読み進めてみて。

ヒカルの碁 最終回のネタバレ|結末のあらすじ

ここからは、漫画版の結末を具体的に見ていきます。第23巻に収録された北斗杯編のクライマックスは、三つの場面で追うと全体像がつかめます。

この章で追う3つの場面
  • 北斗杯・韓国戦、ヒカルは大将として高永夏と対局する
  • 半目差の敗北とヒカルの涙
  • 「遠い過去と遠い未来をつなげるために」|最後の一行まで

この順に、決着までの流れを追っていきます。

北斗杯・韓国戦、ヒカルは大将として高永夏と対局する

北斗杯は、日本・中国・韓国の若手棋士が国別で争う団体戦です。各国3名で構成され、ヒカルは日本チームの大将として、韓国チームの大将・高永夏(コ・ヨンハ)と盤を挟みます。

北斗杯編は第19巻から始まり、代表選抜戦を経て第23巻の韓国戦で完結します。最終回はこの北斗杯編の締めくくりにあたる一局で、シリーズ全体の最後の対局でもあります。

対局に火をつけたのは、高永夏が本因坊秀策を軽んじたと伝わった発言でした。通訳の行き違いから生まれた誤解でしたが、彼は誤解を解かないまま盤の前に座ります。

秀策は、ヒカルにとってただの過去の棋士ではありません。平安時代の霊である佐為が江戸時代に宿っていた打ち手であり、佐為とヒカルをつなぐ名前でもあります。

だからこの一局は、単なる国際戦ではありません。佐為の記憶を背負った対局として描かれ、ヒカルは秀策の名を軽んじられたことに強く反応して盤に向かいます。

半目差の敗北とヒカルの涙

対局は終盤までもつれ、最後は半目差でヒカルが敗れます。囲碁ではこれ以上ないほど僅かな差で、勝敗は最後に地を数え終えるまで確定しませんでした。

囲碁は先に打つ側が有利なため、後手にコミという持ち点を加えて調整します。この端数があることで半目という差が生まれ、引き分けの無い勝負になります。

つまり半目差とは、あと一手の選び方が違えばひっくり返っていた距離です。読者にとっても「もう少しで届いた」という感覚が強く残る負け方でした。

敗れたヒカルは、人目もはばからず涙を流します。大将戦を落としたことで、北斗杯の最終結果は事前の下馬評どおり日本の3位に終わりました。

主人公が最後の対局で負け、団体戦の順位も伸びない。この一点だけを切り取れば、少年漫画の最終回としては確かに異例の幕切れです。

「遠い過去と遠い未来をつなげるために」|最後の一行まで

敗局のあと、高永夏はヒカルに「なぜ碁を打つのか」と問いかけます。その答えが、「遠い過去と遠い未来をつなげるために」でした。

平安時代から碁盤に宿り続けた佐為と出会い、その存在を受け継いだヒカルにしか言えない一言です。敗北の直後にこの言葉が置かれることで、勝敗とは別の答えが示される構成になっています。

高永夏はこの答えを受けて会場を去り、物語は塔矢アキラとのやり取りへ移ります。アキラが返すのは「これで終わりじゃない」という言葉で、決着ではなく続きを示して終わります。

そして最後に、ヒカルには佐為の声が届きます。姿が戻るわけでも、再会が果たされるわけでもありません。優勝の瞬間も無いまま、物語は静かに幕を閉じます。

シラベエ
シラベエ

負けて終わるのに、最後の言葉だけが強く残る不思議な幕切れですね。

全巻を読んできた目には、この終わり方はどう映りましたか。

わたしは正直、読み手を突き放しているようにも感じたんです。

全巻くん
全巻くん

突き放されたと感じる人は多いと思う。

わたしには、勝敗の代わりに問いを置いた終わり方に見えたよ。

ここからは想像だけど、答えのほうは読む側に預けられているんじゃないかな。

ヒカルの碁のその後は?後日談として描かれたもの

最終回のあとが気になる読者は多く、「ヒカルの碁 その後」は今も検索され続けています。ここでは、実際に描かれたものだけを整理します。

項目描かれたもの・現状
本編のその後続きは描かれていない。物語は北斗杯の閉幕まで
番外編単行本第18巻に6話・第23巻に2話を収録。少年ジャンプ+でも配信
続編2026年8月時点で発表は確認できない
派生作品中国の実写ドラマ『棋魂』(2020年10月配信開始・全36話)

本編の物語は北斗杯の閉幕とともに終わります。プロ棋士として歩み続けるヒカルたちの「その後」を描く続編は、2026年8月時点で発表が確認できません

番外編は本編の合間を埋める短編が中心で、成長した姿を描く後日談ではありません。単行本のほか、少年ジャンプ+で配信されていることを確認しました。

なお、小畑健さんが10年後のヒカルとアキラを描いたイラストが話題になることがあります。ただし漫画本編の後日談ではなく、掲載元も本記事では確認できませんでした。

2020年10月には中国で実写ドラマ『棋魂』の配信が始まりました。舞台を中国に移し、登場人物の名前も変えた翻案です。完結から17年たっても展開が続いてきたことがうかがえます。

シラベエ
シラベエ

後日談そのものは無い、というのが確認できた範囲なんですね。

番外編のなかに、本編の結末の受け止め方が変わるような話はありますか。

全巻くん
全巻くん

番外編は、本編の合間を描いた短編が中心なんだ。

最終回のあとを見せてくれる話ではないよ。

ただ、彼らの日常が読めるぶん、余韻の残り方は少し変わるかもしれないね。

ヒカルの碁の最終回が「ひどい」と言われる3つの理由

「ひどい」と言われる理由は一つではありません。読者の声を整理すると、批判は大きく三つの論点に分かれます。

批判されるポイント主な内容評価の対象
佐為と再会できない消えた佐為が最後まで戻らない第15巻以降の展開全体
アキラとの決着が無い宿命のライバル対決が持ち越しのまま終盤の構成
敗北で終わる最後の対局が半目差の負け第189局の幕切れ

表の三つを、順に見ていきます。

理由1:佐為との再会も決着も描かれない

もっとも大きい喪失感は、佐為の不在です。佐為が消えるのは最終回ではなく、第15巻の出来事にあたります。「サイ 消えた」という検索が今も続くほど、この別れは読者に強く残りました。

ここを取り違えたまま「最終回で佐為が消えて終わる」と語られることがありますが、実際には佐為の退場から最終回まで、まだ8巻分の物語があります。

その8巻のあいだ、ヒカルは佐為を探し、碁と向き合い直していきます。それでも、再会の場面は最後まで描かれません。

最終回のラストで届くのは佐為の声だけで、復活でも再会でもありません。「会わせてくれなかった」という感覚が、「ひどい」の最も根深い部分だと考えられます。

再会を期待して読み進めた読者ほど、この不在は重く残ります。物語の主題そのものが別れの受け止め方に置かれているため、期待と結末がすれ違いやすい構造でもあります。

理由2:ヒカルと塔矢アキラの決着が最後まで描かれない

第1巻から続いてきたのは、ヒカルと塔矢アキラの追いかけ合いです。互いを目標にして力をつけていく関係が、この作品を引っ張ってきました。

ところが、二人の対決の完全な決着は最後まで描かれません。最終回で二人が交わすのも、対局ではなく言葉です。

「これで終わりじゃない」というやり取りは、決着の代わりに、終わらない関係そのものを示して物語を閉じます。北斗杯でも二人は別々の相手と戦っており、直接ぶつかる場面はありません。

積み上げてきたライバル関係の答えを見たかった読者にとって、これは肩透かしに映ります。一方で、二人の物語に終止符を打たないための選択と受け取る読み方もあります。

囲碁は生涯にわたって続けられる競技で、二人はまだプロになったばかりです。決着を描かないことが、その先の長い時間を示していると考えることもできます。

理由3:最後の対局が半目差の敗北で終わる

主人公が最後の大舞台で負ける展開は、少年漫画では異例です。優勝で終わる形を想像していた読者ほど、この幕切れは受け止めにくくなります。

半目という僅差も、印象を左右します。大差で完敗するのではなく、あと一歩で届かなかったからこそ「あそこで勝たせてほしかった」という悔いが残ります。

しかも団体戦の結果は日本3位で、大会としての晴れやかな締めくくりもありません。勝利ではなく問いかけで終わる構成が、読後感を分ける最大の要因になっています。

ここから「打ち切りだったのでは」という噂につながる例も見られます。ただし敗北という結末と連載終了を結びつける公表は確認できません。噂の検証は次の章で行います。

なお、敗北そのものは唐突に置かれたものではありません。北斗杯編は第19巻から5巻分をかけて進んでおり、代表選抜から本戦までの流れは丁寧に描かれています。

結末の意味がわからないと言われる理由|考察の分かれ目

「ひどい」と並んで多いのが「意味がわからない」という感想です。分かれ目は、ラストでヒカルに届く佐為の声をどう読むかにあります。

佐為がヒカルの中に生き続けていることの表現と読む見方も、ヒカルが佐為の存在を受け継いだことの象徴と読む見方もあります。作中に明確な答えは置かれていないため、どちらも「〜と考えられます」の域を出ません。

「遠い過去と遠い未来をつなげるために」という言葉も同じです。佐為から秀策へ、そしてヒカルへとつながってきたものを指すと考えられますが、その先の解釈は読者に委ねられています。

答えを作中に書かなかったこと自体が、賛否の分かれ目になっているとも言えます。書かれていない以上、どの読み方も正解にも誤りにもなりません。

シラベエ
シラベエ

答えをあえて作中に書かない、という選び方だったのかもしれませんね。

全巻くんは、あのラストで佐為の声が届く場面をどう読みましたか。

想像で構わないので、読み筋を聞いてみたいです。

全巻くん
全巻くん

ここからは想像で話すね。

わたしには、佐為がヒカルの碁の中に残っていることの合図に読めたよ。

でも作中に答えは書かれていないから、あなたの読み方も同じだけ正しいんだ。

ヒカルの碁は打ち切りだった?理由とされる噂・誤解を検証

完結から20年以上たった今も、「打ち切りだったのではないか」という声は途切れません。代表的な説を検証します。

よくある説検証の結果
韓国からの圧力で打ち切られた裏づけとなる一次情報は本記事では確認できなかった
佐為が最終回で復活する復活は描かれない。届くのは声のみ(前の章で整理)
10年後の後日談が漫画で描かれた後日談エピソードは確認できない(前の章で整理)
アニメの最終回=漫画の最終回別物。アニメは原作17巻まで(次の章で整理)

もっとも広く語られるのが、北斗杯編の高永夏の描写が韓国で問題視され、その圧力で連載が終わったという説です。

しかし、この説を裏づける一次情報にはたどり着けませんでした。編集部や作者が連載終了の経緯や「打ち切り」を公表した事実も、本記事では確認できませんでした。

「集英社が否定した」と書く記事も見つかりましたが、その根拠となる資料も確認できていません。したがって本記事は、打ち切りだったとも、なかったとも断定しません。

確認できる事実は、作品が週刊少年ジャンプ2003年33号まで連載され、全23巻で刊行を終えたことだけです。噂の当否は、現時点では判断できないというのが結論になります。

シラベエ
シラベエ

わたしも調べたのですが、圧力説の出どころには結局たどり着けませんでした。

作中の高永夏は、噂で語られるような悪役として描かれていたんでしょうか。

全巻くん
全巻くん

一方的な悪役としては描かれていないよ。

誤解を解かないまま盤に向かうけれど、大将として最後まで打ち合った相手だ。

噂で聞く印象と、実際に読んだときの印象はずいぶん違うと思う。

アニメ版は原作の何巻まで?漫画の結末は描かれたのか

「最終回がひどい」という感想を検索すると、アニメの話と漫画の話が混ざって出てきます。版と媒体ごとの違いを、ここで整理します。

版・媒体範囲・時期結末
漫画(全23巻)本編189局・2003年完結北斗杯編で完結
完全版(全20巻)2009〜2010年刊行再編集のみで結末は同じ
文庫版(全12巻)2012年〜刊行再編集のみで結末は同じ
アニメ(全75話)原作1〜17巻+18巻の番外編の一部原作の結末は描かれない
スペシャル「北斗杯への道」2004年1月3日放送日本代表決定まで
実写ドラマ『棋魂』中国・2020年配信結末は本記事では未確認

アニメは2001年10月から2003年3月まで全75話が放送され、原作の第17巻までと第18巻の番外編の一部を描きました。 最終話は第75話「なつかしい笑顔」です。

つまり、北斗杯編の決着も第189局の幕切れも、アニメでは描かれていません。アニメだけを見た人の「最終回」と、漫画読者の「最終回」は別物です。

2004年に放送されたスペシャル「北斗杯への道」は、北斗杯の日本代表が決まるところまでを描いて終わります。その先を映像で見る手段は、2026年8月時点では確認できません。

漫画で続きを読むなら、アニメ本編の後は原作第18巻から入るとつながります。完全版・文庫版はいずれも収録の区切りが違うだけで、結末は単行本と同じです。

シラベエ
シラベエ

アニメから入った方は、そもそも例の最終回を見ていないわけですね。

アニメのほうの終わり方は、原作とは別の締めくくりとして成立していたんですか。

全巻くん
全巻くん

アニメは北斗杯に入る前で幕を下ろしているんだ。

だから漫画の最終回とは、そもそも見ている場所が違うよ。

続きが気になったら、原作の第18巻から読んでみて。

「ひどい」だけじゃない|半目差の敗北を評価する声

「ひどい」で検索してたどり着くと、否定的な声ばかりが目に入ります。しかし、同じ場面を高く評価する読者も少なくありません。

論点「ひどい」と感じた理由「よかった」と感じた理由
半目差の敗北主人公が最後に負けて終わる勝負の厳しさから逃げなかった
佐為との別れ再会が描かれず救いが無い別れを安易に覆さなかった
決着の持ち越しライバル対決の答えが無い物語の外へ続く未来を残した

表のとおり、争点そのものは共通しています。同じ「描かれなかったもの」を、裏切りと読むか、余韻と読むかで評価が割れているのです。

肯定的な読みの核には、「遠い過去と遠い未来をつなげるために」という最後の答えがあります。勝敗を超えた主題の提示として、この一言を挙げる声は多く見られます。

また、佐為の消失という大きな喪失を挟んでなお物語を続け、その先を描いたこと自体を評価する声もあります。安易な復活を選ばなかった誠実さ、という受け止め方です。

シラベエ
シラベエ

同じ場面を指して、正反対の感想が出ているのが面白いですね。

賛否のどちらに転ぶかは、読む側の何によって決まると思いますか。

全巻くん
全巻くん

何を楽しみに読んできたか、で分かれると思う。

勝ち負けを追ってきた人と、ヒカルの変化を追ってきた人とでは、最後の受け取り方が違うんだ。

どちらも自然な読み方だよ。

ヒカルの碁は今から読む価値がある?囲碁を知らなくても読めるか

結論から言えば、評判の「ひどい」だけで避けるのはもったいない作品です。囲碁のルールを知らなくても読み進められる作りになっています。

向いている人向いていない人
成長と喪失を正面から描く物語が好きな人最後は主人公の勝利で終わってほしい人
別れや余韻の残る結末を受け止めたい人対決の決着まで見届けたい人
受賞歴のある完結作をまとめて読みたい人明快なハッピーエンドを求める人

全23巻という分量は、週刊連載の完結作としては読み切りやすい部類です。第15巻までで佐為との物語に大きな区切りがあり、そこをひと区切りにする読み方もできます。

結末を知ったうえで読み返すと、終盤の一言一言の重みが変わります。ネタバレを先に読んでから本編に入る読み方とも相性の良い作品です。

迷ったら、佐為との別れが描かれる第15巻までを目安にしてみてください。そこまで読めば、この作品が合うかどうかは判断できるはずです。

シラベエ
シラベエ

読み終えた方が結末をどう感じたのか、ますます確かめたくなってきました。

これから読む人が、心構えとして知っておくといいことはありますか。

全巻くん
全巻くん

勝敗の物語として読むと、最後で戸惑うかもしれない。

碁を通して誰かとつながっていく話、と思って読むと入りやすいよ。

まずは第15巻までを目安にしてみて。

同じ週刊少年ジャンプの完結作として、マッシュルの最終回も検証しています。

よくある質問

Qヒカルの碁は全何巻で完結しましたか?
A単行本は全23巻で、本編は第189局で完結しました。最終巻の発売日は2003年9月4日です。ほかに完全版(全20巻)と文庫版(全12巻)があります。
Qヒカルの碁の最終回はどんな結末でしたか?
A北斗杯の韓国戦で、ヒカルは大将として高永夏と対局し、半目差で敗れます。「遠い過去と遠い未来をつなげるために」という言葉を残して物語は幕を閉じます。
Qヒカルの碁は打ち切りだったのですか?
A編集部・作者が打ち切りを公表した事実は、本記事では確認できませんでした。韓国の圧力説も一次情報にたどり着けず、本記事はどちらとも断定していません。
Q佐為は最終回で戻ってきますか?
A復活や再会は描かれません。佐為が消えるのは第15巻で、最終回ではヒカルに佐為の声が届く場面が置かれるにとどまります。
Q最終回のその後や後日談は描かれていますか?
Aその後を描く続編は、2026年8月時点で発表が確認できません。番外編は第18巻と第23巻に収録されていますが、本編の合間を描く短編が中心です。
Qアニメは原作の何巻まで描かれましたか?
Aアニメ本編(全75話)は原作第17巻までと第18巻の番外編の一部を描きました。2004年のスペシャルは北斗杯の日本代表決定までです。漫画の続きは原作第18巻からです。
Qヒカルと塔矢アキラの決着は描かれましたか?
A二人の対決の完全な決着は描かれないまま完結します。最終回では「これで終わりじゃない」という言葉が交わされ、関係が続いていくことが示されます。
Q最終回は本当に「ひどい」のですか?
A敗北と別れで終わる幕切れを「ひどい」と読むか、主題を貫いた結末と読むかで、評価は今も割れています。

まとめ|ヒカルの碁の最終回と結末【全23巻】

最終回は、北斗杯の韓国戦での半目差の敗北と、「遠い過去と遠い未来をつなげるために」という言葉で締めくくられます。 全23巻・第189局での完結です。

「ひどい」の中心は、佐為との再会が無いこと、アキラとの決着が無いこと、敗北で終わることの三つでした。いずれも「描かれなかったもの」に向けられた声です。

打ち切りという噂は、裏づけとなる公表を確認が取れませんでした。アニメは原作17巻までで、漫画の結末は映像化されていません。誤解の多くは、この二つの混同から生まれています。

敗北を裏切りと読むか、余韻と読むか。どちらも自然な受け止めで、正解はありません。評判だけで判断せず、第189局の最後の一言をぜひ自分の目で確かめてみてください。

シラベエ
シラベエ

調べる前より、この最終回のことが少し気になってきました。

最後に、これから読み返す人へひとことお願いできますか。

全巻くん
全巻くん

読み返すなら、最後の数ページをゆっくり追ってみて。

一度目は敗北だけが残るけれど、二度目は言葉のほうが残るはずだよ。

そのときに、ひどいかどうかをもう一度決めればいいと思う。

調査メモ

今回いちばん迷ったのは、打ち切りの噂の書き方でした。「韓国の圧力で終わった」という説は検索するとすぐ出てくるのに、出どころを遡ると一次情報にたどり着けません。

「集英社が否定した」と書く記事も見つけましたが、その根拠も確認できていません。だから本記事は、肯定も否定もせず「確認できなかった」とだけ書いています。 打ち切りかどうかは、読者が判断するしかない領域だと考えたからです。

巻数と発売日は集英社の商品ページで確かめました。第20巻が第157局から第165局までであることも、そこで確認しています。

一方で、最終話のサブタイトルは公式の目次が見つからず、本文には載せていません。アニメのスペシャルが原作の何巻にあたるかも、確定できなかったので書いていません。

確認できた事実だけを積むこと。20年語り継がれてきた作品を扱うなら、それがいちばんの礼儀だと思っています。

参考資料

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