呪術廻戦の最終回はひどい?第271話「これから」への賛否と静かな結末

呪術廻戦の最終回はひどい?第271話「これから」への賛否と静かな結末 最終回

呪術廻戦の「最終回」は一つではありません。本誌の第271話、描き下ろしが加わった単行本30巻、そして続編『呪術廻戦≡』。どれを読んだかで読後感が変わることが、「ひどい」という声を追ううちに分かってきました。

呪術廻戦の最終回は、両面宿儺との決着がついたあと、生き残った面々が日常に戻るところまで描いて閉じる結末です。 全30巻・第271話「これから」で完結しており、編集部や作者による打ち切りの公表は確認できませんでした。

「ひどい」という声の中心にあるのは物語の破綻ではありません。渋谷事変までの熱量に対して、終盤の説明が足りないまま静かに幕が下りたことへの物足りなさです。

しかも「最終回」と呼ばれるものは一つではありません。本誌の第271話、描き下ろしが加わった単行本第30巻、そして続編『呪術廻戦≡』で、読後感がかなり変わります。

  • 全30巻
    2024年9月に完結
  • 271話
    連載6年半で完結
  • 6つ
    「ひどい」の論点|静かな最終回ほか

第271話のネタバレと結末のあらすじ、その後の後日談、「ひどい」と言われる6つの理由、打ち切り説の真相。この順で追います。

※この記事には『呪術廻戦』原作漫画(全30巻)および続編『呪術廻戦≡』の結末に関する重大なネタバレが含まれます。会話に登場する全巻くんはこの記事の案内役のキャラクターで、発言は創作です。

シラベエ
シラベエ

完結から時間が経っても『ひどい』という言葉だけが残り続けているのが、引っかかっていました。

しかも本誌と単行本と続編で、読後感が違うと聞きます。

まず、第271話の結末そのものはどう終わったのか教えてください。

全巻くん
全巻くん

この作品は途中で止められたわけじゃないんだ。

宿儺との決着はきちんとついていて、そのあとに戻ってきた日常を描いて終わるよ。

何にがっかりされたのかは、順番にほどいていこう。

呪術廻戦の最終回はこう終わった|第271話「これから」の後日談

最終回で描かれるのは、伏黒恵の身体を奪った両面宿儺との決着と、戦いを終えた高専メンバーの日常です。核心のネタバレは次の章以降に譲ります。

この記事の結論
  • 最終話は第271話「これから」。宿儺が退場し、生き残った面々が日常に戻るところで幕を閉じる
  • 全30巻・第271話で完結。編集部・作者による打ち切りの公表は確認できなかった
  • 「ひどい」の中心は、渋谷事変との落差と、明かされないまま終わった謎の多さ

押さえておきたいのは、批判の多くが「物語が壊れている」ではなく「期待していたものと違った」に向けられている点です。

連載が止められたわけでも、決着が描かれずに終わったわけでもありません。描かれた内容が破綻していたのではなく、描かれなかった余白の大きさが不満として表れた、というのが実情に近いところです。

もう一つ、混同されやすいのが「どの最終回の話をしているのか」です。呪術廻戦の結末には入り口が複数あります。

本誌の第271話だけを読んだ人と、描き下ろしが加わった単行本第30巻まで読んだ人とでは、後日談の量がそもそも違います。

さらに、その先を描いた続編『呪術廻戦≡』も別作品としてすでに完結しました。「呪術廻戦の最終回はひどい」と語られるとき、その多くは2024年9月に完結した本誌の第271話を指しています。

アニメを追っている段階の方は、まだこの場面まで進んでいません。版ごとの違いは、記事の後半で表にして整理します。

シラベエ
シラベエ

同じ最終回の話をしているつもりで、実は違うものを見ている人がいそうです。

感想を読むとき、どこで見分ければいいでしょうか。

全巻くん
全巻くん

後日談の話をしているかどうかが、いちばん分かりやすい目印だよ。

本誌だけの人はその後がなさすぎると言うし、単行本まで読んだ人はちゃんと描かれてたと言うんだ。

同じ作品の話なのに評価が真逆になるのは、だいたいここが理由だね。

呪術廻戦は全何巻で完結した?全30巻・およそ6年半の連載

『呪術廻戦』は芥見下々さんによる作品で、週刊少年ジャンプの2018年14号(2018年3月5日発売)から連載が始まりました。

全271話・単行本全30巻で完結しました。本誌での最終話掲載は2024年44号(2024年9月30日発売)で、連載期間はおよそ6年半にあたります。

項目内容
作者芥見下々
掲載誌週刊少年ジャンプ(集英社)
連載期間2018年3月〜2024年9月(約6年半)
全話数全271話
最終話第271話「これから」
本誌完結号2024年44号(2024年9月30日発売)
単行本全30巻
最終巻の発売日2024年12月25日(第29巻と同時発売)

巻数でつまずきやすいのが、最終巻の出方です。第30巻は第29巻と同時に発売されたため、29巻で終わったのではと記憶している人がいます。

正しくは全30巻です。加えて、前日譚にあたる『呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校』が0巻として別に刊行されています。

第30巻には本誌未掲載の描き下ろしが16ページ収録されており、本誌だけを読んだ場合と読後感が変わる作りです。

紙・電子とも全30巻が流通しています。続編『呪術廻戦≡』は別の巻数で刊行されているため、通読するなら本編30巻を終えてから進む順番が自然です。

なお、シリーズ累計発行部数はデジタル版を含めて1億部を突破しています(2024年12月時点)。

シラベエ
シラベエ

全30巻を一気に読む人と少しずつ読む人で、向き不向きはありますか。

長すぎて手が出ないという声も見かけました。

全巻くん
全巻くん

毎日1冊なら1か月で読み切れる量なんだ。少年漫画としては長すぎない部類だよ。

しかも渋谷事変あたりからは止まらなくなるから、体感はもっと短いと思う。

心配なら0巻から先に読むと、世界のルールが頭に入って楽になるよ。

呪術廻戦 最終回のネタバレ|271話「これから」結末のあらすじ

最終話は第271話「これから」。最終決戦の熱がそのまま続くのではなく、戦いが終わったあとの日常を最後に置いて閉じる構成です。

この章で追う3つの場面
  • 両面宿儺との決着と、宿儺自身が選んだ最期
  • 生き残った面々と、そこにいない五条悟
  • 百葉箱に納められた指という、最後の一コマ

この順に見ていけば、結末の全体像がつかめます。

宿儺との決着|「呪いの王」が選んだ最期

物語の最後の敵は、伏黒恵の身体を奪った両面宿儺です。仲間の連携で追い詰めたうえで虎杖悠仁が攻撃を通し、宿儺は伏黒の身体から引き剥がされます。

力を失った宿儺は、生き直す道を示されてもそれを受け入れません。呪いのまま消えることを、自分で選びます。

改心も救済もない退場です。ここを寂しいと受け取る読者がいる一方、最後まで信念を曲げない悪役として筋が通っているという見方もあります。

長く宿儺に付き従ってきた裏梅も、宿儺の消滅を見届けたあとを追う形で退場しました。宿儺と裏梅の決着は、どちらも第268話で描かれています。

宿儺が最後に何を思っていたのかは、言葉としては説明されません。読者が受け取れるのは、差し出された道を拒んだという選択の事実だけです。

生き残った面々|虎杖・伏黒・釘崎と、五条悟の不在

最終決戦を経て、入学時から共に戦ってきた虎杖悠仁・伏黒恵・釘崎野薔薇の3人は生き残ります。

渋谷事変で生死不明となっていた釘崎は終盤の第267話で再登場し、最後の戦いにも加わりました。読者の記憶では退場していた人物が戻ってくる、という展開です。

一方で、五条悟は第236話で宿儺に敗れて命を落としており、最終回で復活することはありません。

最終話では、彼が虎杖に託した想いが回想として差し込まれます。本人が戻ってくるのではなく、次の世代へ受け継がれた形で決着した、と読める描かれ方です。

3人がそろって生き残ったこと自体を、意外に感じた読者もいます。連載中は主要キャラの退場が続いたため、全員が最終回を迎える展開は予想しにくいものでした。

ラストシーン|百葉箱に納められた指

最終話の締めくくりは、平穏な街を歩く高専メンバーたちの姿と、百葉箱に納められた宿儺の指のカットです。

第1話で虎杖が手にした箱を思わせるその中には、指に寄り添うような小さな手が描かれます。物語が一周して戻ってきたことが、絵だけで示される場面です。

これは宿儺の復活を予告したカットではなく、呪いがまた廻っていく世界そのものを示した幕引きだと考えられます。

作中にはっきりした説明は置かれていません。タイトルの「廻戦」が示すとおり、呪いは終わらずに廻る、という受け取り方が自然でしょう。

シラベエ
シラベエ

最後のコマだけ切り取ると、まだ何も終わっていないようにも見えます。

ここで読者が置いていかれた気持ちになるのは、無理もないのでしょうか。

全巻くん
全巻くん

その気持ちは自然だと思うよ。勝って終わり、じゃない締め方だからね。

呪いの王は退場したけど、呪いの種は世界に残ったまま幕が下りるんだ。

ここを未解決と見るか、この作品らしい終わり方と見るかで、印象がきれいに分かれるよ。

呪術廻戦のその後は?最終回の後日談とラストシーンの意味

第271話のラストは、戦いを終えた高専メンバーが日常に戻る場面で締めくくられます。ただし本誌版で描かれた「その後」はごく短いものです。

キャラクターごとの後日談はほとんど描かれません。あの人はどうなったのか、というモヤモヤが残るのは、この分量の少なさが原因です。

一方、単行本第30巻の描き下ろし16ページには、小沢優子・パンダ・釘崎野薔薇・裏梅の4編のエピローグが収録されています。

キャラ・要素本誌版(第271話)単行本30巻の描き下ろし
虎杖悠仁日常に戻る姿を短く描写地元に戻り、小沢優子と再会する場面
伏黒恵宿儺から解放され生還個別のエピソードなし
釘崎野薔薇生存が描かれる母親と再会する場面
パンダ描写なし本編から大きく時間が飛んだ未来の場面
裏梅宿儺の消滅後に退場平安時代、宿儺に拾われた過去

表のとおり、本編で明示されたのは生き残ったことまでです。呪術師としてその後どう生きたのかは、本誌でも描き下ろしでも明示されていません。

明示されていない部分を推測で埋めるのは避けたいところですが、描き下ろしの4編がそれぞれ違う時間軸を扱っている点は特徴的です。

現在に近い時間(虎杖・釘崎)、遠い未来(パンダ)、遠い過去(裏梅)を並べることで、呪いが時代をまたいで廻り続けることが示された、と読むことはできます。

そしてパンダの一編で描かれた未来が、のちの続編『呪術廻戦≡』への橋渡しになりました。続編の内容は、後半の章で扱います。

シラベエ
シラベエ

本誌だけを読んで物足りなかった人は、どうするのがいいでしょうか。

わたしも、その後が知りたいで検索する読者の気持ちはよく分かる気がして。

全巻くん
全巻くん

そういう人にこそ、単行本の第30巻を開いてほしいな。16ページで印象がかなり変わるよ。

本誌で足りなかったぶんが、そこにちゃんと置いてあるんだ。

それでも足りなかったら続編まで進むといい。ただし読み味は別物だから、そこは覚悟してね。

呪術廻戦の最終章で死亡した主要キャラ

最終章にあたる人外魔境新宿決戦編では、宿儺との総力戦のなかで多くのキャラクターの生死が確定しました。

キャラ生死話数経緯
五条悟死亡第236話宿儺との戦いに敗れる
鹿紫雲一死亡第238話宿儺との交戦の末に死亡
羂索死亡第243話首を斬られて退場
脹相死亡第259話宿儺の攻撃から虎杖をかばう
裏梅死亡第268話宿儺の消滅を見届けたのち退場
両面宿儺消滅第268話伏黒の身体から剥がされ、生き直す道を拒む

読者に最も大きな衝撃を与えたのは、作中最強と位置づけられていた五条悟が第236話で敗れたことでしょう。ここが「ひどい」という感情の発火点になった面もあります。

一方、最終回時点で生存が確認できるのは、虎杖悠仁・伏黒恵・釘崎野薔薇の3人に加え、乙骨憂太・禪院真希・東堂葵・秤金次・日車寛見・髙羽史彦らです。

なかでも日車寛見は、戦闘の描写だけを追うと死亡したように見えますが、第269話で生存が示されます。髙羽史彦も同様に、決着の場面だけでは判断できません。

釘崎野薔薇も、渋谷事変で生死不明のまま長く描かれなかったため、死亡したと記憶している読者が多いキャラクターです。

生死があいまいに見える人物は、倒れた場面ではなく、その後のコマに描かれているかどうかで確認するのが確実です。

なお、この章で扱ったのは最終章で生死が確定したキャラのみです。渋谷事変や死滅回游など、それ以前の章で退場した人物は別にいます。

全30巻を通した死亡キャラの整理は、専用の記事にまとめています。

シラベエ
シラベエ

羂索の首を斬った人物は、資料によって書いてあることが違っていて判断がつきませんでした。

こういう場面は、どう読むのが安全でしょうか。

全巻くん
全巻くん

無理に一人へ絞らなくていいと思うよ。あの場面は複数の術師の連携で成立しているからね。

誰の手柄かより、髙羽の術式が作った隙が決め手になったという流れを押さえるほうが正確なんだ。

資料が割れているときは、割れていること自体を覚えておくのがいちばん誠実だよ。

登場人物の関係と最終回時点の立ち位置は、相関図の記事で表にしています。

五条悟と釘崎野薔薇の生死とその後の経緯は、それぞれ巻数・話数つきで単体の記事に詳しくまとめています。

呪術廻戦の最終回が「ひどい」と言われる6つの理由

「ひどい」という感想は、単一の理由から来ているわけではありません。読者が引っかかったポイントを整理すると、次の6つに分けられます。

批判されるポイント主な内容評価の対象
渋谷事変との落差中盤の完成度が高く、終盤が見劣りして感じられた死滅回游〜最終決戦
伏線が未回収天元・羂索の目的など、明かされない謎が多い物語全体
説明が足りない釘崎の復帰理由など、驚きの展開に説明が付かない終盤
五条悟の退場最強キャラの最期が唐突・あっけないと感じられた第236話前後
展開が駆け足決着から完結までのテンポが速く感じられた最終盤
最終話が地味大団円らしい盛り上がりがなく静かに終わった第271話

6つに共通しているのは、どれも「描かれなかったこと」への反応だという点です。ここから一つずつ見ていきます。

理由1:渋谷事変までが面白すぎた

最も多く語られるのが、渋谷事変との比較です。次々に張られた伏線と容赦のない展開で読者を熱狂させた章が、そのまま基準になりました。

その基準に照らすと、その後の死滅回游や最終決戦がどうしても物足りなく映る、という声が目立ちます。

これは作品の質が落ちたというより、自作の最高到達点と比べられてしまった構図とも言えるでしょう。渋谷事変が突出していたこと自体は、批判している側も認めている場合が多いところです。

実際、終盤は落ちたと書いている感想でも、渋谷事変への評価は高いまま据え置かれていることがよくあります。

落差そのものは、多くの読者が共通して感じている点です。ただしそれを作品の欠点と見るか、渋谷事変が突出していただけと見るかで、評価は変わります。

理由2:明かされないまま終わった謎が多い

呪術廻戦は謎を細かく仕込む作品でした。だからこそ、回収されなかった要素への消化不良が強く出ます。

天元が結局何者だったのか、羂索が本当に目指していたものは何だったのか。こうした点は、はっきりした答えが示されないまま完結しました。

虎杖悠仁についても、出自に関わる事情は作中で語られる一方、術式そのものの位置づけには明快な整理が置かれていません。

謎の量に対して回収の量が釣り合わなかった、という受け取り方は事実に基づいた指摘です。ただし、この作品はもともと世界のすべてを説明しない距離感で描かれてきた側面もあります。

回収されなかった要素を数え上げるほど、消化不良は強くなります。一方で、答えを置かなかったからこそ考察が続いている、という受け止め方もあります。

理由3:驚きの展開に説明が付かなかった

終盤には、渋谷事変以降その後が描かれなかった釘崎野薔薇の再登場など、読者を驚かせる展開があります。

ただし、なぜ助かったのか、どう回復したのかといった過程は詳しく描かれません。読者の期待に応える形の再登場でありながら、理屈の部分は省かれています。

歓迎した読者がいる一方で、盛り上がるための都合に見えたと受け取った人もいました。同じ場面が、説明の有無だけで正反対に評価される例です。

驚きを優先した結果として説明が薄くなった箇所は、終盤に複数あります。ここが駆け足という印象にもつながっていきました。

一つひとつは小さな省略でも、重なると積み重ねが薄く感じられます。終盤にそれが集まったことが、不満の声を大きくした面はあるでしょう。

理由4:五条悟の退場のさせ方

五条悟は第236話で宿儺に敗れ、上下に両断された姿で退場します。作中最強と位置づけられたキャラクターの最期としては、描写がきわめて短いものでした。

決着の瞬間そのものが大きく描かれないまま結果だけが提示されたため、衝撃を受けた読者が多かった場面です。

もっとも、強者の死をあっさり描くこと自体は連載当初からの作風でもありました。七海建人の退場を思い出す読者も少なくないでしょう。

一貫した作風と見るか、思い入れのあるキャラに対して雑だったと見るかで、評価が分かれています。

退場そのものより、そこに割かれたページ数の少なさが語られることの多い場面です。最強という位置づけが長く続いたぶん、退場の描写に求められる密度も上がっていたと考えられます。

理由5:決着から完結までが駆け足に見えた

最終決戦の決着後、後日談にあてられた分量は多くありません。生き残った面々のその後をじっくり見たかった読者にとっては、余韻が足りないと感じられました。

あと数話分あれば印象が違ったはずだ、という声はよく見かけます。この物足りなさが、打ち切りではという憶測を呼ぶ一因にもなりました。

ただし、後日談の不足は単行本第30巻の描き下ろしである程度補われています。本誌だけで判断すると、実際より駆け足に見える構造になっていました。

読む媒体によって駆け足かどうかの印象が変わる、という点は押さえておきたいところです。

完結の告知が事前に出ていたことを知らないまま最終回に触れた読者ほど、終わり方の速さを不自然に感じやすかった面もあるでしょう。

理由6:最終話が静かな終わり方だった

第271話は、大きな見開きで感動的に締めるタイプの最終回ではありません。本誌では特大センターカラーという厚めの扱いを受けています。

しかし内容は、日常に戻った高専メンバーを描き、宿儺の指のカットで静かに幕を閉じるものでした。派手さを期待していた読者ほど、拍子抜けした形です。

あっさりしすぎだと感じた声がある一方、この静けさこそが呪術廻戦らしいという評価もあります。

戦いの興奮で終わらせず、日常に着地させたこと自体を評価する読者は少なくありません。ここも受け取り方で反転する論点です。

最終回に何を期待していたかで、この静けさの評価は大きく変わります。派手な決着を待っていた読者ほど、肩透かしに感じやすい構成でした。

結末の意味がわからないと言われる理由|考察の分かれ目

「最終回の意味がわからない」という声もよく見かけます。解釈が割れているのは、主に3点です。

1つ目は、百葉箱の指に寄り添う小さな手が何を意味するのか。宿儺の復活を予告したものと読む人もいれば、呪いが人の手から生まれ続けることの象徴と読む人もいます。

2つ目は、呪いの根本は解決したのかという点です。作中では呪霊の発生そのものが止まったとは描かれておらず、世界の構造は変わらないまま幕が下ります。

3つ目は、虎杖悠仁が最終的に何を選んだのかです。彼の術式や出自をめぐる事情は、完全には整理されないまま終わりました。

これらについて、作中に明確な答えは置かれていません。タイトルの「廻戦」が示すとおり、呪いが廻り続けること自体を結論として提示した終わり方だと考えられます。

ただし、そう断定できる材料も作中にはありません。解釈が分かれるのは自然なことだと言えるでしょう。

シラベエ
シラベエ

6つ並べてみると、どれも描かれなかったことへの不満でした。

描かれた部分そのものに、破綻はなかったという理解でいいのですか。

全巻くん
全巻くん

わたしが読んだかぎり、話の筋が壊れている場所はないよ。決着も、その後も、ちゃんと描かれている。

足りないと感じるのは、説明されなかった余白の広さなんだ。

その余白を不親切と取るか、読者に委ねられたと取るか。そこが分かれ道だね。

呪術廻戦の最終回は打ち切り?よくある誤解・デマを検証

呪術廻戦の最終回をめぐっては、事実と少しずれた話がネット上で広まりました。代表的なものを並べて確認します。

よくある説実際
打ち切りで強制終了した完結の約1か月半前に公式が完結までの残り話数を告知したうえでの完結
体調不良で話を短縮した休載はあったが、結末を縮めたという公式の説明は確認できない
単行本は29巻で完結した第29巻と第30巻が2024年12月25日に同時発売。正しくは全30巻
五条悟は生きていた最終回時点で復活の描写はない
ラストの指は続編への予告続編は翌年に別作品として始まったもの。第271話の時点で告知はない
最終回は夢オチだった第270話「夢の終わり」から広まった完結前の予想。第271話に夢オチの描写はない

まず「打ち切りだった」という説です。これは完結の速さと伏線の多さから生まれた印象論だと考えられます。

実際には、2024年8月19日に公式Xアカウントで完結までのカウントダウンが告知され、最終回が9月30日発売号の第271話になることが事前に示されていました(電撃オンライン)。

編集部の判断で連載が打ち切られたことを示す公表は、確認できませんでした。単行本第30巻には作者のあとがきも収録されています。

次に「作者の体調不良で無理やり終わらせた」という説です。連載中に休載があったことは事実ですが、それが結末を変えたという公式の説明は確認できませんでした。

休載の存在と、結末の内容は分けて考える必要があります。作者の私的な事情については、発表された範囲を超えて推測しないのが安全です。

もうひとつ、完結の直前に盛り上がったのが「最終回は夢オチではないか」という説でした。

第270話のタイトルが「夢の終わり」だったこと、虎杖悠仁・伏黒恵・釘崎野薔薇の頭文字が「ゆめの」と読めることなどから、ファンの間で考察として広まったものです。

実際の第271話に夢オチの描写はなく、完結前の予想が独り歩きしたものだったと言えます。

シラベエ
シラベエ

どれも、言われてみれば根拠を見たことがない話ばかりでした。

こういう噂は、どうして生まれてしまうんでしょうか。

全巻くん
全巻くん

噂って、足りない情報のすき間に生まれるんだ。

呪術廻戦は語られない部分が多かったぶん、その余白に想像が入り込みやすかったんだと思う。

静かに終わると、人はつい作品の外側に理由を探しちゃうんだよね。

単行本30巻と続編『呪術廻戦≡』では結末はどう違う?

※この章には、単行本第30巻の描き下ろしおよび続編『呪術廻戦≡』の結末に関するネタバレが含まれます。

本誌の第271話を読んだだけでは、呪術廻戦の結末はまだ半分です。その先を描いたものが2つあります。

項目本誌版 第271話単行本 第30巻続編『呪術廻戦≡』
時期2024年9月30日発売号2024年12月25日発売2026年3月9日発売号で完結
内容宿儺との決着後の日常と百葉箱271話+描き下ろし16ページ死滅回游から68年後を描く
結末の軸呪いが廻り続けることの暗示主要キャラの後日談を補完地球外生命体との遭遇と外交
読後の印象静かで余韻を残す区切りがつき納得感が増す本編とは別ジャンルの読み味

単行本第30巻の描き下ろし16ページには、小沢優子・パンダ・釘崎野薔薇・裏梅のエピローグが収録されています。

虎杖が地元で小沢優子と再会する場面や、宿儺と裏梅の出会いにさかのぼる場面が加えられ、本誌版では省かれていた余韻が補われました。

後日談が足りないという不満の一部は、この単行本版で解消されています。読む順番によって評価が変わりやすい作品だと言えるでしょう。

続編『呪術廻戦≡(モジュロ)』は、原作・芥見下々/作画・岩崎優次による近未来スピンオフです。

週刊少年ジャンプ2025年41号(2025年9月8日発売)から短期集中連載として始まり、2026年3月9日発売の15号で最終回を迎えました(コミックナタリー)。

舞台は死滅回游から68年後。シムリア星人を名乗る地球外生命体が地球に現れ、乙骨真剣・憂花の兄妹が外交任務に参加したことから物語が動き出します。

単行本は第1巻が2026年1月5日、第2巻が3月4日、最終巻となる第3巻が5月1日に刊行されました。

なお、続編も全員が高評価というわけではありません。SF色の強い設定に戸惑う声や、本編の緊張感とは質が違うという指摘もあります。

一方で、本編のキャラクターが関わり始める中盤以降に評価を上げた読者も多く、本編のその後を知りたい人にとっては読む価値のある一作でしょう。

シラベエ
シラベエ

本編と続編で、ここまで読み味が変わるものなのでしょうか。

続けて読むべきか、別物として読むべきか迷っています。

全巻くん
全巻くん

別の作品として読むくらいが、ちょうどいいと思うよ。呪いの話から宇宙の話に軸が移るからね。

ただ、本編で残った問いに続編なりの答えを出そうとしているのは確かなんだ。

本編の余韻を大事にしたいなら、少し間を空けてから読むのがおすすめだよ。

漫画版・アニメ版も同じ結末になる?

漫画は完結しましたが、アニメを追っている方にとっては、アニメも同じ終わり方になるのかが気になるところでしょう。

媒体ベース完結状況結末・今後の見通し
原作漫画完結(全30巻・全271話)第271話「これから」で完結済み
続編『呪術廻戦≡』死滅回游の68年後完結(2026年3月9日発売号)地球外生命体との物語として決着
テレビアニメ原作漫画第3期まで放送済み第4期「死滅回游 後編」が制作進行中
劇場版総集編・先行上映2025年に複数公開新たな結末を描くものではない

テレビアニメは第1期(2020年)、第2期「懐玉・玉折/渋谷事変」(2023年)に続き、第3期「死滅回游 前編」が2026年に放送されました。

第3期の最終話は、2026年3月26日に放送された通算第59話「仙台結界」です。アニメはまだ原作の結末に到達していません。

第4期「死滅回游 後編」については、2026年6月19日にティザーPVが公開され、監督を佐藤威さんが務めることが公式サイトで発表されています。

2026年8月時点で、第4期の放送時期の発表は確認できません。アニメだけを追っている方にとって、ここまで紹介してきた結末はまだ先の話ということになります。

なお、アニメの各期が原作の何巻までを描いたかは、公式に公表されていません。続きから原作を読みたい場合は、第3期最終話「仙台結界」に対応する話を公式サイトの各話あらすじで確認するのが確実です。

※2026年8月時点の情報です。放送予定や制作状況は今後変わる可能性があるため、最新情報は公式サイトで確認してください。

シラベエ
シラベエ

アニメから入った人が結末を知りたいとき、いちばん困らない進み方はどれでしょうか。

原作に移ると、一気に最後まで分かってしまいますよね。

全巻くん
全巻くん

結末を早く知りたいなら原作に移るのが確実だね。ただ、そのぶん驚きは減ってしまう。

待てるなら、第4期の放送を待つ選択もあると思うよ。時期はまだ出ていないけどね。

どちらを選んでも損はしないから、自分の性格に合うほうでいいんだ。

「ひどい」だけじゃない|静かな最終回を評価する声

「ひどい」というキーワードで検索すると、どうしても否定的な意見ばかりが目に入ります。実際には、同じ場面に正反対の評価をしている読者も同じくらいいます。

論点「ひどい」と感じた理由「面白い」と感じた理由
静かな最終回大団円の盛り上がりがなく物足りない派手に締めない余韻が作品らしい
未回収の謎天元や羂索の答えが出ず消化不良世界のすべてを説明しない距離感が良い
五条悟の退場最強キャラの最期があっけない強さが絶対ではない世界観に一貫している
宿儺の最期改心も救済もなく寂しい最後まで信念を曲げない悪役として筋が通る
百葉箱のラスト解決していない印象が残る呪いが廻り続けるというタイトル回収になっている

表を見ると、争点そのものは賛否で共通していることが分かります。分かれているのは、余白をどう受け取るかだけです。

説明されない部分を物足りなさと見るか、読者に委ねられた余韻と見るか。その違いが「ひどい」と「良い」を分けています。

肯定的な評価が集まりやすいのは、日常に着地させたラストと、タイトル回収としての百葉箱です。戦いの興奮ではなく、生き残った者の時間で閉じたことを評価する声が目立ちます。

なお、後日談の分量に不満を持った読者ほど、単行本第30巻の描き下ろしを読むと印象が変わったという声が見られます。

シラベエ
シラベエ

同じ場面で評価が真っ二つになるのは、珍しいことなのでしょうか。

ここまで割れる作品は、あまり見ない気がして。

全巻くん
全巻くん

余白を残して終わる作品では、けっこう起きることなんだ。

全部説明して終われば評価はそろうけど、そのぶん読み返す楽しみは減ってしまう。

どっちが正しいということはないよ。あなたはどっち寄りだったかな。

呪術廻戦は今から読む価値がある?渋谷事変までを読み逃さないために

結論から言えば、呪術廻戦は今から最後まで読む価値がある作品です。最終回がひどいという評判だけで避けてしまうのは、もったいない選択でしょう。

向いている人向いていない人
呪術の理屈やルールを読み解くのが好きな人謎はすべて明快に解決してほしい人
好きなキャラが退場する展開も受け入れられる人主要キャラの生存が保証されていないと辛い人
熱いバトルの構成・駆け引きを楽しみたい人明るくハッピーな読後感を求める人
アニメで先が気になっている人後日談をたっぷり読みたい人

避けることの代償は、渋谷事変を読み逃すことです。近年の少年漫画でも屈指の密度を持つ長編が、評判の一言で素通りされるのは惜しいところです。

すでにアニメを追っている方は、第3期「死滅回游 前編」の続きにあたる話から原作を読み進めるのが自然です。

原作を最後まで読んだ方は、単行本第30巻の描き下ろし、そして続編『呪術廻戦≡』まで進むと、物語の輪郭がはっきりします。

「ひどい」と感じた人ほど、この2つを読んでから最終的な判断をするのがおすすめです。判断材料が本誌の1話分だけでは、さすがに足りません。

シラベエ
シラベエ

これから読む人は、どこから手をつけるのがいいでしょうか。

0巻から入るべきか、1巻からでいいのかも迷うところです。

全巻くん
全巻くん

素直に1巻からでいいと思うよ。0巻は前日譚だから、あとから読むほうが効く場面もあるんだ。

迷ったら渋谷事変までを一区切りにして、そこで自分に合うか確かめてみて。

そこまで来て面白いと思えたなら、最後まで走り切れるはずだよ。

よくある質問

Q呪術廻戦は全何巻で完結しましたか?
A全30巻、2024年9月に完結しました。最終話は第271話「これから」です。
Q呪術廻戦の最終回はどんな結末でしたか?
A伏黒恵の身体を奪っていた両面宿儺が敗れ、生き直す道を拒んで消滅します。その後は高専メンバーが日常に戻る様子で幕を閉じます。
Q最終回は本当に「ひどい」のですか?
A批判の中心は渋谷事変との落差と未回収の謎で、物語が破綻しているわけではありません。
Q呪術廻戦は打ち切りだったのですか?
A打ち切りではありません。完結の約1か月半前にあたる2024年8月19日に、公式から完結までの残り話数が告知されています。
Q最終回のその後は描かれていますか?
A本誌版の後日談は短いものですが、単行本第30巻の描き下ろし16ページに4編のエピローグが収録されています。
Q最終回で五条悟は復活しますか?
A復活しません。五条悟は第236話で命を落としており、最終話では回想の中で虎杖に想いを託した存在として描かれます。
Q最後の百葉箱のシーンはどういう意味ですか?
A宿儺の指が再び世に残されたことを示すカットで、呪いが廻り続ける世界を象徴していると考えられます。
Q本誌版と単行本版で最終回は違いますか?
A第271話の内容自体は同じです。単行本第30巻には描き下ろし16ページのエピローグが加えられています。
Qアニメは原作の結末まで描かれましたか?
A2026年8月時点では描かれていません。第3期「死滅回游 前編」まで放送済みで、第4期「死滅回游 後編」が制作進行中です。

まとめ|呪術廻戦の最終回と結末【全30巻】

呪術廻戦は全271話・全30巻で完結しました。最終話「これから」では両面宿儺との決着が描かれ、生き残った虎杖悠仁たちが日常に戻るところまで物語が閉じられています。

最終回に向けられた「ひどい」という声は、第271話という一話そのものよりも、渋谷事変から最終盤にかけての情報量の落差に向けられたものでした。

打ち切り説・体調不良説・五条悟の生存説といった噂は、いずれも確認できる根拠が見つかりませんでした。完結は2024年8月19日に公式から告知されたうえでのものです。

そして、本誌の第271話だけが結末ではありません。単行本第30巻の描き下ろし16ページが後日談を補い、続編『呪術廻戦≡』が68年後の世界まで物語を運びました。

「ひどい」と感じるのも、らしい終わり方だと感じるのも、どちらも自然な受け止め方です。正解は用意されていません。

だからこそ、評判だけで結論を出してしまうのは、この作品にとってもったいない読み方だと言えるでしょう。

シラベエ
シラベエ

調べ終えても、どちらが正しいとは言えませんでした。

これから読む人には、どんな心構えで最終回を迎えてほしいですか。

全巻くん
全巻くん

答え合わせのつもりで読まないでほしいかな。この作品は、全部は説明していかないタイプなんだ。

説明されなかったところを、自分でどう受け取るかまで含めて呪術廻戦だと思う。

最後まで読んだら、もう一度1話を開いてみて。あの箱を見る目が変わるはずだよ。

調査メモ

いちばん印象に残ったのは、打ち切りという言葉の強さでした。完結の約1か月半前に公式から告知が出ていた事実は調べればすぐ出てくるのに、噂のほうが長く残っています。

一方で、この記事では断定を避けた箇所がいくつかあります。羂索の首を斬った人物は資料によって書かれ方が違い、どれか一つに寄せる材料が見つかりませんでした。

続編『呪術廻戦≡』の主人公の続柄も同じです。乙骨憂太との血縁として紹介する資料もありましたが、一次情報で確認できたのは乙骨真剣・憂花の兄妹というところまででした。

アニメが原作の何巻に対応するのかも、公式の公表が見当たりません。巻数を推測で書くこともできましたが、外れたときに記事全体が疑われるほうが怖いと判断しました。

確認できたことと、確認できなかったこと。その線を引いたまま残しておくのが、いまのわたしにできるいちばん誠実な書き方だと思っています。

参考資料

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