こち亀の最終回を調べはじめて最初につまずいたのが、「どの最終回の話ですか」という問題でした。この作品には最終回と呼ばれるものが4つあります。
こち亀は2016年9月17日発売の『週刊少年ジャンプ』42号と単行本200巻で本編が完結しました。打ち切りを示す情報は確認できていません。最終話は「40周年だよ全員集合の巻」です。
「ひどい」と言われる中心にあるのは、40年の締めくくりが物語の決着ではなく、お祭りのような企画回だったことへの物足りなさです。
ただし、批判は作品が壊れたという話ではありません。同じ終わり方を「日常ギャグを日常のまま終えた潔さ」と受け取る読者もいます。
- 全200巻
2016年9月17日に本編完結 - 2つ
本誌版と単行本版で違うオチ - 50周年
2026年9月・新作と新アニメが進行中
先に結末のあらすじを置き、そのあとで「ひどい」と言われる5つの理由、嘘・騙し・打ち切りの検証、本誌版と単行本版の違い、アニメ版の結末をたどります。
※この記事には『こちら葛飾区亀有公園前派出所(こち亀)』の最終回に関する重大なネタバレが含まれます。会話に登場する全巻くんはこの記事の案内役のキャラクターで、発言は創作です。

調べていて驚いたのが、こち亀には最終回と呼ばれるものが4つあることでした。
どれを指して「ひどい」と言われているのか、そこが分からないままだったんです。
まず、その4つを分けて教えてください。

最終回が4つある作品は、そう多くないね。本物は2016年の本誌版と単行本版で、この2つはオチが違うんだ。
残りの2つは、69巻でやったニセ最終回と、2004年にレギュラー放送を終えた旧アニメの最終話。
「ひどい」と言われているのは、ほぼ2016年の漫画版のことだよ。
こち亀の最終回はこう終わった|40周年の企画回と2つのオチ
こち亀の最終話は「40周年だよ全員集合の巻」です。物語のクライマックスというより、40周年を祝う総集編と企画をあわせたような一話になっています。
- 40年の締めくくりが物語の決着ではなく、キャラの復活企画だったことへの物足りなさが「ひどい」の中心
- 「嘘」「騙し」という印象は、69巻でやったニセ最終回の記憶が本物の完結に重ねられたものとみられる
- 本誌版と単行本版でオチが差し替えられており、同じ最終話でも読後感が変わる
両さんが去ったり亡くなったりする展開はありません。反省もせず、退職もせず、麗子と結ばれることもないまま、いつもの葛飾・亀有の日常が続いていく形で幕が下ります。
この「変わらなさ」が、賛否の分かれ目になっています。40年分の積み重ねに見合う決着を待っていた読者ほど、物足りなさを感じたようです。
そしてもうひとつ、こち亀の最終回を語りにくくしている事情があります。同じ日に発売された『週刊少年ジャンプ』42号と単行本200巻とで、オチが差し替えられているのです。
つまり「こち亀の最終回」と言うとき、どちらを読んだかで見た景色が違います。違いの中身は後半の章でまとめて見ます。
この記事では、まず単行本200巻版を軸にあらすじをたどります。

同じ日に出たものでオチが違う、というのは他ではあまり聞きません。
これは読者を驚かせるための仕掛けだったのか、それとも別の狙いがあったのか気になります。

狙いそのものは公表されていないから、そこはわたしにも断定できないな。
ただ、こち亀は昔から最終回で読者をだまして遊んできた作品なんだ。
その延長線上にある仕掛けだと受け取る読者もいるね。
こち亀は全何巻で完結した?全200巻・40年の連載
こち亀は1976年に『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載が始まり、2016年9月17日発売の同誌42号まで、40年にわたって続きました。作者は秋本治さんです。
本編は全200巻、最終話「40周年だよ全員集合の巻」をもって完結しました。連載40周年とコミックス200巻という節目が重なった完結です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 掲載誌 | 週刊少年ジャンプ(集英社) |
| 連載期間 | 1976年42号〜2016年42号(約40年) |
| 本編の巻数 | 全200巻 |
| 最終話 | 「40周年だよ全員集合の巻」(本誌2016年42号/単行本200巻) |
| 完結日 | 2016年9月17日 |
| 完結後の続刊 | 201巻(2021年10月4日)・202巻(2026年9月4日)・203巻(2026年10月2日発売予定) |
| 作者 | 秋本治 |
巻数を数えるときに迷いやすいのが、「全200巻」は連載本編の巻数だという点です。完結後に発表された作品を収めた続刊があるため、単行本の総数は200巻を超えます。
201巻が2021年10月4日、202巻が2026年9月4日に出ており、203巻は2026年10月2日発売予定です。この続刊については、後の「その後」の章でまとめます。
最終回が載った号の誌面には、秋本治さんのコメントが寄せられました。日本経済新聞は「あの不真面目でいい加減な両さんが40年間休まず勤務したので、この辺で有給休暇を与え、休ませてあげようと思います」という一文を伝えています。
同じ記事には「終了しても物語は自分の中ではまだ動き続けているみたいです」「だからまたいつか…逢えることを信じつつ」という言葉も紹介されています。
いま読み始めるなら、紙の単行本のほか電子書籍でも読めます。1話完結のギャグ漫画なので、途中の巻から手に取っても筋を見失いにくい作りです。

全200巻という数字を見ると、さすがに構えてしまう人もいると思うんです。
途中から読んでも大丈夫なのか、そこを知りたいところです。

こち亀はほとんどの話が1話で完結するから、どの巻から入っても平気だよ。
続きものの長編を追う必要がないんだ。
気になった巻を1冊だけ買って、合うかどうか試す読み方もできるね。
こち亀 最終回のネタバレ|結末のあらすじ
単行本200巻版を軸に、企画・表彰・オチの順にたどります。
はじめに確認できた範囲を書いておきます。企画の名前と、読者投票をしていないこと、そして本誌版と単行本版でオチが差し替えられていることは、ダ・ヴィンチWebで確かめました。
一方、1位の顔ぶれとオチの細部については、誌面と単行本の現物に当たれていません。以下は、そう伝えられている内容として読んでください。
- 作中で発表される「復活キャラベスト10」
- 1位に選ばれたとされる両さんの表彰と、変わらない日常
- ラストのオチ|40周年パーティーの料理を独り占め
大きな事件も別れも起きません。それでも読後に残るものがある終わり方です。
復活してほしいキャラ「ベスト10」の発表
最終話の中心にあるのは、作中で発表される「復活キャラベスト10」という企画です。ダ・ヴィンチWebによれば、この企画は読者投票をまったくしていないと両津自身が作中で明かしています。
つまり、人気投票の結果を発表する回ではありません。秋本治さんらしい外しの効いた人選が並ぶ、最後まで作品の呼吸を崩さない企画になっています。
1位の顔ぶれは、本誌版と単行本版で違うと説明されています。本誌版が星逃田、単行本版が両津勘吉だという書き方が多く見られます。ただし、本記事では誌面と単行本の現物までは確認できていません。
ここは確定した事実としてではなく、そう伝えられている点として押さえてください。オチが差し替えられていること自体は、ダ・ヴィンチWebも伝えています。
1位とされる両津の表彰と、変わらない日常
単行本版でランキング1位とされる両さんは、大原部長から表彰を受けます。40年ぶんの節目にふさわしい場面ですが、そこで両さんが変わることはありません。
反省するわけでも、退職するわけでも、麗子と結ばれるわけでもない。読者が知っている両さんのまま、葛飾・亀有の日常がそのまま続いていくように描かれます。
大原部長との関係も、40年前から変わりません。怒られ、逃げ、また騒ぎを起こす。その繰り返しが最後の一話でも繰り返されます。
長く読んできた人の中には、ここで一区切りを期待していた人もいます。その期待に応えなかったことが、後で見る「ひどい」という声につながっていきます。
ただ、表彰される側が主人公本人だという構図には、この作品なりの筋が通っています。40年間いちばん復活してほしかったのは両さんだ、という読み方ができます。
ラストのオチ|40周年パーティーの料理を独り占め
単行本版のラストは、両さんが去ったあとの場面から始まります。大原部長や署長たちが、両さん抜きで豪華な40周年パーティーを開こうとするのです。
ところが、その企みは両さんに嗅ぎつけられます。用意された料理に両さんがつばをかけ、誰も手を付けられなくなったところを独り占めしてしまう、というギャグで幕が下ります。
誰も死なず、大きな別れもありません。明日もまた騒がしい一日が始まる、と読者に思わせたまま終わるのが、こち亀の選んだ締めくくりでした。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 導入 | 連載40周年を記念した「全員集合」回として最終話が始まる |
| 企画 | 作中で「復活キャラベスト10」を発表(読者投票ではないと両津が明かす) |
| 表彰 | 1位とされる両さんが大原部長から表彰される |
| オチ | 部長らが用意した40周年パーティーの料理を、両さんが独り占め |
| 締め | 大きな決着はなく、いつも通りの日常が続く形で完結 |

大きな事件を起こさずに終わったのは、そういう選択だったのでしょうか。
それとも枚数の都合だったのか、そこは資料からは分かりませんでした。

40年ずっと日常を描いてきた作品が、最後だけ非日常をやる方が不自然だからね。
明日も同じ朝が来る、と見せることがこち亀にとっての完結だったんだと思う。
ここは想像だけど、わたしはそう受け取っているよ。
こち亀のその後は?50周年の新作読み切りと新アニメ【2026年9月更新】
2016年の完結は本編の終わりであって、こち亀そのものが止まったわけではありません。秋本治さんはその後も不定期に新作を発表しています。
2026年9月に連載開始50周年を迎え、記念プロジェクトが相次いで動いています。新作読み切り、単行本の続刊、そして新アニメの3本です。
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2016年9月17日 | 本誌42号・単行本200巻で本編完結 |
| 2021年10月4日 | 単行本201巻を発売(完結後に発表された作品を収録) |
| 2025年12月20日 | 「ジャンプフェスタ2026」で新アニメ『新こちら葛飾区亀有公園前派出所』の制作を発表 |
| 2026年8月3日 | 『週刊少年ジャンプ』36号に約1年ぶりの新作読み切りを掲載(連載50周年記念) |
| 2026年9月4日 | 単行本202巻を発売(番外編「希望の煙突―端島―」を収録) |
| 2026年9月5日 | 新アニメの監督・新キャストと放送情報を発表 |
| 2026年10月2日 | 単行本203巻を発売予定 |
202巻は約5年ぶりの新刊で、番外編「希望の煙突―端島―」が収められています。昭和の長崎・軍艦島を舞台にした作品で、両津勘吉が登場せず「こち亀」のタイトルも付かない異色の一編です。
新アニメ『新こちら葛飾区亀有公園前派出所』は、2025年12月20日の「ジャンプフェスタ2026」で制作が発表されました。アニメーション制作は、1996年放送のアニメ版も手がけたぎゃろっぷが担当します。
そして2026年9月5日、公式サイトで中身が明かされました。監督は大地丙太郎さん、両津勘吉役は落合福嗣さんで、2027年にフジテレビで放送され、各プラットフォームで配信される予定です。
| 役 | キャスト |
|---|---|
| 両津勘吉 | 落合福嗣 |
| 中川圭一 | 蒼井翔太 |
| 秋本麗子 | M・A・O |
| 大原大次郎 | 坂本頼光 |
キャストは旧アニメから一新されました。旧アニメで両津役を務めたのはラサール石井さんで、両津役は落合福嗣さんに代わります。
※2026年9月時点の情報です。放送時期や続報は今後変わる可能性があるため、最新情報は公式サイトで確認してください。

完結から10年近く経つのに、新作もアニメも動いているのが意外でした。
こういう戻り方をする作品は、めずらしいのでしょうか。

完結後に読み切りが続く作品はあるけれど、新作アニメまで立ち上がるのは多くないね。
しかも制作は1996年版と同じぎゃろっぷで、キャストは総入れ替え。
中身はまだ発表されていないから、そこは待つしかないよ。
こち亀の最終回が「ひどい」と言われる5つの理由
「ひどい」という感想は、ひとつの理由から来ているわけではありません。読者が引っかかったポイントは、大きく5つに分けられます。
そのうち3つは、40年の集大成という期待と、実際の最終話との落差に向けられたものです。
| 批判されるポイント | 主な内容 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 企画回で終わった | 物語の決着ではなくキャラの復活企画だった | 本誌版・単行本版 |
| 人選が唐突 | 復活キャラの順位が外しギャグで納得しにくい | 主に本誌版 |
| 全員集合が急ぎ足 | ラストの集合場面が駆け足に感じる | 主に本誌版 |
| ドラマがない | 成長・恋愛・退職などの決着がない | 両版に共通 |
| オチが2種類 | 本誌版と単行本版でオチが違う | 両版に共通 |
理由1:40年の集大成が「企画回」だった
よく挙がるのが、感動的なグランドフィナーレを期待していた読者にとって、最終話がキャラの復活企画だった点です。
しかもダ・ヴィンチWebが伝えるとおり、この企画は読者投票をまったくしていないと作中で明かされます。順位に納得の根拠がないことが、物足りなさを強めた面はあるでしょう。
もっとも、これは「日常ギャグ漫画を日常のまま終わらせた」とも言い換えられます。40年間ずっと同じ調子でやってきた作品が、最後だけ調子を変える方が不自然だという見方です。
どちらの受け取りも、最後まで読んだ人の自然な反応です。期待していた形と、実際の形が違っただけとも言えます。
この物足りなさが「つまらない」という感想に置き換わって広まった面もあります。つまらないというより拍子抜けだった、という言い方をする読者もいます。
理由2:ランキングの人選が「外しギャグ」だった
本誌版で1位に選ばれたのは星逃田だったとされています。ハードボイルドを気取る個性派の脇役で、主役級の顔ぶれではありません。
最後まで外しを効かせたギャグとして読めば、こち亀らしい選び方です。一方で、締めくくりならもっと納得のいく人選にしてほしかった、という声も上がりました。
この点は、単行本版では印象が変わります。単行本版の1位は両津勘吉だったとされており、本誌版のような肩透かしは起きにくい構成になっています。
同じ最終話でありながら、どちらを読んだかで理由2への評価が入れ替わります。ここが、こち亀の最終回を語りにくくしている理由のひとつです。
ネット上の感想を読むときも、その人がどちらを手に取ったかで前提が変わります。人選への不満は、本誌版を読んだ人から出ていることが多いところです。
理由3:ラストの全員集合が急ぎ足に見えた
本誌版のラストは、多くのキャラが一気に集まる見開きで締められます。40年分の登場人物が並ぶ豪華な場面です。
ただ、40年で登場した人物の数を思えば、見開き1枚に収めるには数が多すぎます。唐突だった、駆け足に感じたという受け止めは、そこから来ていると考えられます。
一人ひとりに見せ場を作れば、それだけで何話も必要になります。限られた枚数でどう畳むかという問題は、長期連載の最終回につきまとうものです。
こち亀の場合、その難しさが人数の多さで際立ちました。40年のあいだに登場した顔ぶれは、主要キャラだけでも数え切れません。
見開きに並べれば豪華になり、削れば「あの人が出ていない」と言われます。どちらを選んでも声が上がる場面だったと考えられます。
理由4:成長・恋愛・退職などの決着がない
両さんは最後まで両さんのままです。麗子との恋愛に決着はつかず、結婚も退職も描かれません。死亡する展開もありません。
長く読んできた人の中には、キャラクターのその後に一区切りが欲しかったと感じた人もいます。40年つきあった相手なら、当然の期待だとも言えます。
もっとも、これはこち亀が一貫して守ってきた「変わらない面白さ」の裏返しでもあります。両さんが変わってしまえば、その日から別の作品になります。
変わらないことを魅力として読んできたか、いつか変わる日を待って読んできたか。理由4への評価は、そこで分かれます。
死亡や退職がないことは、この作品では安心材料でもありました。両さんに何かあるかもしれない、と身構えずに読める最終回だったとも言えます。
理由5:本誌版と単行本版でオチが違う
同じ日に発売された『週刊少年ジャンプ』42号と単行本200巻で、最終回のオチが差し替えられています。この違い自体を粋な仕掛けと楽しむ人がいる一方、両方買わせる商法ではないかと感じた読者もいました。
作中でも、両津が「これは両方買ってもらういやらしい商法です」とコメントしています。読者が抱く不満を、作品の側が先回りして口にしている形です。
このメタ発言を「先に言われたら怒れない」と受け取るか、「言えば済む話ではない」と受け取るかで、評価は割れます。
事実と印象は分かれます。次の点は、先にはっきりさせておきます。
| 項目 | 実際の内容 |
|---|---|
| 打ち切りだったのか | 打ち切りを示す情報は見つかりませんでした |
| 完結の時期 | 連載40周年とコミックス200巻という節目が重なった |
| 作者のコメント | 誌面に「40年間休まず勤務した」両さんに有給休暇を、という趣旨のコメントを寄せている(日本経済新聞) |
| 完結後の展開 | その後も不定期に新作を発表し、2021年に201巻を刊行 |
節目が重なった完結であり、打ち切りを示す情報は見つかりませんでした。

5つ並べてみると、作品の出来を責める声はほとんどありませんでした。
それでも「ひどい」という言葉が残るのは、なぜなのでしょう。

40年ぶんの期待が積み上がっていたからだよ。
待っていた形と、実際に出てきた形が違った。それだけのことなんだ。
終わりのできが悪かったという話とは、少し違うところにあるね。
こち亀の最終回は嘘・打ち切り?「騙しの最終回」の誤解を検証
こち亀の最終回は、「嘘」「デマ」「騙し」といった言葉と一緒に検索されることがあります。これは、こち亀が過去にニセ最終回をギャグとしてやってきたことが尾を引いているものとみられます。
よく知られているのが、コミックス第69巻の「両さんメモリアル」です。ラストにお別れのメッセージが置かれ、本当に連載が終わると受け取った読者が少なくありませんでした。
その反響は、作中でも触れられています。第70巻の「備えあれば憂いなし!?の巻」では、両津が読者から届いた手紙について語る場面があるとWikipediaは伝えています。
さらに第114巻のコミックスプレビューでは、69巻が「うその連載終了で、たくさんの抗議が来た作品だ」と紹介されているとされています。
本記事では、この2巻の現物までは確認できていません。ただ、作品の側が騒ぎになったことを後の巻で持ち出しているのは確かなようです。
このニセ最終回の記憶が強く残っているため、「こち亀の最終回=読者を驚かせるタイプのギャグ」というイメージが独り歩きしています。
一方で、2016年の最終回は嘘ではなく、打ち切りを示す情報も見つかりませんでした。40周年・200巻という節目に置かれた、企画色の強い最終回です。
| よくある説 | 実際 |
|---|---|
| 打ち切りだった | 打ち切りを示す情報は見つからなかった。40周年・200巻での完結 |
| 「騙しの最終回」が本物の最終回 | それは過去のギャグ回(69巻「両さんメモリアル」) |
つまり「嘘」「騙し」という印象は、過去のニセ最終回の強さが2016年の本当の完結に重ねられた結果だと考えられます。

ニセ最終回で抗議が来たのに、作品の側がそれを後の巻でネタにしているのが不思議でした。
普通なら触れずに済ませそうなところです。

こち亀は自分がやったことを作中で持ち出すのが得意なんだ。
抗議が来たことも、両方買わせる商法だということも、両津の口から言わせている。
読者の反応ごと作品に取り込んでしまうところがあるね。
本誌版と単行本版の最終回はどう違う?
こち亀の最終回が独特なのは、2016年9月17日に同時発売された『週刊少年ジャンプ』42号と単行本200巻で、最終話のオチが差し替えられている点です。
話の大筋、つまり40周年の全員集合企画は同じです。違うのは細部と締め方で、ダ・ヴィンチWebもこの2つでオチが違うことを伝えています。
本誌版のオチ|復活キャラ1位は「星逃田」とされる
本誌版では、復活キャラの1位が星逃田だったとされています。多くのキャラが並ぶ見開きの全員集合で締められる形です。
前に見たとおり、この人選と集合場面の密度が「唐突」と受け取られました。ただし、1位の顔ぶれについては本記事で一次資料に当たれていません。
本誌で読んだ人にとっては、これが唯一の最終回です。単行本版があると知らないまま「こち亀はこう終わった」と記憶している読者もいます。
ネット上で語られる「唐突だった」という感想の多くは、この本誌版を指していると考えられます。単行本版だけを読んだ人の感想とは、噛み合わないことがあります。
本誌版は、読者と同じ週にリアルタイムで最終回を迎えた版でもあります。40年つきあった連載が終わる週に読んだかどうかで、同じ場面の重さも変わってきます。
単行本版のオチ|1位は「両津」とされ、料理を独り占め
コミックス200巻版では、ランキング1位が両津勘吉に変わっているとされています。締めは、40周年パーティーの料理を両さんが独り占めするギャグオチです。
同じ最終話でありながら、読後の手ざわりがかなり違います。本誌版が「みんなで並んで終わる」なら、単行本版は「両さんが一人でかっさらって終わる」形です。
| 項目 | 本誌版(ジャンプ42号) | 単行本版(200巻) |
|---|---|---|
| 発売日 | 2016年9月17日 | 2016年9月17日 |
| 復活キャラ1位 | 星逃田とされる | 両津勘吉とされる |
| ラストのオチ | 全員集合の見開きで締める | パーティーの料理を独り占め |
| 締めの手ざわり | お祭りとして畳む | ギャグとして落とす |
この2つのオチは、賛否が分かれる一方で「最後まで読者を楽しませる仕掛け」として受け止める声もあります。

両方を読み比べた人にしか分からない違い、ということになりますよね。
片方しか読んでいない人は、何を損したことになるのでしょうか。

損というより、見た景色が違うという話だと思うよ。
本誌版だけなら「お祭りで終わった」、単行本版だけなら「両さんらしく終わった」になる。
どちらも本物の最終回だから、片方だけでも間違いではないんだ。
漫画版・アニメ版も同じ結末になる?
こち亀は漫画だけでなく、長くアニメ化もされてきました。旧アニメの最終話は、原作の最終回とは別に作られたアニメオリジナルの一話です。
フジテレビ系の旧アニメは1996年6月16日に放送が始まり、2004年12月19日の第344話でレギュラー放送を終えました。最終話のタイトルは「さよなら両さん大作戦」です。
漫画の完結より12年早く、アニメは独自の幕引きを迎えていたことになります。ただし、この回のあらすじは資料によって書いてあることが食い違っており、本記事では確定できませんでした。
注意したいのは、2004年でアニメがすべて終わったわけではない点です。レギュラー放送の終了後も、2016年9月18日まで不定期にテレビスペシャルが放送されています。
つまり旧アニメには、レギュラー放送の最終話と、その後12年続いたスペシャルという2つの終わり方があります。「アニメは2004年に終わった」という言い方だけでは、後半が抜け落ちます。
| 媒体 | ベース | 完結・終了の状況 | 結末の特徴 |
|---|---|---|---|
| 漫画・本誌版 | 原作 | 2016年9月に完結 | 復活キャラ企画+全員集合 |
| 漫画・単行本版 | 原作 | 2016年9月に完結 | 復活キャラ企画+料理を独り占め |
| 旧アニメ | オリジナル | 2004年12月にレギュラー放送終了(以後2016年まで不定期のスペシャル) | 第344話「さよなら両さん大作戦」。原作とは別のオリジナル |
| 新アニメ | 新キャスト・新制作 | 2027年にフジテレビで放送予定 | 2026年9月時点で内容は未発表 |
新アニメ『新こちら葛飾区亀有公園前派出所』については、2026年9月時点で内容が発表されていません。分かっているのは、キャストが一新され、制作は旧アニメと同じぎゃろっぷが担当することです。
※2026年9月時点の情報です。放送時期や続報は今後も変わるため、最新情報は公式サイトで確認してください。

アニメの方が12年も先に終わっていた、というのは言われるまで気づきませんでした。
最終話のあらすじは、資料ごとに書いてあることが違っていて判断がつきませんでした。
ここは書かずに置いてあります。

分からないものを埋めないのは、正しい判断だと思うよ。
押さえておきたいのは、アニメの最終話が原作の最終回とは別物だということ。
漫画の結末を知りたい人は、アニメではなく200巻を見てね。
「ひどい」だけじゃない|企画回で終わったことを評価する声
「ひどい」という評価がある一方で、こち亀の最終回をこち亀らしい終わり方だと受け止める意見もあります。寂しさを明るく覆い隠すような終わり方こそこち亀らしい、という受け止めがその一つです。
興味深いのは、賛否が別々の場面ではなく、まったく同じ場面に向けられていることです。
| 論点 | 「ひどい」と感じた理由 | 「これでいい」と感じた理由 |
|---|---|---|
| 企画回で終わった | 集大成として物足りない | 日常ギャグを日常のまま終える潔さ |
| 湿っぽさがない | 感動的な別れが欲しかった | 寂しさを笑いで包むこち亀の呼吸 |
| 両さんが変わらない | 成長や決着が見たかった | 40年ブレない安心感こそ魅力 |
| オチが2種類 | 商法的に感じる | 最後まで読者を楽しませる遊び心 |
争点そのものは共通していて、同じ「変わらない終わり方」を物足りないと見るか、らしくて良いと見るかで割れています。
もうひとつ、評価を後押ししている事情があります。秋本治さんが本編完結後も不定期に新作を発表し続けていることです。
完全に途切れてしまった作品と、続きが時々届く作品とでは、最終回の受け止め方も変わります。2026年に50周年の新作と新アニメが動いていることは、その最たる例だと言えるでしょう。

同じ場面を見て評価が割れるのは、読み方の違いということでしょうか。
片方が読み違えている、という話ではないのか気になります。

問題というより、何を楽しみに読んできたかの違いだね。
毎週の1話を楽しみに読んできた人には、あの終わり方がいちばん自然に見える。
40年の物語として読んできた人には、決着が足りなく見えるんだ。
こち亀の最終回は今から読む価値がある?40年の打ち上げ花火として
こち亀の最終回は、単行本200巻を1冊買えばそこで読めます。ただし、感動的な大団円を期待して読むと肩透かしになりやすいところがあります。
40年の打ち上げ花火を見に行くような気持ちで手に取ると、この最終話の作りが素直に入ってきます。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 長期連載のお祭り感を味わいたい人 | 涙を誘う感動的な結末を求める人 |
| 両さんの変わらなさを愛せる人 | 恋愛や退職などの決着が欲しい人 |
| 2つのオチの違いを読み比べたい人 | 1本の物語としてきれいに完結してほしい人 |
| ギャグ漫画としてのこち亀が好きな人 | 1本の長い物語として畳まれる結末が好きな人 |
すでに読み終えた方には、本誌版と単行本版のオチを読み比べる楽しみ方があります。同じ最終話の印象がどこまで変わるのかを、自分の目で確かめられます。
これから通読する方は、69巻のニセ最終回も含めて「こち亀は最終回でも遊ぶ作品だ」と知っておくと、2016年の完結の受け取り方が変わってきます。

200巻を全部そろえるのは、正直かなり大きな買い物になりますよね。
最終回だけを確かめたい人は、どうするのがいいのか教えてください。

200巻を1冊だけ買えば、最終話はそこで読めるよ。
1話完結だから、前の巻を読んでいなくても意味が通るんだ。
読み比べたくなったら、そのときにジャンプ42号を探せばいいと思う。
よくある質問
まとめ|こち亀の最終回は「ひどい」のか【全200巻】
こち亀の最終回で「ひどい」と語られているのは、2016年に完結した漫画版が、物語の決着ではなくお祭り企画で締めた点についてです。打ち切りを示す情報は、調べた範囲では見つかりませんでした。
「嘘」「騙し」という印象は、69巻「両さんメモリアル」のニセ最終回が本物の完結に重ねられたものとみられます。実際の最終回は、40周年と200巻という節目が重なった完結でした。
さらに、本誌版と単行本版ではオチが差し替えられ、旧アニメはそれとは別の人情系オリジナルで幕を下ろしています。同じ「こち亀の最終回」でも、どれを指すかで印象が変わります。
「物足りない」と感じるのも、「らしくて良い」と感じるのも、どちらも自然な受け止め方です。最終話は単行本200巻の1冊で読めるので、評判を確かめるだけなら大きな手間はかかりません。
そして2016年の完結は、物語の終わりではありませんでした。2026年9月に連載開始50周年を迎え、新作読み切りと202巻の刊行、新アニメの制作が同時に進んでいます。

調べ終えて残ったのは、読者を驚かせる仕掛けが最後まで続いた作品だな、という印象でした。
最終回を確かめたあと、次にどこへ行くのがいいと思いますか。

200巻を読んだなら、次は201巻と202巻だね。完結してからの両さんが見られるよ。
202巻には両さんが出てこない番外編も入っている。
そのあと2027年に新しいアニメが始まる予定だから、しばらく退屈しないと思う。
調査メモ
この記事でいちばん手こずったのは、復活キャラ1位の顔ぶれでした。本誌版が星逃田、単行本版が両津勘吉という説明はあちこちで見かけます。
ただ、そこまで踏み込んで書いている一次資料に行き着けませんでした。そのため本文では「とされています」に留め、確認できていないことをその場に書き添えています。
オチが差し替えられていること自体と、劇中の両津の発言は、ダ・ヴィンチWebの記事で確認できました。ここは事実として言い切っています。
書き直しの途中で気づいたのが、新アニメの情報が古くなっていたことです。2026年9月5日に公式サイトで監督とキャスト、2027年フジテレビ放送という放送情報が出ていました。
もうひとつ直したのが、旧アニメの終わり方です。2004年12月19日はレギュラー放送の終了で、その後も2016年まで不定期にスペシャルが放送されていました。「2004年に完結」とだけ書くと、そこが抜け落ちます。
旧稿には最終話のあらすじも書いてありましたが、これは削りました。資料によって筋が食い違っていて、どれが正しいのか判断できなかったためです。
「クレームの手紙が殺到した」という書き方も改めました。Wikipediaが引いている作中の記述(第70巻・第114巻)を根拠にするほうが確かだと判断したためです。
参考資料
- アニメ「新こちら葛飾区亀有公園前派出所」公式サイト「派出所メンバー新キャスト&スタッフ陣を一挙解禁!」※新アニメの放送情報(2027年フジテレビ放送・各プラットフォームで配信)・監督・新キャスト4名・アニメーション制作の根拠
- アニメイトタイムズ「『新こち亀』制作決定、ティザービジュアル解禁!」※2025年12月20日「ジャンプフェスタ2026」での制作発表と、1996年版を手がけたぎゃろっぷが制作を担当することの根拠
- MANTANWEB「こち亀:連載50周年 1年ぶり新作読み切りが「ジャンプ」に」※2026年8月3日の新作読み切り掲載・202巻の発売日と収録番外編「希望の煙突―端島―」・203巻の発売日の根拠
- ダ・ヴィンチWeb「『こち亀』最終回でまさかの秘密を暴露…!?」※最終回が2016年9月17日発売の『週刊少年ジャンプ』42号であること・単行本200巻とオチが違うこと・「復活キャラベスト10」が読者投票ではないこと・両津の「両方買ってもらういやらしい商法」発言の根拠
- 集英社「こちら葛飾区亀有公園前派出所 200」※単行本200巻が刊行されていることの根拠
- 日本経済新聞「両さん、この辺で有給休暇を 「こち亀」作者・秋本さん」※最終回が載った号の誌面に秋本治さんが寄せたコメントの根拠
- Wikipedia「こちら葛飾区亀有公園前派出所」※連載期間・最終話「40周年だよ全員集合の巻」・単行本201巻と202巻の発売日・69巻「両さんメモリアル」のニセ最終回と70巻・114巻での言及の根拠
- Wikipedia「こちら葛飾区亀有公園前派出所 (アニメ)」※旧アニメのレギュラー放送期間(1996年6月16日〜2004年12月19日)・全344話・最終話「さよなら両さん大作戦」・不定期放送が2016年9月18日まで続いたことの根拠




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