チ。の登場人物相関図|章ごとに入れ替わる20人と最終回時点の生死

チ。の登場人物相関図|章ごとに入れ替わる20人と最終回時点の生死 相関図

『チ。―地球の運動について―』の相関図を1枚にまとめようとして、途中で手が止まりました。第1章と第2章のあいだに10年、第2章と第3章のあいだに25年が空いていたからです。

『チ。―地球の運動について―』の人物関係は、作中にある3つの組織と、それを横切る1本の線、そしてどれにも属さない人たちで捉えると整理できます。 3つの組織とは、C教正統派と異端審問官、天文研究所、異端解放戦線です。

相関図が食い違う原因は、この作品では主人公が章ごとに3回交代し、4人が主人公を務めることにあります。1枚の図に全員を並べると、一度も会っていない人どうしが隣に並びます。

この記事では、作中で示された所属と関係だけを言い切りました。 言われていない関係は「明示されていません」と書き、関係が示された話数を添えています。

  • 全8巻
    2022年4月に完結
  • 3つの組織
    作中に呼び名があるまとまり
  • 20人
    所属と関係の根拠を巻つきで明記

先に全体の分け方を決め、そのあと早見表、組織ごとの関係、ヨレンタと父ノヴァク、血縁、対立の決着、最終回時点の関係の順に見ていきます。

※この記事には『チ。―地球の運動について―』原作の重大なネタバレが含まれます。会話に登場する全巻くんはこの記事の案内役のキャラクターで、発言は創作です。

早見表から先は、全編で結末に触れます。 早見表のいちばん右の列は最終回時点の生死で、図にも同じ判定を書いています。それ以降の表には巻か話数を添えてあるので、未読の範囲は飛ばしてお読みください。

シラベエ
シラベエ

相関図をいくつか見比べたのですが、どれも1枚の図に全員が載っていました。

ただ、ラファウとドゥラカのように25年以上離れている人まで同じ図にいると、

知り合いのように見えてしまって、かえって混乱したんです。

全巻くん
全巻くん

混乱するのは当たり前で、あの図の描き方のほうに無理があるんだ。

この作品は章が変わるたびに、時代ごと入れ替わるからね。

1枚に畳もうとせず、章で切って4枚だと思って見るほうが早いよ。

【結論】チ。の相関図は3つの組織と1本の線で捉える|10年と25年が飛ぶ構成

人物の把握でいちばん困るのは、人数の多さではありません。主人公が章ごとに入れ替わることです。第1章のラファウ、第2章のオクジーとバデーニ、第3章のドゥラカ、最終章のアルベルトと続きます。

しかも章と章のあいだには時間が飛びます。第1章から第2章までが10年、第2章から第3章までが25年です。この間隔は、小学館の各巻の内容紹介にそのまま書かれています。

そこでこの記事では、次の4つのまとまりと、どれにも入らない人の枠に分けて整理します。呼び名が作中のものかどうかも、あわせて書きました。

チ。の4つのまとまり
  • 地動説を受け継ぐ線:組織に属さないまま地動説に関わった人たち。この記事での呼び方
  • C教正統派と異端審問官:異端を取り締まる側。作中の呼称
  • 天文研究所:完璧な天動説の証明を目指す側。作中の呼称
  • 異端解放戦線:第3章に現れる過激な抵抗勢力。作中の呼称
  • どの組織にも属さない人たち:3つのどれにも入らない人。この記事での呼び方

「C教正統派」と「異端審問官」は、TVアニメ公式サイトの人物紹介にそのまま出てくる呼び名です。「天文研究所」と「異端解放戦線」も、公式サイトが掲載しているあらすじの中で使われています。

一方、地動説を受け継いでいった人たちをまとめて呼ぶ名称は、作中にありません。 彼らは組織を作らず、ペンダントや石箱や手紙を次の人へ渡していくだけです。そこで、この記事のなかだけの呼び方として枠を用意しました。

分け方のものさしも先に決めておきます。この記事では、作中で所属が示されている人はその組織に置き、どの組織にも属さないまま地動説に関わった人だけを「地動説を受け継ぐ線」に置きました。

この分け方を1枚にまとめた図を置きます。

チ。―地球の運動について― 相関図(全8巻・最終回時点) チ。―地球の運動について―の登場人物を、作中の3つの組織と地動説を受け継ぐ線に分け、全8巻を読み終えた時点の生死を示した相関図。 チ。―地球の運動について― 相関図(全8巻・最終回時点) 【章ごとに交代する主人公】 ラファウ 第1章・1巻 10年後 オクジー/バデーニ 第2章・2〜5巻 25年後 ドゥラカ 第3章・6〜8巻 ※最終章(8巻)の主人公はアルベルト・ブルゼフスキ ▼ まとまりごとの関係は、それぞれの枠の中に文で書いています [1] 地動説を受け継ぐ線 ペンダント・石箱・手紙で受け渡される どの組織にも属さないまま関わった人 第1章(1巻) ラファウ(死亡) 大学へ飛び級入学した神童 フベルト(死亡) 幽閉されていた学者 第2章(2〜5巻) オクジー(死亡) 代闘士 グラス(不明) オクジーの同僚の代闘士 バデーニ(死亡) 修道院を追放された修道士 第3章・最終章(6〜8巻) ドゥラカ(死亡) 移動民族の娘 ラファウ(生存) 最終章・アルベルトの家庭教師 アルベルト(生存) 最終章・実在の天文学者 ※ドゥラカは7巻から異端解放戦線と動くが  加入したとは作中に書かれていない ※ラファウは第1章と最終章に同名で登場 [3] 天文研究所(作中の呼称) 完璧な天動説の証明を目指す側 ピャスト伯(死亡) 所長・天文学の権威 コルベ(不明) 天文研究所の研究員 ※ヨレンタは第2章のあいだここの研究助手 ※女性は研究員として扱われなかった [2] C教正統派と異端審問官 地動説を追う人たちを取り締まる側 ノヴァクはヨレンタの父 ノヴァク(不明) 第1〜3章・異端審問官 アントニ(不明) 助任司祭・のち司教 ダミアン(不明) 司教・ノヴァクの元部下 シモン(不明) 新人の異端審問官 ※ノヴァクは第3章ではダミアン司教に  個人的に雇われるとされている ※シモンは第15話でヨレンタを逃がす ※「C教正統派」は公式サイトの表記 [4] 異端解放戦線(作中の呼称) 第3章でドゥラカと組み出版を目指す 組織長は第2章のヨレンタ本人 ヨレンタ(不明) 組織長・元は天文研究助手 シュミット(不明) 部隊長 フライ(不明) 異端解放戦線のメンバー ※レヴァンドロフスキもこの組織の一員 ※活版印刷で地動説を世に広めるのが目的 [5] どの組織にも属さない人たち ドゥラカとドゥルーヴは姪と叔父 ポトツキ(不明) ラファウの義父・学校の教師 ドゥルーヴ(不明) ドゥラカの叔父 ※アルベルトの父(死亡)も最終章に登場 ※このまとまりは組織として数えない 凡例(枠の中の色が示すもの) 組織の中の上下関係 章をまたいで受け継がれた関係 血縁・家族関係 取り締まる側と追われる側 手を組んだ関係 ※(死亡):公式あらすじ・出版社の資料・リアルサウンドの解説記事で死亡が確認できた7行です。 ※(不明):最終回時点の生死を本記事では確認できませんでした。死亡という意味ではありません。  ノヴァクについては、公式あらすじ(第23話)自体が「安否が不明なまま」と書いています。 ※ラファウは第1章と最終章に同じ名前で登場します。同一人物かどうかは作中で明示されません。 ※章と章のあいだに10年(第1章→第2章)と25年(第2章→第3章)が飛びます。 ※所属が移った人は、最後に確認できた立場で置き、移る前の所属を枠の中に書いています。

図に書いた生死は、全8巻を読み終えた時点の判定です。枠と枠を線で結ばず、関係はそれぞれの枠の中に文で書いています。線の行き先を追う必要はありません。

図のなかだけ、「生死不明」を(不明)と略しています。枠の幅に収めるための省略で、意味は早見表の「生死不明」と同じです。

色は関係の種類を表す印です。組織の中の上下、取り締まる側と追われる側、血縁などを見分けるためのもので、枠をつなぐためのものではありません。

図のいちばん上には、章ごとに交代する主人公を並べました。矢印は時間が飛ぶ間隔を示しているだけで、3人が直接会っているという意味ではありません。

所属が移った人は、最後に確認できた立場で置き、移る前の所属を枠の中に書きました。例外として名指しで断っておきたい人が5人います。

バデーニは修道士ですが、地動説の側に置きました。 公式あらすじの第6話に「街の修道院を追放された身」とあり、C教の組織を離れているためです。オクジーとグラスは代闘士で、所属は示されていません。

ヨレンタは異端解放戦線の枠に置きました。 第19話で「異端解放戦線の組織長はヨレンタだった」と明かされるためです。ドゥラカは加入が示されないので地動説の側、ポトツキとドゥルーヴは別枠にしました。

よく見かける「地動説派と天動説派」の2分類は、この作品では途中で崩れます。修道士のバデーニと異端審問官のノヴァクが同じ教会の側になり、対立の形が見えなくなるためです。

まとめサイトによって分け方が食い違うのは、作り手が「どの時点で切ったか」が違うためと考えられます。第2章までで切った図と、最終章まで入れた図では、載る顔ぶれがほとんど重なりません。

シラベエ
シラベエ

組織が3つしかないというのが意外でした。

地動説を追っている人たちにも、何か名前が付いているものだと思い込んでいたんです。

名前が無いというのは、物語のうえで意味があることなんでしょうか。

全巻くん
全巻くん

名前が無いことが、読む側にはそのまま意味に見えるんだ。

組織を作れば形は残せるけれど、この人たちは作る前に捕まってしまう。

だから名前ではなく、物だけが次の人へ渡っていくんだよ。

チ。の登場人物・キャラ一覧|登場する章と立場、最終回時点の生死

左から名前、登場する章と巻、立場の順に並べています。いちばん右の列だけが最終回時点の話で、立場の列は本編を通しての役どころです。

名前登場する章(巻)立場・所属最終回時点
ラファウ第1章(1巻)大学へ飛び級入学した神童。地動説を受け継ぐ線死亡
フベルト第1章(1巻)幽閉されていた学者。地動説を受け継ぐ線死亡
ポトツキ第1章(1巻)ラファウの義父。学校の教師。所属なし生死不明
ノヴァク第1〜3章(1〜8巻)異端審問官。C教正統派生死不明
オクジー第2章(2〜5巻)代闘士。地動説を受け継ぐ線死亡
グラス第2章(2〜5巻)オクジーの同僚の代闘士。地動説を受け継ぐ線生死不明
バデーニ第2章(2〜5巻)修道院を追放された修道士。地動説を受け継ぐ線死亡
ヨレンタ第2章・第3章(2〜8巻)天文研究助手。のち異端解放戦線の組織長生死不明
ピャスト伯第2章(2〜5巻)天文研究所の所長。天文学の権威死亡
コルベ第2章(2〜5巻)天文研究所の研究員生死不明
シモン第2章(2〜5巻)新人の異端審問官。C教正統派生死不明
アントニ第2章・第3章(2〜8巻)助任司祭。のち司教。C教正統派生死不明
ドゥラカ第3章(6〜8巻)移動民族の娘。地動説を受け継ぐ線死亡
ドゥルーヴ第3章(6〜8巻)ドゥラカの叔父。所属なし生死不明
シュミット第3章(6〜8巻)異端解放戦線の部隊長生死不明
フライ第3章(6〜8巻)異端解放戦線のメンバー生死不明
レヴァンドロフスキ第3章(6〜8巻)異端解放戦線のメンバー生死不明
ダミアン第3章(6〜8巻)司教。ノヴァクの元部下。C教正統派生死不明
アルベルト・ブルゼフスキ最終章(8巻)パン屋で働く青年。実在の天文学者。地動説を受け継ぐ線生存
ラファウ(最終章)最終章(8巻)アルベルトの家庭教師。地動説を受け継ぐ線生存
アルベルトの父最終章(8巻)アルベルトの父。所属なし死亡

表は21行ですが、人物は20人です。 ラファウだけは第1章と最終章に同じ名前で登場するため、2行に分けました。この2人が同一人物かどうかは、作中で明示されていません。

登場する章の巻は、人物ごとの初登場巻ではなく、その章が何巻にあたるかを書いています。章の区切りは小学館の各巻の内容紹介から読み取れる範囲で判断しました。

2巻の紹介文に「ラファウが自ら命を絶ってから10年が経った」、6巻に「オクジーとバデーニが命を賭して真理を生き残らせてから25年の時が経った」とあります。

最終回時点の列は、死亡・生存・生死不明の3つだけで書きました。 「死亡」と書いたのは、アニメの公式あらすじ、出版社の資料、リアルサウンドの解説記事のいずれかに死亡が書かれている7行だけです。

内訳を分けて示します。ラファウ(第1章)は小学館2巻の内容紹介、フベルトは公式あらすじ第2話の「あえなく処刑されてしまう」、ピャスト伯は第10話の「ピャスト伯の死から数ヶ月」が根拠です。

オクジーとバデーニは、公式あらすじ第14話の「死刑を宣告される」「絞首台へと上っていく」と、小学館6巻の内容紹介を合わせて判断しました。ドゥラカはリアルサウンドの解説記事が「死に際のドゥラカ」と書いています。

残る12人は「生死不明」です。これは死亡していないという意味ではありません。 死亡を書いた公式の資料や出版社の資料を、本記事では見つけられなかったという意味です。

ノヴァクについては、公式あらすじ自体が第23話で「ノヴァクの安否が不明なまま、教会は火の海に包まれていく」と書いています。 公式が書いていない以上、この記事でも生死不明のままにします。

なお、ciatr「『チ。』死亡キャラを一覧で紹介!」(2025年12月8日)は、グラス、ヨレンタ、フライ、シュミット、アントニ、ノヴァクを死亡として紹介しています。本記事はこの記述を判定には使わず、そういう解説があることだけをお伝えします。

シラベエ
シラベエ

生死不明が12人というのは、正直に言って多いと思いました。

読者としては白黒つけてほしい場面のはずで、そこが引っかかっていて。

そのほうがかえって親切になることもあるのか、教えてください。

全巻くん
全巻くん

わたしは全巻読んでるから言えるんだけど、この作品は最期の描き方がとても静かなんだ。

はっきり死んだと書かれない人もいれば、ずっとあとの巻で触れられる人もいる。

分からないところを分からないままにしておくと、読み返したときに自分で確かめられるよ。

組織ごとの関係|C教正統派・天文研究所・異端解放戦線の3つ

この章の表では、関係の書き方を3段階に分けます。作中のセリフやあらすじで言われているものは根拠の列に話数を書き、描写から読み取れるだけのものには「(描写のみ)」を添え、どちらとも書かれていないものは「明示なし」と書きます。

根拠の列に入れたのは、アニメの公式あらすじで確かめた話数です。 原作の話数とアニメの話数は別のものなので、混ぜていません。この記事の表に「(描写のみ)」に当たる行はありません。

原作の巻と話数の対応は、小学館のマンガサイト「ビッコミ」の連載一覧で確かめられます。巻ごとに話がまとめられているので、「何巻が第何話か」がそのまま分かります。

収録話収録話
1巻第1話〜第4話5巻第29話〜第35話
2巻第5話〜第12話6巻第36話〜第44話
3巻第13話〜第21話7巻第45話〜第52話
4巻第22話〜第28話8巻第53話〜最終話

最終話は第62話にあたります。8巻だけが10話を収めていて、ここに第3章の決着と最終章の両方が入っています。

C教正統派と異端審問官の関係

異端審問官は、異端思想を取り締まる立場の人たちです。TVアニメ公式サイトはノヴァクを「異端審問官」、シュミットの紹介文で「C教正統派」という呼び名を使っています。

この組織は第1章から最終章まで一貫して登場する、作品で唯一の存在です。ただし中身は一枚岩ではなく、司教たちの派閥争いが第3章の軸のひとつになります。

関係呼び名根拠
ノヴァク → フベルト捕らえて処刑する側アニメ第2話
ノヴァク → ポトツキ揺さぶりをかける側アニメ第3話
ノヴァク → シモン教育実習を任された指導役アニメ第11話
アントニ → ノヴァク計略を仕掛ける側アニメ第15話
ダミアン → ノヴァク個人的に雇う側明示なし
アントニ → ダミアン同じ教会の司教どうし明示なし

表のいちばん分かりにくいところは、アントニの肩書きが第2章と第3章で変わることです。第2章のアントニは助任司祭として登場します。

第3章では、同じアントニが司教として出てきます。公式あらすじの第15話には「助任司祭アントニの計略により娘が火あぶりの刑に処せられたと思い込んだノヴァク」とあり、この時点ですでに対立が始まっています。

ダミアンとアントニは別人です。 どちらも司教で紛らわしいのですが、ダミアンはノヴァクのかつての部下にあたる人物として第3章に出てきます。かつての部下が司教になり、ノヴァクを雇う側に回るとされています。

ただし、ダミアンとノヴァクの上下関係が作中のどこで示されたのかは、本記事では確認が取れませんでした。 そのため根拠の列は「明示なし」としています。関係そのものを否定しているわけではありません。

天文研究所の関係

天文研究所は、街にある天文学の研究機関です。公式あらすじの第7話に「街の天文研究所」、第8話に「天文研究所の所長であり天文学の権威・ピャスト伯」と書かれています。

この研究所は地動説の側ではありません。所長のピャスト伯は、先代の教授から受け継いだ「完璧な天動説の証明」に人生を捧げています。 つまり地動説とは逆の目標を持つ組織です。

関係呼び名根拠
ピャスト伯 → ヨレンタ所長と研究助手アニメ第8話
コルベ → ヨレンタ同じ研究所の研究員どうし明示なし
ヨレンタ → ピャスト伯研究助手と雇い主アニメ第8話
ピャスト伯 → バデーニ観測記録を条件つきで提供する側アニメ第9話

この研究所が物語で果たす役割は、地動説を証明するための観測記録を握っていたことです。バデーニたちが記録を求めて接触し、ピャスト伯はある条件を出して承諾します。

条件は、見えるはずのない天体である「満ちた金星」を観測することでした。この観測をオクジーが担うことになり、代闘士だった彼が研究の中心に入っていきます。

ヨレンタは優秀でありながら、女性であるという理由で研究員として扱われず、雑用係に甘んじていました。公式あらすじの第7話にそのまま書かれている設定です。

コルベがヨレンタの先輩にあたるという記述はWikipediaにありますが、作中でそう言われた場面は見つけられませんでした。 そのため根拠の列は「明示なし」としています。

異端解放戦線の関係

異端解放戦線は、第3章から現れる抵抗勢力です。公式あらすじの第16話に「そのうちの一派、過激なことで知られる『異端解放戦線』のシュミットは各地の審問所を襲撃し」と書かれています。

TVアニメ公式サイトのシュミットの紹介文は「異端解放の部隊長」という表記です。資料によって「異端解放」と「異端解放戦線」が混ざりますが、どちらも同じ組織を指しています。

関係呼び名根拠
ヨレンタ → シュミット組織長と部隊長アニメ第16話・第19話
シュミット → ドゥラカ組織長のもとへ連れていく側アニメ第18話
ヨレンタ → ドゥラカ手紙を託す側アニメ第20話
フライ → シュミット同じ組織のメンバー明示なし

この組織の目的は、最新技術だった活版印刷で地動説を世に広めることでした。公式あらすじの第19話に、教会の不正や欺瞞を糺すことと合わせて書かれています。

組織長が誰かは、第18話まで伏せられています。シュミットたちが畏敬の念を抱く相手として語られ、第19話で「『異端解放戦線』の組織長はヨレンタだった」と明かされる構成です。

つまり第2章で天文研究所の助手だったヨレンタが、25年後にこの組織を率いていることになります。相関図でヨレンタの置き場所がいちばん迷うのは、この経歴のためです。

シラベエ
シラベエ

3つの組織のうち、最後まで残るのはどれなんでしょうか。

異端解放戦線が出てくるのは第3章からですが、それより前にはあったんでしょうか。

組織がいつからいつまであるのかが、物語の形に関わっている気がしています。

全巻くん
全巻くん

残り続けるという意味なら、C教の側だけだね。

天文研究所は第2章で所長を亡くすし、異端解放戦線が現れるのは第3章になってから。

取り締まる側だけが最初から最後まで居続けるのが、この作品の息苦しさなんだ。

ヨレンタを中心にした関係|異端審問官ノヴァクの娘と、最後に選んだ結末

ヨレンタを軸にすると、この作品の関係の変化がいちばん追いやすくなります。研究所の雑用係から地動説の協力者になり、25年後には異端解放戦線の組織長になるからです。

相手はじめの関係変わった巻・話最終回時点の関係
ノヴァク父と娘(娘は仕事を知らない)アニメ第12話で判明対立する側どうし
ピャスト伯所長と研究助手アニメ第10話で死去関係は終わる
バデーニ共同研究を持ち掛けられる側アニメ第8話地動説を受け継ぐ側
シモン拷問する側と受ける側アニメ第15話逃がされる側
ドゥラカ組織長と外部の少女アニメ第18話・第20話手紙を託す側と受け取る側

いちばん大きいのは、ヨレンタが異端審問官ノヴァクの娘だったという点です。公式あらすじの第12話に「ヨレンタの父は、よりによってノヴァクだった」とはっきり書かれています。

この設定は、ノヴァクという人物の描かれ方を変えます。TVアニメ公式サイトの紹介文は、ノヴァクを「娘を始めとしたこの世の平穏を守るため、どんな残酷なことも仕事と割り切って行う」人物としています。

つまり守ろうとしている当の娘が、取り締まる対象の側にいる構図です。第15話では、娘が火あぶりの刑に処せられたと思い込んだノヴァクが、生きる気力を失います。

ところが実際には、ヨレンタは新人審問官のシモンに助けられて逃げていました。ここで親子の生死の情報が食い違ったまま、物語は25年先へ飛びます。

25年後、ヨレンタは異端解放戦線の組織長として再び現れます。 公式あらすじの第20話は、この再会を「父と娘、悲しき再会の瞬間に、ヨレンタの取った行動とは」と書いています。

ドゥラカとの関係も、この章で押さえておきたいところです。第20話でヨレンタはドゥラカに手紙を託しますが、その中身は「かつてラファウが遺した言葉」でした。第1章と第3章が、ここで初めてつながります。

この2人が師弟と呼ばれた場面は、作中では確認できませんでした。 手紙を託す側と受け取る側、という関係だけを書いています。

ヨレンタ自身の最後については、公式あらすじの第21話が「ヨレンタが『地動説』を守るために選んだ、悲しい結末」と書いています。

ただし、この文には死亡と書かれていません。 そのため早見表では生死不明としました。ciatrの死亡キャラ一覧は、印刷所ごと火薬に火をつけて自爆したと紹介しています。

この場面で交わされる言葉そのものに触れたい方は、チ。の名言まとめで巻つきに整理しています。この記事ではセリフは引かず、関係だけを扱います。

シラベエ
シラベエ

父娘だと分かる場面が第12話というのは、思ったより遅い気がしました。

それまで読者は、この2人を別々の人として見ていたことになりますよね。

伏せておく必要が、どこにあったんでしょうか。

全巻くん
全巻くん

先に分かっていたら、読者はノヴァクを見る目を最初から変えてしまうからね。

ここからは読んだ側の受け取り方だけど、仕事として残酷なことをする人という顔が先に来る。

父娘だと知ってから読み返すと、同じ場面がまるで違って見えるよ。

血縁・家族関係|ノヴァクとヨレンタ、ラファウとポトツキ、ドゥラカとドゥルーヴ

この作品の血縁は、物語の仕掛けとして使われています。3組のうち2組が、途中で明かされて関係を反転させるタイプの血縁です。

人物続柄根拠(巻または資料)
ノヴァクとヨレンタノヴァクがヨレンタの父アニメ第12話
ラファウとポトツキポトツキがラファウの義父TVアニメ公式サイトの人物紹介
ドゥラカとドゥルーヴドゥルーヴがドゥラカの叔父アニメ第18話・Wikipedia
ドゥラカと父父は貧しさのために亡くなっているTVアニメ公式サイトの人物紹介
アルベルトと父最終章に父が登場するアニメ第25話

ノヴァクとヨレンタについては、前の章で見たとおりです。取り締まる側の父と、取り締まられる側の娘という関係が、第2章の後半から第3章の終わりまで効き続けます。

ラファウとポトツキは義理の親子です。TVアニメ公式サイトのフベルトの紹介文に「ラファウの義父ポトツキの知人」とあり、続柄がそのまま書かれています。

この血縁も途中で反転します。 公式あらすじの第3話は「ポトツキもまたかつて地動説に魅了され、捕縛された過去を持つ異端者だった」と書き、続けて「ポトツキの裏切りにより捕縛されるラファウ」と書いています。

つまり義父は、かつて同じものに魅せられた側でありながら、義理の息子を売る側に回ります。第1章がわずか1巻で終わるにもかかわらず密度が高いのは、この反転が入っているからです。

ドゥラカとドゥルーヴは、姪と叔父の関係です。公式あらすじの第18話が「叔父の裏切りにより窮地に立つドゥラカ」と書いており、ここでも血縁が裏切りとセットになっています。

ドゥルーヴという名前と、彼がドゥラカの唯一の肉親であることは、Wikipediaの登場人物節で確認しました。 公式の資料では「叔父」とだけ書かれ、名前までは確認が取れていません。

ドゥラカとドゥルーヴは別人です。 頭の2文字が同じで紛らわしいので、この記事では毎回どちらの話かが分かるように書いています。

シラベエ
シラベエ

3組のうち2組が裏切りとセットというのは、偶然には思えませんでした。

家族が味方にならない話が続くのは、作品の描き方として狙いがあるのか気になります。

全巻くん
全巻くん

家族が味方でいてくれたら、地動説はもっと楽に残せたはずなんだ。

でもこの話は、いちばん近い人でも守ってくれないところから始まる。

だから物を託すという形でしか、次へ渡せないんだよ。

対立とその決着|異端審問官ノヴァクが追った相手と、その最後

この作品の対立は、ほぼすべてノヴァクを軸に組まれています。第1章から第3章まで登場し続ける人物は彼だけで、追う側の顔が変わらないことが物語の背骨になっています。

対立何をめぐる対立か決着した巻・話決着の形
ノヴァク と フベルト地動説の研究そのもの1巻(アニメ第2話)フベルトが処刑される
ノヴァク と ラファウ受け継がれた地動説1巻(アニメ第3話)ラファウが裁判所で自ら命を絶つ
ノヴァク と オクジー・バデーニ地動説の資料の押収5巻(アニメ第14話)2人が死刑を宣告される
ノヴァク と 異端解放戦線地動説の本の出版8巻(アニメ第22話)騎士団と正面から衝突する
ノヴァク と アントニ教会のなかの主導権8巻(アニメ第23話)ノヴァクが反旗を翻す

ノヴァクが追う相手は、章が変わるたびに入れ替わります。変わらないのは追う理由のほうで、公式サイトは「娘を始めとしたこの世の平穏を守るため」と書いています。

この理由づけがあるために、ノヴァクは単純な悪役として描かれません。守ろうとしている平穏の中身が、章が進むにつれて本人にも崩れていきます。

第2章の決着は、地動説の資料が教会に押収される形で訪れます。公式あらすじの第14話は「はるか以前から信念ある者らによって連綿と託されてきた地動説の資料は教会に押収され」と書いています。

第3章の決着は、少し複雑です。公式あらすじの第23話によれば、ノヴァクは司教アントニに反旗を翻し、教会に火をつけて全てを葬ろうとします。 取り締まる側の内部で対立が起きる形です。

その場面でノヴァクはドゥラカの反撃に遭います。ただし、そのあと彼がどうなったかは「安否が不明なまま」と書かれており、決着の形までは本記事では追えませんでした。

ノヴァクの最後をめぐって、本記事が書けるのはここまでです。追う側の顔が最後まで変わらないこと、その追跡がどこで途切れたかだけを関係の面から押さえました。

シラベエ
シラベエ

ノヴァクが最後に敵対するのが、追っていた側ではなく味方のはずの司教だというのは意外でした。

この作品の対立の組み方として、どういう意味があるんでしょうか。

全巻くん
全巻くん

ここからは読んだ側の解釈だけど、追いかける理由が途中から変わって見えるんだ。

仕事として始まったものが、家族のためになり、最後は本人だけのものになっていく。

だから相手が誰かより、追う気持ちのほうが先に立って見えるんだよ。

最終回時点の関係はどうなった?|8巻・最終章のアルベルトと家庭教師ラファウ

最終章に入ると、それまでの人物がほぼ全員いなくなります。8巻の後半で、相関図の顔ぶれが入れ替わると言ってよい構成です。関係がどう変わったかだけを見ていきます。

関係最終章の直前最終回時点
アルベルト と ラファウ(最終章)面識なし生徒と家庭教師
アルベルト と 父親子父が亡くなる
ラファウ(第1章) と ドゥラカ面識なし手紙を通じて言葉だけがつながる
ノヴァク と アントニ追う側と司教安否が不明なまま終わる
ヨレンタ と ドゥラカ組織長と外部の少女手紙を託した側と受け取った側

最終章の舞台は、それまでと違って地名と年代が明示されます。公式あらすじの第24話は「1468年、ポーランド王国都市部――」と書いており、第1章から第3章までの伏せられた設定から切り替わります。

主人公のアルベルト・ブルゼフスキは、パン屋で働きながら天文への夢を捨てきれない青年です。実在の天文学者で、彼のもとで学んだ生徒の一人にニコラウス・コペルニクスがいたとされています。

この最終章で家庭教師として現れるのが、第1章と同じ名前のラファウです。公式あらすじの第25話は「青年ラファウから学術系サロンに招待された少年アルベルト」と書いています。

この2人のラファウが同一人物なのかは、作中で明示されていません。 読み方が割れているところで、リアルサウンドの解説記事も「第1章序盤で命を落としたはずのラファウ」と書いたうえで解釈を示しています。

関係のうえで確定するのは、アルベルトと家庭教師ラファウが生徒と教師であること、そしてアルベルトの父が亡くなることの2点です。父の死については、リアルサウンドが家庭教師による殺害として書いています。

第3章までの人物の関係は、最終章では引き継がれません。確定しないまま終わる関係が多く残る形で、ドゥラカが伝書鳩に託した手紙の行方もそのひとつです。

結末そのものの意味や、「ひどい」と言われる論点については、チ。の最終回・結末ネタバレで詳しく扱っています。この記事では関係の結果だけを書きました。

シラベエ
シラベエ

最終章で顔ぶれが入れ替わることは、相関図を見る側にとっては不親切に見えます。

それでもこの構成が選ばれた以上、関係の面から見て筋が通っているのか知りたいです。

全巻くん
全巻くん

関係の面で見ると、実は切れていないんだ。

ドゥラカが託された手紙は、もとをたどれば第1章のラファウの言葉だからね。

人が入れ替わっても、渡ってきた物だけは最後まで残っているよ。

よくある質問

Qチ。の登場人物は全部で何人ですか?
A本記事で主要人物として扱ったのは20人です。ラファウは第1章と最終章に同名で登場するため、早見表は21行になっています。全登場人物の総数は確認できていません。
Qチ。の登場人物に実在のモデルはいますか?
A最終章の主人公アルベルト・ブルゼフスキは実在の天文学者です。彼のもとで学んだ生徒の一人にニコラウス・コペルニクスがいたとされています。第1章から第3章の人物については、モデルを示す資料を本記事では確認できませんでした。
Q最終章のラファウは第1章のラファウと同じ人物ですか?
A作中では明示されていません。同名で外見も一致しますが、第1章のラファウは1巻で死亡しています。解釈の分かれ方はチ。の最終回・結末ネタバレで扱っています。
Qダミアンとアントニはどう違うのですか?
A別人です。アントニは第2章に助任司祭として登場し、第3章では司教になります。ダミアンも司教で、ノヴァクのかつての部下にあたり、第3章ではノヴァクを雇う側に回るとされています。
Qヨレンタは最後どうなりますか?
Aアニメの公式あらすじは第21話を「ヨレンタが『地動説』を守るために選んだ、悲しい結末」と書いています。死亡とは書かれていないため、本記事の早見表では生死不明としました。
Qノヴァクは最後どうなりますか?
Aアニメの公式あらすじは第23話を「ノヴァクの安否が不明なまま、教会は火の海に包まれていく」と書いています。公式が安否不明と書いているため、本記事でも生死不明としました。
Qアニメは原作の何巻まで描いていますか?どこからネタバレになりますか?
Aアニメ全25話は原作全8巻の最終章まで描いています。アニメを最後まで見ていれば、この記事に原作だけの未読範囲はありません。途中まで見ている場合は、早見表の右端の列を伏せてお読みください。
Q人物の関係を追いながら読み返すなら何巻から読めばいいですか?
A3巻からをおすすめします。ヨレンタが登場し、天文研究所と地動説の側がつながる巻で、この記事の関係表でヨレンタが絡む行はここから動き始めます。

まとめ|チ。の相関図は3つの組織と1本の線で読む

『チ。―地球の運動について―』の人物関係は、C教正統派と異端審問官、天文研究所、異端解放戦線という作中の3つの組織と、地動説を受け継いだ人たちの線、そしてどれにも属さない人たちで整理できます。

関係が大きく動くのは3か所です。1巻でポトツキがラファウを売り、5巻で地動説の資料が押収され、7巻でヨレンタが異端解放戦線の組織長として再び現れます。

最終回時点で確定するのは、アルベルトと家庭教師ラファウが生徒と教師であること、アルベルトの父が亡くなることの2点です。第3章までの人物の関係は、最終章には引き継がれません。

生死については、公式あらすじ・出版社の資料・リアルサウンドの解説記事で確認できた7行だけを「死亡」と書き、残る12人は「生死不明」としました。断定を避けたのであって、生き残ったという意味ではありません。

この記事は、図を1枚見て終わりにするのではなく、どの巻でその関係になったのかを確かめながら読み返すための表として作りました。未読の巻がある方は、早見表の右端の列を伏せてお読みください。

シラベエ
シラベエ

ここまで読んでくださった方は、たぶん一度読み終えて、

それでも人物の関係が頭の中でつながらなかった方だと思います。

最後に、もう一度読むならどこを見ればいいか教えてください。

全巻くん
全巻くん

誰が誰に何を渡したか、そこだけを目で追ってみて。

人の名前を覚え直すより、渡された物を追うほうがずっと早いんだ。

ペンダント、石箱、手紙。この3つで全体がつながるよ。

調査メモ

いちばん迷ったのは、人物をどう分けるかでした。見比べた図のいくつかは地動説派と天動説派の2つに分けていましたが、その分け方だと修道士のバデーニと異端審問官のノヴァクが同じ側になってしまいます。

作中に呼び名のある組織を数え直したところ、3つしかありませんでした。そこで組織を先に置き、どこにも属さない人を別の枠にまとめる形にしました。呼び名は公式サイトと公式あらすじで1つずつ確かめています。

生死の判定は、当初いくつかの解説サイトの一覧をもとに書こうとして、途中でやめました。同じ水準の資料を、このサイトの検証型記事ではすでに退けているからです。判定の根拠を公式の資料に限り直したところ、死亡と書けたのは7行にとどまりました。

そのぶん、巻と話数の対応は新しく取れました。 小学館の単行本ページには収録話の一覧がありませんが、マンガサイト「ビッコミ」の連載一覧は巻ごとに話がまとまっています。

1巻が第1話から第4話まで、8巻が第53話から最終話まで、という対応をここで確かめました。

ノヴァクの生死は、公式あらすじが「安否が不明なまま」と書いているのを見つけたときに迷いが消えました。公式が決めていないものを、この記事で決める必要はないと考えています。

死亡キャラ一覧記事はまだ作っていないため、生死の判定を突き合わせる相手がありません。その記事を書くときに、この表と1行ずつ照合するつもりです。

参考資料

完結・打ち切りになった漫画の最終回を検証し、わかりやすくまとめています。「ひどい」と言われる理由を、公式発表や単行本の情報をもとに整理し、賛否両方の見方を大切にしながら記事を書いています。

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