「あのセリフは何巻だったか」。鬼滅の刃の名言を読み返そうとして、そこで手が止まることがあります。この記事では、名言として挙がる言葉を巻・話つきで並べました。
鬼滅の刃の名言は、「永遠」をめぐるやりとりとして読むと、離れた巻どうしがつながって見えます。
たとえば、冨岡義勇の「生殺与奪の権を…」(1巻 第1話)、煉獄杏寿郎の「…心を燃やせ」(8巻 第66話)、産屋敷耀哉の「永遠というのは…」(16巻 第137話)です。
- 全23巻
2020年5月に完結 - 16個
この記事で引用する名言 - 8個
話数まで特定できたもの
早見表のセリフを押すと、その場面の解説へ飛べます。「生殺与奪」の読み方と意味だけを知りたい方は、専用の章からお読みください。
※この記事には『鬼滅の刃』の重大なネタバレが最終23巻まで含まれます。未読の巻の項目は飛ばしてお読みください。会話に登場する全巻くんはこの記事の案内役のキャラクターで、発言は創作です。

名場面は覚えていても、それが何巻だったかまでは覚えていないものですね。
全巻くんから見て、鬼滅の刃の名言はどこから見ていくのがいいでしょうか。

この作品はね、感動した順に並べるより、誰が誰に何を差し出したかで並べるほうが向いているよ。
鬼の側が永遠を差し出して、人の側がそれを断る、と読めるんだ。
同じ形のやりとりが二度出てくるよ。
【結論】鬼滅の刃の名言は3系統に分けられる
鬼滅の刃の名言は、誰が誰に何を差し出したかで分けると整理しやすくなります。この記事では次の3つに分けます。
- 鬼が差し出す「永遠」を断る言葉(煉獄杏寿郎 8巻/産屋敷耀哉 16巻 第137話)
- 弱さを認めたうえで前へ進ませる言葉(冨岡義勇 1巻 第1話/竈門炭治郎 2巻・6巻〜7巻/伊之助 8巻/時透無一郎 14巻)
- 別れの場面で残される言葉(不死川玄弥・不死川実弥 21巻 第179話/伊黒小芭内・甘露寺蜜璃 23巻 第200話)
鬼は老いず、人間は老いて死にます。その差が、そのまま会話の対立点になっています。
8巻の煉獄杏寿郎と16巻の産屋敷耀哉の返答は、鬼の側が差し出した限りのない生き方を断る言葉として読めます。 どちらも相手の前提を否定せず、中身だけを入れ替えて返しています。
2つ目の系統は1巻から14巻に集まり、慰めるのではなく、叱る形も含めて相手を前へ向かせる言葉です。3つ目は21巻以降に集中しています。系統の外に置いた善逸・無惨・悲鳴嶼行冥・胡蝶しのぶらの言葉は、キャラ別の章で扱います。

人気順ではなく系統で分ける、というのは意外でした。
3つに分けると、読者にとって何が変わるんですか。

探している言葉に辿り着きやすくなるよ。
セリフそのものより、誰に向けて言われたかで覚えている人が多いからね。
それに、離れた巻どうしがつながって見えてくるんだ。
鬼滅の刃の名言早見表【巻・話つき】
探しているセリフが何巻にあるかを、巻の若い順に並べました。セリフや場面を押すと解説へ飛べます。セリフを引かず場面だけを扱う行は〔場面〕と書いています。
スマホでは表を横にスクロールできます →
| # | セリフ(全文)・場面 | キャラ | 巻・話・話の題 | 名言と言われる理由 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 生殺与奪の権を他人に握らせるな!! | 冨岡義勇 | 1巻 第1話「残酷」 | 妹の助命を願う炭治郎への返答が、励ましではなく拒絶の形で第1話に置かれている |
| 2 | 失っても失っても 生きていくしかないです どんなに打ちのめされようと | 竈門炭治郎 | 2巻 | 1巻で家族を鬼に殺された炭治郎が、同じく大切な人を失った青年に倒置の一文で返している |
| 3 | 炭治郎…俺…守ったよ…… | 我妻善逸 | 3巻〜4巻 | 殴られても木箱を守った後に、途切れ途切れのまま炭治郎へ報告する形になっている |
| 4 | 人は心が原動力だから 心はどこまでも強くなれる!! | 竈門炭治郎 | 6巻〜7巻 | 指示されていないことをコインで決めていたカナヲに、判断を本人へ返す形になっている |
| 5 | 全ての決定権は私に有り | 鬼舞辻無惨 | 6巻 第52話「冷酷無情」 | 1巻 第1話で「握らせるな」と言われた決定権を、鬼の側がすべて自分のものだと言い切っている |
| 6 | 〔場面〕猗窩座が煉獄杏寿郎を鬼に誘う | 猗窩座 | 8巻 | 煉獄杏寿郎の返答から、老いと死を前提にした誘いと読める場面で、16巻の無惨と産屋敷耀哉のやりとりより先に出てくる |
| 7 | 老いることも死ぬことも 人間という儚い生き物の美しさだ | 煉獄杏寿郎 | 8巻 | 勧誘の前提である老いと死を否定せず、それを美しさと言い換えて断っている |
| 8 | 己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと心を燃やせ | 煉獄杏寿郎 | 8巻 第66話「黎明に散る」 | 打ちのめされることを前提にしたうえで、その後にすることだけを示している |
| 9 | 信じると言われたなら それに応えること以外考えんじゃねぇ!! | 嘴平伊之助 | 8巻 | 煉獄杏寿郎の最期の言葉を受けた場面で、なれるかどうかではなく、信じると言われたことへの応え方だけを求めている |
| 10 | 君はさ なんで自分だけが本気じゃないと思ったの? | 時透無一郎 | 14巻 | 相手の強さではなく、相手が自分に置いた前提そのものを問い返す形になっている |
| 11 | 誰が何と言おうと私は君を認める | 悲鳴嶼行冥 | 16巻 | 条件を付けずに認めると言い切っている |
| 12 | 永遠というのは人の想いだ | 産屋敷耀哉 | 16巻 第137話「不滅」 | 「永遠」の語を使ったまま中身を入れ替え、8巻の煉獄と同じ形で返している |
| 13 | 〔場面〕猗窩座の最期 | 猗窩座 | 18巻 第157話「舞い戻る魂」 | 8巻で煉獄に鬼になる道を勧めた人物の最期が、「舞い戻る魂」の題の回に置かれている |
| 14 | 〔場面〕童磨との決着 | 童磨 | 19巻 | 17巻でしのぶが敗れた相手との決着が、別の人物の手でつく |
| 15 | 仲間の誰かが必ずやり遂げてくれる | 胡蝶しのぶ | 19巻 | 17巻で敗れたしのぶの、仲間に託す言葉が、童磨が討たれた後の場面に置かれている |
| 16 | 兄ちゃん…は…幸せに…なって…欲しい… | 不死川玄弥 | 21巻 第179話「兄を想い弟を想い」 | 命を落とす直前の弟が、途切れ途切れの言葉で兄のこの先を願っている |
| 17 | 俺より先に死ぬんじゃねぇ!! | 不死川実弥 | 21巻 第179話「兄を想い弟を想い」 | 同じ場面で兄は順序そのものを拒み、弟の言葉と正反対の向きになっている |
| 18 | 鬼のいない平和な世界で もう一度人間に生まれ変われたら 今度は必ず君に好きだと伝える | 伊黒小芭内 | 23巻 第200話「勝利の代償」 | 限りのある人間として、鬼のいない世界に生まれ変わることに願いを置いている |
| 19 | 伊黒さんと食べるご飯が一番美味しいの | 甘露寺蜜璃 | 23巻 第200話「勝利の代償」 | 伊黒の生まれ変わりの願いと同じ話に、一緒に食べるご飯という身近な一言が置かれている |
話数は「そのセリフが発された場面が第何話にあたるか」を、集英社の電子版目次で特定したものです。 セリフの位置を原典で確かめたものではありません。場面が複数の話にまたがるものや、どの話か特定できなかったものは巻数だけにとどめました。
3巻〜4巻と6巻〜7巻の2行は、場面が巻の変わり目にあり、巻を1つに絞れませんでした。話数まで書けたのは19行のうち9行、引用した16個にかぎると8個です。
文言は、アニメイトタイムズと刀剣ワールドの2つの記事の表記に依拠しています。 両方に載っていたのは冨岡義勇、2巻の炭治郎、善逸、8巻の煉獄杏寿郎の返答、伊之助、産屋敷耀哉の6件で、残る10件は片方にだけ載っていました。

巻数だけの行と、話数まで入っている行が混ざっていますね。
作品の側に、何話の場面かを特定しにくくする事情はあるのですか。

あるね。鬼滅の刃は、一つの戦いが何話にもまたがるよ。
回想も差し込まれるから、場面の切れ目と話の切れ目がずれるんだ。
巻の変わり目で場面が続くこともあるから、そこは特に見分けにくいね。
短い名言(一文が20字に満たないもの)
一文が20字に満たない言葉は、「…」などの記号も含めて数えると次の8件です。セリフの全文は上の表と各カードにあるので、ここでは誰の何巻の言葉かだけを並べます。
1巻から16巻では、冨岡義勇(1巻 第1話)、我妻善逸(3巻〜4巻)、鬼舞辻無惨(6巻 第52話)、悲鳴嶼行冥(16巻)、産屋敷耀哉(16巻 第137話)の言葉です。
19巻から23巻では、胡蝶しのぶ(19巻)、不死川実弥(21巻 第179話)、甘露寺蜜璃(23巻 第200話)の言葉です。
短い言葉ほど、場面を知らないと意味が取りにくくなります。 たとえば無惨の言葉は、1巻 第1話の冨岡義勇の言葉と並べて読むと、向きが正反対になっていることが分かります。場面の説明はリンク先からたどれます。
物語の転換点になった名言・名シーン
1巻の冨岡義勇、8巻の煉獄杏寿郎、16巻の産屋敷耀哉。どれも鬼と人間のどちらの立場を取るかが問われ、後の巻で意味が足されていく場面です。
冨岡義勇の「生殺与奪の権を…」|1巻 第1話
生殺与奪の権を他人に握らせるな!!
第1話で、家族を鬼に殺された竈門炭治郎が、生き残った妹の禰豆子を背負って雪山を下ります。その途中で禰豆子が鬼に変わり、水柱の冨岡義勇が斬りかかります。
土下座をして妹を殺さないでほしいと願う炭治郎に向けた言葉です。依拠した媒体の片方は、この後に冨岡義勇が刀を収め、炭治郎を育手の鱗滝左近次のもとへ向かわせたことまで書いています。読み方と意味は後半の章にまとめました。
煉獄杏寿郎が猗窩座に返した「老いることも死ぬことも…」|8巻
老いることも死ぬことも 人間という儚い生き物の美しさだ
8巻に収められた無限列車での場面で、上弦の参である猗窩座から、鬼にならないかと誘われたことへの返答です。
依拠した2つの媒体では、この後に理由を述べる部分が続いています。引用したのは前半の一文までです。 8巻の第63話から第65話のどこにあたるかは絞り込めていません。
産屋敷耀哉が無惨に返した「永遠というのは…」|16巻 第137話
永遠というのは人の想いだ
16巻の第137話で、鬼殺隊を束ねる産屋敷耀哉が鬼舞辻無惨と向き合う場面での言葉です。この後にも言葉が続きますが、前半だけを引きました。

8巻と16巻で、返し方の形がそろっているんですね。
これは作品の構造として意図されたものと考えてよいのでしょうか。

そう読める形にはなっているね。ただ作者がどう考えたかは分からないから、
わたしからは断定しないでおくよ。
読者としては、8巻と16巻を続けて読むと面白くなる、とだけ言っておくね。
キャラ別に見る鬼滅の刃の名言
キャラの名前で探す方に向けて、キャラごとにまとめます。
冨岡義勇の言葉は1巻 第1話、煉獄杏寿郎が猗窩座に返した言葉は8巻、産屋敷耀哉の言葉は16巻 第137話で扱ったので、ここでは引き直しません。
煉獄さん(煉獄杏寿郎)の「…心を燃やせ」|8巻 第66話
己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと心を燃やせ
8巻の第66話「黎明に散る」で、猗窩座との戦いのあと、絶命する直前に炭治郎たちへ向けた言葉です。依拠した媒体では、「心を燃やせ」の4文字はこの長い一文の一部として紹介されています。
「黎明」は夜明けを指す語です(デジタル大辞泉)。話のタイトルとこの場面の内容を重ねて読むこともできますが、作者がそう意図したかどうかは確認できていません。
炭治郎の「失っても失っても…」|2巻
失っても失っても 生きていくしかないです どんなに打ちのめされようと
2巻、沼の鬼を討った後の場面です。依拠した媒体の片方は、婚約者を鬼に殺された青年が炭治郎に掴みかかる場面での言葉として説明しています。倒置の形をとった一文なので、1つの引用として数えました。
炭治郎がカナヲに言った「人は心が原動力だから…」|6巻〜7巻
人は心が原動力だから 心はどこまでも強くなれる!!
蝶屋敷での機能回復訓練を終えて任務に出る場面で、指示されていないことはコインを投げて決めるという栗花落カナヲに向けた言葉です。
訓練そのものは6巻の第49話から第51話までですが、7巻の第53話のタイトルが「君は」で、こちらにあたる可能性も残ります。
猗窩座の名言・名場面|8巻/18巻 第157話
この記事では猗窩座のセリフを引用していません。文言の拠りどころにしている2つの記事のどちらにも掲載が無かったためで、童磨も同じ扱いです。かわりに、読み返す場面を巻と話で示します。
8巻は、無限列車で猗窩座が煉獄杏寿郎に、鬼にならないかと誘う場面です。 第63話のタイトルが「猗窩座」ですが、場面の位置までは決められません。煉獄杏寿郎の返答は8巻の項目で扱いました。
18巻の第157話「舞い戻る魂」は、猗窩座が消える話です。 冨岡義勇と炭治郎との戦いの中にある場面で、18巻は第152話から第160話までを収録しています。
劇場版がこの場面をどう描いたかについては、どの話からどの話までを扱ったのかを公式が明言した資料を、本記事では確認できませんでした。
胡蝶しのぶの「仲間の誰かが…」|19巻
仲間の誰かが必ずやり遂げてくれる
依拠した媒体の説明にもとづけば、敗れた話と、この言葉が出た話は別です。 しのぶが童磨に敗れるのは17巻の第143話「怒り」ですが、童磨との決着は19巻なので、この引用は19巻の場面になります。
童磨との決着の場面そのものは、19巻の項目で扱っています。
善逸(我妻善逸)の「…守ったよ」|3巻〜4巻
炭治郎…俺…守ったよ……
鼓屋敷での戦いのあと、嘴平伊之助が木箱の中に鬼の気配を察して壊そうとし、善逸は殴られ続けながら、丸腰のまま箱を守ります。依拠した2つの媒体では、この後に、命より大事なものだと言われていたから守ったという趣旨の言葉が続いています。
場面が3巻と4巻の境にあります。鼓屋敷の鬼が退けられるのは3巻の第24話ですが、3巻は第25話までで、4巻の第26話のタイトルは「素手喧嘩」です。
童磨の名言・名場面|19巻
19巻に、上弦の弐である童磨との決着が収められています。17巻で胡蝶しのぶが敗れた相手で、栗花落カナヲと嘴平伊之助が決着をつける流れの中にある場面です。
19巻は第161話から第169話までを収録しています。童磨のセリフは、猗窩座と同じ理由で引用していません。胡蝶しのぶの19巻の言葉は、この決着の後の場面にあたります。
時透無一郎の「君はさ なんで…」|14巻
君はさ なんで自分だけが本気じゃないと思ったの?
14巻、刀鍛冶の里で上弦の伍である玉壺を退けた直後の場面です。14巻は第116話から第124話までを収録しています。第118話のタイトルは「無一郎の無」ですが、この場面が第何話かまでは決められません。
伊之助(嘴平伊之助)の「信じると言われたなら…」|8巻
信じると言われたなら それに応えること以外考えんじゃねぇ!!
煉獄杏寿郎が命を落とした(8巻 第66話)直後の場面で、弱気になった炭治郎に伊之助が向けた言葉です。8巻は第70話までを収録しているので、巻は8巻になります。依拠した2つの媒体は、どちらも煉獄杏寿郎の最期の言葉を受けた場面として説明しています。
引用したのは後半の一文です。 2つの媒体では、その前に、なれるかなれないかを言うな、という趣旨の一文があります。第66話の中か、続く話かは絞れませんでした。
鬼舞辻無惨の「全ての決定権は…」|6巻 第52話
全ての決定権は私に有り
6巻の第52話「冷酷無情」で、下弦の鬼が集められ、無惨が配下の鬼に自分の立場を告げる場面です。依拠した媒体では、この後に、拒否する権利はないという趣旨の言葉が続く形で紹介されています。
対になる1巻 第1話の言葉は、冨岡義勇の項目で扱っています。
悲鳴嶼行冥の「誰が何と言おうと…」|16巻
誰が何と言おうと私は君を認める
16巻の柱稽古、岩の訓練の場面です。16巻は第134話から第142話までを収録しており、第135話のタイトルが「悲鳴嶼行冥」ですが、場面の位置までは決められません。

キャラごとに言葉の質がずいぶん違うんですね。
逆に、共通しているところはありますか。

義勇、炭治郎、時透の言葉なら共通点があるよ。相手を落ち着かせようとはしていないね。
慰めるかわりに、決めるのは君だという形にしている。
次の章から結末に触れるから、未読の巻がある人は気をつけてね。
最終決戦で残された言葉と、最終章の名言
この章では、最終決戦と最終23巻の場面の言葉と、前半の言葉との呼応だけを扱い、結末そのものの評価には触れません。
不死川玄弥の「兄ちゃん…は…」|21巻 第179話
兄ちゃん…は…幸せに…なって…欲しい…
21巻の第179話です。上弦の壱である黒死牟との戦いが終わり、不死川玄弥と時透無一郎が命を落とす場面がここに収められています。
依拠した媒体では、この前後にも途切れ途切れの言葉が続く形で紹介されています。全体は長いため、中心にあたる部分だけを引きました。
不死川実弥の「俺より先に…」|21巻 第179話
俺より先に死ぬんじゃねぇ!!
同じ第179話で、命を落とす直前の弟の玄弥に向かって、兄の不死川実弥が叫ぶ言葉です。
同じ話で命を落とす時透無一郎については、依拠した2つの媒体にこの場面のセリフの掲載がありませんでした。引用はしませんが、場面は21巻 第179話です。
伊黒小芭内の「鬼のいない平和な世界で…」|23巻 第200話
鬼のいない平和な世界で もう一度人間に生まれ変われたら 今度は必ず君に好きだと伝える
23巻の第200話「勝利の代償」です。鬼舞辻無惨との決着がつき、悲鳴嶼行冥・伊黒小芭内・甘露寺蜜璃が命を落とす場面がここに収められています。
依拠した媒体は、これを甘露寺蜜璃に向けた心の中の言葉として説明しています。
甘露寺蜜璃の「伊黒さんと食べるご飯が…」|23巻 第200話
伊黒さんと食べるご飯が一番美味しいの
同じ第200話にある、甘露寺蜜璃の言葉です。依拠した媒体では、この後に理由を述べる言葉が続いています。
同じ話で命を落とす悲鳴嶼行冥については、この場面のセリフの掲載が2つの媒体にありませんでした。引用はしませんが、場面は23巻 第200話です。

同じ場面の中で、願う言葉と拒む言葉が並んでいるんですね。
21巻と23巻で、言葉の向きが変わったようにも見えます。
ここは読み方として、どう受け取ればいいでしょうか。

どちらも隣にいる人へ向けた言葉だけど、願いの置き場所が違うんだね。
21巻はこの世での兄弟の先を、23巻は鬼のいない世界での次の生を思う言葉として読めるよ。
続けて読むと、同じ人たちが何を手放さなかったかが見えてくるはずだ。
最終23巻の収録話タイトルから読む|第197話「執念」から第205話まで
この項ではセリフを引用しません。 集英社の目次で確認できる23巻の9話のタイトルだけで追います。
| 話数 | サブタイトル |
|---|---|
| 第197話 | 執念 |
| 第198話 | 気付けば |
| 第199話 | 千年の夜明け |
| 第200話 | 勝利の代償 |
| 第201話 | 鬼の王 |
| 第202話 | 帰ろう |
| 第203話 | 数多の呼び水 |
| 第204話 | 鬼のいない世界 |
| 第205話 | 幾星霜を煌めく命 |
第199話「千年の夜明け」は、8巻 第66話「黎明に散る」と同じく、夜明けを指す語を使っています。第204話「鬼のいない世界」は、4話前の伊黒小芭内の言葉と重なります。
最終話の「幾星霜」は「いくせいそう」と読み、苦労を経た上での長い年月を指します(デジタル大辞泉)。
16巻 第137話の題は「不滅」でした。最終話ではそれではなく、長い年月を指す語が題に置かれている、と並べて読むこともできます。作者の設計かどうかは確認していません。
最終回の結末と、その評価については、こちらの記事で検証しています。
誰が何巻で退場したかは、死亡キャラ一覧で扱っています。
「生殺与奪の権を他人に握らせるな」の意味と読み方|誰のセリフか
読み方、意味、誰の言葉か、表記のゆれを、確認できた範囲とその根拠で並べます。確認していない項目は、確認していないと書いています。
| 調べたこと | 確認できた範囲 | 根拠にした資料 |
|---|---|---|
| 読み方 | せいさつよだつ | コトバンク(デジタル大辞泉/精選版 日本国語大辞典) |
| 意味 | 生かしたり殺したり、与えたり奪ったりすること。他人をどのようにも思いのままにすること | コトバンク(デジタル大辞泉) |
| 別の辞典の説明 | 生かすことと殺すこと、与えることと奪うこと。他を支配して思いのままであることのたとえ | コトバンク(四字熟語を知る辞典) |
| 誰の言葉か | 冨岡義勇。竈門炭治郎に向けて発せられる | 本記事が依拠した2媒体 |
| 何巻の何話か | 1巻 第1話「残酷」 | 集英社の電子版目次 |
| 「権」か「権利」か | 本記事では原典で確認していません。 依拠した2媒体はいずれも「権」と表記 | 本記事が依拠した2媒体 |
「せいさつよだつ」と読みます。コトバンクに掲載されているデジタル大辞泉と精選版 日本国語大辞典が、どちらもこの読みを示しています。
意味は、生かすも殺すも与えるも奪うも思いのまま、という支配の状態を指します。もともとは作品のための造語ではなく、辞典に見出しのある語です。作中では「他人に握らせるな」という否定の形で使われ、支配される側に回るな、という意味になります。
誰の言葉かについては、依拠した2つの媒体がどちらも冨岡義勇のセリフとして紹介しています。主人公の竈門炭治郎ではなく、炭治郎に向けて言われた側の言葉です。
「生殺与奪の権利」という形も検索されています。ただし作中の表記が「権」なのか「権利」なのかを、本記事では原典で確認していません。 依拠した2媒体はどちらも「権」と書いています。

辞典に見出しのある言葉だったんですね。
作品で知って、意味を調べに来る方も多いと思うのですが、
こういう語が名言として残るのは珍しいことですか。

珍しいかどうかは、わたしには言い切れないな。
ただ、意味が分からなくても強さが伝わる並びだから残る、と読むことはできるよ。
気になったら辞典を引いてみて。作品の読み方が少し変わるはずだ。
名言から読み解く鬼滅の刃のテーマ
この作品の名言は、「永遠」を差し出す側と断る側のやりとりに集まっています。 8巻の煉獄杏寿郎と16巻の産屋敷耀哉が永遠を断り、23巻 第200話では鬼のいない世界での生まれ変わりが願われます。
有限であることを前提にした願いで閉じられている、と読むこともできます。
もうひとつは、慰めずに相手を前へ向かせる形で、冨岡義勇・炭治郎・伊之助・時透無一郎の言葉に共通します。ただし、どちらも筆者の読み方で、作者がそう考えて書いたかどうかは確認していません。

永遠を断る話、という読み方は考えたことがありませんでした。
こういう軸で読むと、どのあたりから読み返すのがいいでしょうか。

8巻からがいいと思う。誘われて断る場面が、まとまって読めるからね。
そのあと16巻に飛ぶと、同じやりとりが別の人で起きているのが分かるよ。
順番に読むより、この二つを続けたほうが見えやすいんだ。
よくある質問
まとめ|鬼滅の刃の名言
読み返す巻に迷ったら、1巻・8巻・16巻・21巻・23巻の5冊から開くと、この記事で引いた16個のうち10個に当たります。
弱さを認めたうえで前へ進ませる言葉は、1巻から14巻にかけて集まっています。1巻 第1話の冨岡義勇、2巻と6巻〜7巻の炭治郎、8巻の伊之助、14巻の時透無一郎の言葉です。
別れの場面の言葉は、21巻 第179話「兄を想い弟を想い」と、23巻 第200話「勝利の代償」の2つの話に入っています。
未読の巻がある方は、各項目の巻数を見ながら、読み終えたところまでを拾っていけます。 引用のうち8個には話数も付けています。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
全巻くんから見て、これから読み返す方に一言いただけますか。

23巻の目次を、先に眺めてみてほしいな。
話のタイトルだけでも、この作品が何を言い残したかが伝わってくるよ。
そこから1巻に戻ると、同じページが違って見えるはずだ。
調査メモ
この記事の巻・話と文言は、次の3つの手順で確かめています。同じ手順を踏めば、どなたでも手元で確かめられます。
1つ目は、集英社の電子版商品ページで収録話の一覧を見ることです。紙版の商品ページには一覧が載っておらず、参考資料に並べた電子版のページで全話のタイトルが見られます。
2つ目は、話のタイトルで場面を当てることです。第137話「不滅」や第179話「兄を想い弟を想い」のように、題から場面が決まる話はそこで話数を書き、決められないものは巻数までにとどめました。
3つ目は、セリフの文言をアニメイトタイムズと刀剣ワールドの2つの記事で確かめることです。作品本体で1字ずつ照合したものではなく、どちらにも載っていないセリフは引用していません。
アニメイトタイムズの記事は3ページに分かれています。また、産屋敷耀哉を「輝哉」と書いている資料がありますが、本記事では「耀哉」と書いています。
参考資料
- 集英社「鬼滅の刃 1/吾峠呼世晴」※1巻が第1話「残酷」から第7話までである根拠
- 集英社「鬼滅の刃 2/吾峠呼世晴」※2巻が第8話から第16話までである根拠
- 集英社「鬼滅の刃 3/吾峠呼世晴」※3巻が第17話から第25話までである根拠
- 集英社「鬼滅の刃 4/吾峠呼世晴」※4巻 第26話「素手喧嘩」の根拠
- 集英社「鬼滅の刃 6/吾峠呼世晴」※6巻 第52話「冷酷無情」と機能回復訓練の話数の根拠
- 集英社「鬼滅の刃 7/吾峠呼世晴」※7巻 第53話「君は」の根拠
- 集英社「鬼滅の刃 8/吾峠呼世晴」※8巻 第63話「猗窩座」・第66話「黎明に散る」の根拠
- 集英社「鬼滅の刃 14/吾峠呼世晴」※14巻が第116話から第124話まで、第118話が「無一郎の無」である根拠
- 集英社「鬼滅の刃 16/吾峠呼世晴」※16巻 第135話「悲鳴嶼行冥」・第137話「不滅」の根拠
- 集英社「鬼滅の刃 18/吾峠呼世晴」※18巻 第157話「舞い戻る魂」の根拠
- 集英社「鬼滅の刃 19/吾峠呼世晴」※19巻が第161話から第169話までである根拠
- 集英社「鬼滅の刃 21/吾峠呼世晴」※21巻 第179話「兄を想い弟を想い」の根拠
- 集英社「鬼滅の刃 23/吾峠呼世晴」※最終23巻の収録話9話のタイトルの根拠
- アニメイトタイムズ「『鬼滅の刃』名言・名台詞・名シーン集」※引用したセリフの文言と場面の根拠
- 刀剣ワールド「名言・名シーン集/ホームメイト」※引用したセリフの文言と場面の根拠
- コトバンク「生殺与奪(セイサツヨダツ)とは? 意味や使い方」※「生殺与奪」の読み方と意味の根拠
- コトバンク「黎明(レイメイ)とは? 意味や使い方」※「黎明」が夜明けを指す語であることの根拠
- コトバンク「幾星霜(イクセイソウ)とは? 意味や使い方」※「幾星霜」の読み方と意味の根拠
- コミックナタリー「「鬼滅の刃」4年3カ月の連載に幕」※2020年5月に完結したことの根拠
- ORICON NEWS「『鬼滅の刃』完結、世界トレンド入り」※最終回が第205話であることの根拠




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