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『チ。―地球の運動について―』の相関図は、1枚にまとめようとすると無理が出ます。第1章と第2章のあいだに10年、第2章と第3章のあいだに25年が空いているからです。
『チ。―地球の運動について―』の人物関係は、作中にある3つの組織と、それを横切る1本の線、そしてどれにも属さない人たちで捉えると整理できます。 3つの組織とは、C教正統派と異端審問官、天文研究所、異端解放戦線です。
主人公も4つの章で入れ替わります。1枚の図に全員を並べると、一度も会っていない人どうしが隣に並んでしまいます。
- 全8巻
2022年4月に完結 - 3つの組織
作中に呼び名があるまとまり - 20人
所属と関係の根拠を話数つきで明記
※この記事には『チ。―地球の運動について―』原作の重大なネタバレが含まれます。会話に登場する全巻くんはこの記事の案内役のキャラクターです。
早見表から先は、全編で結末に触れます。 早見表のいちばん右の列は最終回時点の生死で、図にも同じ判定を書いています。それ以降の表には巻か話数を添えてあるので、未読の範囲は飛ばしてお読みください。

相関図をいくつか見比べたのですが、どれも1枚の図に全員が載っていました。
ただ、ラファウとドゥラカのように25年以上離れている人まで同じ図にいると、
知り合いのように見えてしまって、かえって混乱したんです。

混乱するのは当たり前で、あの図の描き方のほうに無理があるんだ。
この作品は章が変わるたびに、時代ごと入れ替わるからね。
下の図も上段の矢印で章を区切ってあるから、章ごとに切って見るほうが早いよ。

この記事の表は、ノヴァクがフベルトを捕らえる第2話のように、アニメの話数を根拠にしているんだ。
Prime Videoの見放題に入っていて、30日間の無料体験があるよ。
章ごとの顔ぶれを映像で追える枠を下に置いたから、第1話から見てみて。
【結論】チ。の相関図は3つの組織と1本の線で捉える|10年と25年が飛ぶ構成
人物を追いにくいのは、主人公が章ごとに入れ替わるからです。第1章のラファウ、第2章のオクジーとバデーニ、第3章のドゥラカ、最終章のアルベルトと続きます。
しかも章と章のあいだで時間が飛びます。小学館の2巻の内容紹介は「ラファウが自ら命を絶ってから10年が経った」、6巻は「オクジーとバデーニが命を賭して真理を生き残らせてから25年の時が経った」と書いています。
分け方は、3つの組織に2つの枠を足した次の5つです。
- 地動説を受け継ぐ線:組織に属さないまま地動説に関わった人たち。この記事での呼び方
- C教正統派と異端審問官:異端を取り締まる側。作中の呼称
- 天文研究所:完璧な天動説の証明を目指す側。作中の呼称
- 異端解放戦線:第3章に現れる過激な抵抗勢力。作中の呼称
- どの組織にも属さない人たち:3つのどれにも入らない人。この記事での呼び方
「C教正統派」と「異端審問官」は、TVアニメ公式サイトの人物紹介にそのまま出てくる呼び名です。「天文研究所」と「異端解放戦線」も、公式サイトが掲載しているあらすじの中で使われています。
地動説を受け継いでいった人たちをまとめて呼ぶ名称は、作中にありません。 彼らは組織を作らず、ペンダントや石箱や手紙を次の人へ渡していくだけです。そこで、この記事のなかだけの呼び方として枠を用意しました。
作中で所属が示されている人はその組織に置き、どの組織にも属さないまま地動説に関わった人だけを「地動説を受け継ぐ線」に置きました。 この分け方を1枚の図にしています。
図の生死は全8巻を読み終えた時点の判定で、(不明)は生死不明の略です。関係は枠と枠を線で結ばず、枠の中に文で書きました。色は組織の中の上下、取り締まる側と追われる側、血縁といった関係の種類の印です。
いちばん上の矢印は章と章のあいだの年数で、主人公どうしが会っているという意味ではありません。
所属が移った人は最後に確認できた立場で置き、移る前の所属を枠の中に書きました。置き場所で迷いやすいのは次の人たちです。
バデーニは修道士ですが、地動説の側に置きました。 第6話の時点で「街の修道院を追放された身」で、C教の組織を離れているためです。オクジーとグラスは代闘士で、所属は示されていません。
ヨレンタは異端解放戦線の枠に置きました。 第19話で「異端解放戦線の組織長はヨレンタだった」と明かされるためです。ドゥラカは加入が示されないので地動説の側、ポトツキとドゥルーヴは別枠にしました。
よく見かける「地動説派と天動説派」の2分類は、第2章で崩れます。
完璧な天動説の証明を目指すピャスト伯が、条件つきでバデーニたちに観測記録を渡すからです(アニメ第9話)。その研究所の助手ヨレンタも、バデーニに持ち掛けられて地動説の共同研究に加わります(第8話)。
ほかの相関図と見比べるときは、どの章まで載せた図かを先に見てください。第2章までの図と第3章以降の図では、載る顔ぶれがほとんど重なりません。
チ。の登場人物・キャラ一覧|登場する章と立場、最終回時点の生死
左から名前、登場する章と巻、立場の順に並べています。いちばん右の列だけが最終回時点の話で、立場の列は本編を通しての役どころです。
| 名前 | 登場する章(巻) | 立場・所属 | 最終回時点 |
|---|---|---|---|
| ラファウ | 第1章(1巻) | 大学へ飛び級入学した神童。地動説を受け継ぐ線 | 死亡 |
| フベルト | 第1章(1巻) | 幽閉されていた学者。地動説を受け継ぐ線 | 死亡 |
| ポトツキ | 第1章(1巻) | ラファウの義父。学校の教師。所属なし | 生死不明 |
| ノヴァク | 第1〜3章(1〜8巻) | 異端審問官。C教正統派 | 生死不明 |
| オクジー | 第2章(2〜5巻) | 代闘士。地動説を受け継ぐ線 | 死亡 |
| グラス | 第2章(2〜5巻) | オクジーの同僚の代闘士。地動説を受け継ぐ線 | 生死不明 |
| バデーニ | 第2章(2〜5巻) | 修道院を追放された修道士。地動説を受け継ぐ線 | 死亡 |
| ヨレンタ | 第2章・第3章(2〜8巻) | 天文研究助手。のち異端解放戦線の組織長 | 生死不明 |
| ピャスト伯 | 第2章(2〜5巻) | 天文研究所の所長。天文学の権威 | 死亡 |
| コルベ | 第2章(2〜5巻) | 天文研究所の研究員 | 生死不明 |
| シモン | 第2章(2〜5巻) | 新人の異端審問官。C教正統派 | 生死不明 |
| アントニ | 第2章・第3章(2〜8巻) | 助任司祭。のち司教。C教正統派 | 生死不明 |
| ドゥラカ | 第3章(6〜8巻) | 移動民族の娘。地動説を受け継ぐ線 | 死亡 |
| ドゥルーヴ | 第3章(6〜8巻) | ドゥラカの叔父。所属なし | 生死不明 |
| シュミット | 第3章(6〜8巻) | 異端解放戦線の部隊長 | 生死不明 |
| フライ | 第3章(6〜8巻) | 異端解放戦線のメンバー | 生死不明 |
| レヴァンドロフスキ | 第3章(6〜8巻) | 異端解放戦線のメンバー | 生死不明 |
| ダミアン | 第3章(6〜8巻) | 司教。ノヴァクの元部下。C教正統派 | 生死不明 |
| アルベルト・ブルゼフスキ | 最終章(8巻) | パン屋で働く青年。実在の天文学者。地動説を受け継ぐ線 | 生存 |
| ラファウ(最終章) | 最終章(8巻) | アルベルトの家庭教師。地動説を受け継ぐ線 | 生死不明 |
| アルベルトの父 | 最終章(8巻) | アルベルトの父。所属なし | 死亡 |
表は21行ですが、人物は20人です。 ラファウだけは第1章と最終章に同じ名前で登場するため、1人と数えたうえで2行に分けました。2人が同じ人物かどうかは、最終回時点の章で扱います。
登場する章の巻は、人物ごとの初登場巻ではなく、その章が何巻にあたるかを書いています。
最終回時点の列は、死亡・生存・生死不明の3つだけで書きました。 死亡は、アニメの公式あらすじ、出版社の資料、リアルサウンドの解説記事のいずれかに死亡が書かれている7人です。
フベルトは第2話でノヴァクに捕らえられて処刑され、第1章のラファウは2巻の内容紹介に「自ら命を絶ってから10年」とあります。ピャスト伯は第10話が「ピャスト伯の死から数ヶ月」で始まります。
オクジーとバデーニは第14話で死刑を宣告されて絞首台へ上り、6巻の内容紹介も「命を賭して真理を生き残らせてから25年」と書きます。
ドゥラカは第23話で瀕死の重傷を負い、リアルサウンドの「死に際のドゥラカ」という記述で死亡としました。アルベルトの父も、リアルサウンドが最終章での死を書いています。
残る13人は「生死不明」です。これは死亡していないという意味ではありません。 公式の資料や出版社の資料で、死亡の記述が見当たらない人をここに入れています。
最終章のラファウは少年時代のアルベルトの前に現れる人物で、最終回の時点の消息を書いた資料が見当たらないため、ここに含めました。
ノヴァクについては、公式あらすじ自体が第23話で「ノヴァクの安否が不明なまま、教会は火の海に包まれていく」と書いています。 公式が書いていないため、生死不明としました。
ciatr「『チ。』死亡キャラを一覧で紹介!」(2025年12月8日)は、グラス、ヨレンタ、フライ、シュミット、アントニ、ノヴァクを死亡として紹介しています。
組織ごとの関係|C教正統派・天文研究所・異端解放戦線の3つ
根拠の列はアニメの話数で、どれも公式あらすじで確かめたものです。 公式あらすじで確かめられなかった関係は「明示なし」と書きました。
原作で読み返すときは、巻と話の対応を次の表で引いてください。小学館のマンガサイト「ビッコミ」の連載一覧が、巻ごとに話をまとめています。
| 巻 | 収録話 | 巻 | 収録話 |
|---|---|---|---|
| 1巻 | 第1話〜第4話 | 5巻 | 第29話〜第35話 |
| 2巻 | 第5話〜第12話 | 6巻 | 第36話〜第44話 |
| 3巻 | 第13話〜第21話 | 7巻 | 第45話〜第52話 |
| 4巻 | 第22話〜第28話 | 8巻 | 第53話〜最終話 |
最終話は第62話にあたります。8巻だけが10話を収めていて、ここに第3章の決着と最終章の両方が入っています。
地動説を受け継ぐ線の関係
この線にいる人たちは、組織の代わりに物を渡してつながっています。誰が誰に何を渡したかを並べると、第2章から第3章までが1本につながり、第1章とは第20話の手紙でつながります。
| 渡した側 → 受け取った側 | 渡したもの | 根拠 |
|---|---|---|
| フベルト → ラファウ | 天体を模したペンダント | アニメ第2話 |
| 名前の出ない異端者・グラス → オクジー | 想い | アニメ第5話・第6話 |
| オクジー → バデーニ | 石箱の中身 | アニメ第6話 |
| バデーニ → ヨレンタ | 地動説の共同研究の誘い | アニメ第8話 |
| ヨレンタ → ドゥラカ | かつてラファウが遺した言葉の手紙 | アニメ第20話 |
フベルトは処刑される直前に、ペンダントをラファウへ託します。第2章では、グラスが任務を捨ててノヴァクと敵対し、オクジーとグラスは、異端者の言葉どおり山奥で古い石箱を見つけます。
その石箱を見せられたバデーニは、中身に触れて態度を変えます。下級市民のオクジーの話をなかなか信じなかった修道士が、ここから地動説の側に回ります。
C教正統派と異端審問官の関係
異端審問官は、異端思想を取り締まる立場の人たちです。TVアニメ公式サイトはノヴァクを「異端審問官」、シュミットの紹介文で「C教正統派」という呼び名を使っています。
この組織の中身は一枚岩ではなく、第3章ではノヴァクと司教アントニの対立が表に出ます。
| 関係 | 呼び名 | 根拠 |
|---|---|---|
| ノヴァク → フベルト | 捕らえて処刑する側 | アニメ第2話 |
| ノヴァク → ポトツキ | 揺さぶりをかける側 | アニメ第3話 |
| ノヴァク → シモン | 教育実習を任された指導役 | アニメ第11話 |
| アントニ → ノヴァク | 計略を仕掛ける側 | アニメ第15話 |
| ダミアン → ノヴァク | 個人的に雇う側 | 明示なし |
| アントニ → ダミアン | どちらも司教 | 明示なし |
表のいちばん分かりにくいところは、アントニの肩書きが第2章と第3章で変わることです。第2章では助任司祭で、第15話の計略でノヴァクを陥れます。第3章では、同じアントニが司教として出てきます。
ダミアンとアントニは別人です。 どちらも司教で紛らわしいのですが、ダミアンはノヴァクのかつての部下にあたる人物として第3章に出てきます。かつての部下が司教になり、ノヴァクを雇う側に回るとされています。
天文研究所の関係
天文研究所は街にある天文学の研究機関で、所長は天文学の権威ピャスト伯です(アニメ第7話・第8話)。
この研究所は地動説の側ではありません。所長のピャスト伯は、先代の教授から受け継いだ「完璧な天動説の証明」に人生を捧げています。
| 関係 | 呼び名 | 根拠 |
|---|---|---|
| ピャスト伯 ⇔ ヨレンタ | 所長と研究助手 | アニメ第8話 |
| コルベ → ヨレンタ | 同じ研究所の先輩と助手 | 明示なし |
| ピャスト伯 → バデーニ | 観測記録を条件つきで提供する側 | アニメ第9話 |
この研究所が物語で果たす役割は、地動説を証明するための観測記録を握っていたことです。バデーニたちの申し出を、ピャスト伯は一度断ってから、ある条件で承諾します。
条件は、見えるはずのない天体である「満ちた金星」を観測することでした。その大任を負うのが、代闘士のオクジーです。
ヨレンタは優秀ですが、女性だという理由で研究員として扱われず、雑用係をしていました(第7話)。
異端解放戦線の関係
異端解放戦線は第3章から現れる抵抗勢力で、シュミットが各地の審問所を襲うところから登場します(アニメ第16話)。
TVアニメ公式サイトのシュミットの紹介文は「異端解放の部隊長」という表記です。資料によって「異端解放」と「異端解放戦線」が混ざりますが、どちらも同じ組織を指しています。
| 関係 | 呼び名 | 根拠 |
|---|---|---|
| ヨレンタ → シュミット | 組織長と部隊長 | アニメ第16話・第19話 |
| シュミット → ドゥラカ | 組織長のもとへ連れていく側 | アニメ第18話 |
| フライ → シュミット | 同じ組織のメンバー | 明示なし |
この組織の目的は、活版印刷で地動説を世に広めることと、教会の不正や欺瞞を糺すことでした(第19話)。
組織長は第18話まで伏せられ、シュミットたちが畏敬する相手としてだけ語られます。第19話で、その組織長がヨレンタだと明かされます。
第2章で天文研究所の助手だったヨレンタが、25年後にこの組織を率いています。 相関図でヨレンタの置き場所がいちばん迷うのは、この経歴のためです。

3つの組織のうち、最後まで残るのはどれなんでしょうか。
異端解放戦線は第3章で出てきたばかりなので、すぐに消えてしまう気がしていて。

最初から最後までいるのはC教の側だけだね。
天文研究所は第10話の時点で所長のピャスト伯を亡くしているし、異端解放戦線は第22話でノヴァク率いる騎士団とぶつかって、シュミットが最後の力を振り絞る。
取り締まる側だけが最終章まで残るのが、この作品の息苦しさなんだ。
ヨレンタを中心にした関係|異端審問官ノヴァクの娘と、最後に選んだ結末
ヨレンタを軸にすると、この作品の関係の変化がいちばん追いやすくなります。研究所の雑用係から地動説の協力者になり、25年後には異端解放戦線の組織長になるからです。
| 相手 | はじめの関係 | 変わった巻・話 | 最終回時点の関係 |
|---|---|---|---|
| ノヴァク | 父と娘 | アニメ第12話で判明 | 対立する側どうし |
| ピャスト伯 | 所長と研究助手 | アニメ第10話の時点で死去 | 関係は終わる |
| バデーニ | 共同研究を持ち掛けられる側 | アニメ第8話 | 地動説を受け継ぐ側 |
| シモン | 審問官と、捕らえられた異端者 | アニメ第15話 | 逃がした側と逃がされた側 |
| ドゥラカ | 組織長と外部の少女 | 7巻(アニメ第18話・第20話) | 手紙を託す側と受け取る側 |
いちばん大きいのは、ヨレンタが異端審問官ノヴァクの娘だったという点です。第12話で、ヨレンタの父がノヴァクだと明かされます。
TVアニメ公式サイトの紹介文は、ノヴァクを「娘を始めとしたこの世の平穏を守るため、どんな残酷なことも仕事と割り切って行う」人物としています。守ろうとしている当の娘が、取り締まる対象の側にいるわけです。
第15話では、アントニの計略で娘が火あぶりの刑に処せられたと思い込み、ノヴァクは生きる気力を失います。
ところが実際には、ヨレンタは新人審問官のシモンに助けられて逃げていました。親子の生死の情報が食い違ったまま、物語は25年先へ飛びます。
第3章で、ヨレンタは異端解放戦線の組織長として再び現れ、第20話で父と娘は再会します。同じ第20話で、ヨレンタはドゥラカに「かつてラファウが遺した言葉」の手紙を託します。第1章と第3章が、ここでつながります。
ヨレンタ自身の最後については、公式あらすじの第21話が「ヨレンタが『地動説』を守るために選んだ、悲しい結末」と書いています。
ただし、この文には死亡と書かれていません。 そのため早見表では生死不明としました。ciatrの死亡キャラ一覧は、印刷所ごと火薬に火をつけて自爆したと紹介しています。
この場面で交わされる言葉そのものに触れたい方は、チ。の名言まとめで巻つきに整理しています。この記事ではセリフは引かず、関係だけを扱います。

父娘だと分かる場面が第12話というのは、思ったより遅い気がしました。
それまで読者は、この2人を無関係の2人として読んでいたことになりますよね。
父娘だと知ってから読み返すと、どの場面が変わって見えますか。

いちばん変わるのは、第11話で新人のシモンを指導しながら拷問を続けるノヴァクだね。
初めて読むときは、仕事として割り切る審問官の顔しか見えない。
第12話のあとで読み返すと、同じ場面が娘を持つ父親の仕事に見えてくるよ。
血縁・家族関係|ノヴァクとヨレンタ、ラファウとポトツキ、ドゥラカとドゥルーヴ
この作品の血縁は、物語の仕掛けとして使われています。ノヴァクとヨレンタの父娘は途中で明かされ、ポトツキとドゥルーヴは裏切りで関係が反転します。
| 人物 | 続柄 | 根拠(巻または資料) |
|---|---|---|
| ノヴァクとヨレンタ | ノヴァクがヨレンタの父 | アニメ第12話 |
| ラファウとポトツキ | ポトツキがラファウの義父 | TVアニメ公式サイトの人物紹介 |
| ドゥラカとドゥルーヴ | ドゥルーヴがドゥラカの叔父 | アニメ第18話・Wikipedia |
| ドゥラカと父 | 父は貧しさのために亡くなっている | TVアニメ公式サイトの人物紹介 |
| アルベルトと父 | 最終章で父が亡くなる | リアルサウンド |
ラファウとポトツキは義理の親子です。TVアニメ公式サイトのフベルトの紹介文に「ラファウの義父ポトツキの知人」とあり、続柄がそのまま書かれています。
この血縁も途中で反転します。 ポトツキもかつて地動説に魅了され、捕まった過去を持つ異端者でした。第3話でノヴァクに揺さぶりをかけられたあと、ラファウはポトツキの裏切りで捕縛されます。
第1章は1巻だけですが、フベルトの処刑と義父の裏切りが続けて入っています。
ドゥラカとドゥルーヴは、姪と叔父の関係です。第18話でドゥラカは叔父の裏切りにより窮地に立ち、ここでも血縁が裏切りとセットになっています。Wikipediaの登場人物節によれば、ドゥルーヴはドゥラカの唯一の肉親で、命惜しさに姪をアントニに売ります。
ドゥラカとドゥルーヴは別人です。 頭の2文字が同じなので、読み違えに注意してください。
対立とその決着|異端審問官ノヴァクが追った相手と、その最後
この作品の対立は、ほぼすべてノヴァクを軸に組まれています。第1章から第3章まで登場し続ける人物は彼だけで、追う側の顔が変わらないことが物語の背骨になっています。
| 対立 | 何をめぐる対立か | 決着した巻・話 | 決着の形 |
|---|---|---|---|
| ノヴァク と フベルト | 地動説の研究そのもの | 1巻(アニメ第2話) | フベルトが処刑される |
| ノヴァク と ラファウ | 受け継がれた地動説 | 1巻(アニメ第3話・第4話) | ラファウが自ら命を絶つ |
| ノヴァク と オクジー・バデーニ | 地動説の資料の押収 | 5巻(アニメ第14話) | 2人が死刑を宣告される |
| ノヴァク と 異端解放戦線 | 地動説の本の出版 | 8巻(アニメ第22話) | 騎士団と正面から衝突する |
| ノヴァク と アントニ | 教会のなかの主導権 | 8巻(アニメ第23話) | ノヴァクが反旗を翻す |
第2章の決着は、地動説の資料が教会に押収される形で訪れます(第14話)。
第3章の決着は、少し複雑です。第23話でノヴァクは司教アントニに反旗を翻し、教会に火をつけて全てを葬ろうとします。 取り締まる側の内部で対立が起きる形です。
その場面でノヴァクはドゥラカの反撃に遭い、安否が分からないまま第3章は終わります。
最終回時点の関係はどうなった?|8巻・最終章のアルベルトと家庭教師ラファウ
8巻の後半、最終章に入ると、それまでの人物がほぼ全員いなくなり、相関図の顔ぶれが入れ替わります。
| 関係 | 最終章で描かれる関係 | 根拠 |
|---|---|---|
| アルベルト と ラファウ(最終章) | 少年時代の生徒と家庭教師 | アニメ第25話 |
| アルベルト と 父 | 少年時代に父が亡くなる | リアルサウンド |
最終章では、それまで伏せられていた地名と年代が明かされます。第24話の舞台は「1468年、ポーランド王国都市部」です。
主人公のアルベルト・ブルゼフスキは、パン屋で働きながら天文への夢を捨てきれない青年です。実在の天文学者で、彼のもとで学んだ生徒の一人にニコラウス・コペルニクスがいたとされています。
この最終章で家庭教師として現れるのが、第1章と同じ名前のラファウです。第25話では話がアルベルトの少年時代に移り、青年ラファウが少年アルベルトを学術系サロンに招きます。
この2人のラファウが同一人物なのかは、作中で明示されていません。 読み方が割れているところで、リアルサウンドの解説記事も「第1章序盤で命を落としたはずのラファウ」と書いたうえで解釈を示しています。
関係のうえで確定するのは、アルベルトと家庭教師ラファウが生徒と教師であること、そしてアルベルトの父が亡くなることの2点です。父の死については、リアルサウンドが家庭教師による殺害として書いています。
第3章までの人物の関係は、最終章では引き継がれません。ドゥラカが伝書鳩に託した手紙の行方も、確定しないまま終わります。
結末そのものの意味や、「ひどい」と言われる論点については、チ。の最終回・結末ネタバレで詳しく扱っています。この記事では関係の結果だけを書きました。
よくある質問
まとめ|チ。の相関図は3つの組織と1本の線で読む
『チ。―地球の運動について―』の人物関係は、C教正統派と異端審問官、天文研究所、異端解放戦線という作中の3つの組織と、地動説を受け継いだ人たちの線、そしてどれにも属さない人たちで整理できます。
関係が大きく動くのは3か所です。1巻でポトツキがラファウを売り、5巻で地動説の資料が押収され、7巻でヨレンタが異端解放戦線の組織長として再び現れます。
最終回時点で確定する関係は、アルベルトと家庭教師ラファウの師弟と、アルベルトの父の死です。生死は、資料で確かめられた7人を「死亡」、最終章のアルベルトを「生存」とし、残る13人は生死不明としています。
この記事の表は、どの巻でその関係になったのかを確かめながら読み返すためのものです。

ここまで読んでくださった方は、たぶん一度読み終えて、
それでも人物の関係が頭の中でつながらなかった方だと思います。
最後に、もう一度読むならどこを見ればいいか教えてください。

誰が誰に何を渡したか、そこだけを目で追ってみて。
第2話でフベルトがラファウに託したペンダント、第5話でオクジーとグラスが山奥で見つけた石箱、第20話でヨレンタがドゥラカに託した手紙。
この3つを順に追うと、章をまたいで全体がつながるよ。

関係が大きく動くのは、1巻・5巻・7巻の3か所なんだ。
読み返すなら、そこから開くと渡された物を追いやすいよ。紙で全8巻を揃える道と、電子で読み返したい巻から買う道を下に並べたから、合うほうを見てみて。
調査メモ
いちばん迷ったのは、人物をどう分けるかでした。見比べた図のいくつかは地動説派と天動説派の2つに分けていましたが、その分け方だと、天動説の証明を目指しながらバデーニたちに観測記録を渡したピャスト伯の置き場所がなくなります。
作中に呼び名のある組織を数え直したところ、3つしかありませんでした。そこで組織を先に置き、どこにも属さない人を別の枠にまとめる形にしました。呼び名は公式サイトと公式あらすじで1つずつ確かめています。
生死の判定は、当初いくつかの解説サイトの一覧をもとに書こうとして、途中でやめました。同じ水準の資料を、このサイトの検証型記事ではすでに退けているからです。判定の根拠を公式の資料に限り直したところ、死亡と書けたのは7人にとどまりました。
そのぶん、巻と話数の対応は新しく取れました。 小学館の単行本ページには収録話の一覧がありませんが、マンガサイト「ビッコミ」の連載一覧は巻ごとに話がまとまっています。
ノヴァクの生死は、公式あらすじが「安否が不明なまま」と書いているのを見つけたときに迷いが消えました。公式が決めていないものを、この記事で決める必要はないと考えています。
死亡キャラ一覧記事はまだ作っていないため、生死の判定を突き合わせる相手がありません。その記事を書くときに、この表と1行ずつ照合するつもりです。
参考資料
- 小学館コミック「チ。―地球の運動について― 2」※第1章のラファウの死と、第1章から第2章までの10年の根拠
- 小学館コミック「チ。―地球の運動について― 6」※第2章から第3章までの25年の根拠
- 小学館コミック「チ。―地球の運動について― 8」※全8巻・最終巻の発売日と224ページの根拠
- ビッコミ(ビッグコミックス)「チ。—地球の運動について—」連載一覧※巻と収録話の対応の根拠
- TVアニメ「チ。 ―地球の運動について―」公式※人物の肩書きと「C教正統派」「異端審問官」「代闘士」「天文研究助手」の呼称の根拠
- あつめでぃあ「【第1期】『チ。 ―地球の運動について―』」※各話の公式あらすじ(関係と生死の根拠)
- リアルサウンド ブック「『チ。』最終章の「違和感」を解読――作者・魚豊が伝えようとした〝フィクションの力〟とは」※最終章の年代とアルベルトの父、ドゥラカの手紙の根拠
- ciatr「「チ。」死亡キャラを一覧で紹介!信念を貫いた人物たちの最期がかっこいい」※本記事が判定に使わなかった解説の出どころ
- Wikipedia「チ。-地球の運動について-」※ドゥルーヴの名前とドゥラカとの続柄、ダミアンの経歴、コルベの立場、アルベルトの生徒にコペルニクスがいたという記述の根拠


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