ゴールデンカムイの名言まとめ|第1話「不死身の杉元」から第314話「大団円」まで巻・話つき

ゴールデンカムイ 名言 名言

『ゴールデンカムイ』の名言・名場面を29か所、巻数・話数・話の題つきでまとめました。杉元佐一とアシㇼパの言葉を中心に、白石由竹・土方歳三・鶴見中尉・尾形百之助・第七師団の面々まで、キャラクター別に並べています。

早見表のセリフをタップすると、その場面の解説へ飛べます。この記事は最終話(31巻 第314話「大団円」)までの内容に触れます。 各項目には巻数を明記しているので、まだ読んでいない巻の項目は飛ばして読んでください。

※この記事には『ゴールデンカムイ』原作の重大なネタバレが含まれます。会話に登場するシラベエと全巻くんはこの記事の案内役のキャラクターで、発言は創作です。

  1. ゴールデンカムイの名言早見表|1巻「不死身の杉元」から31巻「大団円」まで29場面
  2. 杉元佐一の名言|1巻「ウェンカムイ」から26巻「切り裂き杉元」まで
    1. 杉元の名乗り「殺してみろッ…」|1巻 第2話
    2. 杉元の「地獄行きだと?…」|1巻 第2話
    3. 杉元とアシㇼパの「契約更新」|20巻 第192話
    4. 杉元の「誰から生まれたよりも…」|26巻 第255話
  3. アシㇼパの名言|1巻「不死身の杉元」から22巻「流氷の天使」まで
    1. アシㇼパの「弱い奴は…」|1巻 第1話
    2. アシㇼパの宣言「わたしは新しい時代の…」|2巻 第12話
    3. アシㇼパの「「道理」があれば…」|22巻 第215話
  4. 白石由竹の名言|1巻 第7話「脱獄王」の名乗り
    1. 白石の名乗り「脱獄王」|1巻 第7話
  5. 土方歳三の名言|3巻「亡霊」と6巻「鰊七十郎」
    1. 土方の「生き残りたくば…」|3巻 第21話
    2. 土方の「この時代に老いぼれを見たら…」|6巻 第55話
  6. 鶴見中尉の名言|2巻 第13話「憑き神」の呼びかけ
    1. 鶴見中尉の「我々の戦争は…」|2巻 第13話
  7. 尾形百之助の名言|11巻「あんこう鍋」と17巻「悪兆」
    1. 尾形の「祝福された道が…」|11巻 第103話
    2. 尾形の「血に高貴もクソも…」|17巻 第164話
    3. 花沢勇作が兄に語りかける回想|17巻 第165話
  8. 第七師団の名言|月島基と鯉登音之進
    1. 月島の「生きてることくらい…」|19巻 第185話
    2. 鯉登が月島に銃を下ろさせる場面|23巻 第231話
  9. 旅の同行者と敵役の名場面|キロランケ・ウイルク・ソフィア・都丹・永倉・牛山
    1. キロランケが騎手として走る場面|7巻 第61話
    2. ウイルクが娘について語る回想|27巻 第267話
    3. ソフィアが子分を置いて退かない場面|19巻 第181話
    4. 都丹庵士が土方をかばう場面|30巻 第294話
    5. 永倉新八が鯉登に啖呵を切る場面|30巻 第297話
    6. 牛山がアシㇼパをかばう場面|31巻 第307話
  10. ギャグ・迷言|「勃起」と「オソマ」と姉畑支遁
    1. アシㇼパの「フチの憑き神様に…」|2巻 第13話
    2. 二瓶の「猟師の魂が…」|3巻 第23話
    3. 谷垣の「そうだ勃起だ!!…」|21巻 第209話
    4. 辺見の「ああ…この人に…」|5巻 第39話
    5. 姉畑支遁が動物を調べる場面|11巻 第110話
  11. 最終回のセリフ|31巻 第314話「大団円」
    1. 杉元の「故郷へ帰ろう…」|31巻 第314話
    2. アシㇼパの「それが私の役目だ」|31巻 第314話
  12. よくある質問
  13. まとめ|巻と話の題から名言を引く
  14. 参考資料

ゴールデンカムイの名言早見表|1巻「不死身の杉元」から31巻「大団円」まで29場面

巻の若い順に並べ、セリフは全文を載せています。右端の列には、名言と言われる理由を短く添えました。 セリフや場面を押すと、その解説へ飛びます。セリフを引かず場面だけを扱っている行は、〔場面〕として内容を書いています。

スマホでは表を横にスクロールできます →

#セリフ(全文)・場面キャラ巻・話・話の題名言と言われる理由
1弱い奴は食われるアシㇼパ1巻 第1話「不死身の杉元」第1話で、山がどういう場所かを少女の口から一言で示している
2殺してみろッ 俺は不死身の杉元だ杉元佐一1巻 第2話「ウェンカムイ」主人公の通り名がこの名乗りで定まり、以後の巻でも繰り返される
3人間を殺せば地獄行きだと? それなら俺は特等席だ杉元佐一1巻 第2話「ウェンカムイ」人を殺してきた過去を言い訳せず、自分から引き受けている
4俺は脱獄王だ白石由竹1巻 第7話「脱獄王」名乗りが回の題と重なり、その後の白石の役割を予告している
5わたしは新しい時代のアイヌの女なんだ!アシㇼパ2巻 第12話「カムイモシㇼ」自分の生き方を言い切り、最終話まで続く軸になる
6我々の戦争はまだ終わっていない鶴見中尉2巻 第13話「憑き神」日露戦争のあとも自分たちの戦いは続くと、兵たちに語りかけている
7フチの憑き神様にうんこお供えさせやがって…アシㇼパ2巻 第13話「憑き神」味噌を「オソマ」と思い込んだまま本気で怒る、笑いの側の代表
8生き残りたくば死人になれ土方歳三3巻 第21話「亡霊」戦い方の指示が、そのまま土方自身の来歴の説明になっている
9猟師の魂が勃起する!!二瓶鉄造3巻 第23話「猟師の魂」下品な言い回しの中身が猟師の本気で、21巻で谷垣に受け継がれる
10ああ…この人に殺されたい よしこの人を殺そう辺見和雄5巻 第39話「ニシン漁と殺人鬼」「殺されたい」から「殺そう」へ、一文の中で向きが変わる
11この時代に老いぼれを見たら「生き残り」と思え土方歳三6巻 第55話「鰊七十郎」老いを弱さではなく、生き延びた証として扱っている
12〔場面〕馬の競走に騎手として出るキロランケ7巻 第61話「蝦夷地ダービー」19巻で退場する人物の、緊張から離れた顔が見える回
13祝福された道が俺にもあったのか…尾形百之助11巻 第103話「あんこう鍋」生まれに縛られてきた尾形が、別の生き方を問う言葉
14〔場面〕動物を調べる姉畑支遁11巻 第110話「支遁動物記」回の題が人物の名前を冠した、作品の振れ幅を示す回
15血に高貴もクソもそんなもんありませんよ尾形百之助17巻 第164話「悪兆」丁寧な言葉づかいのまま、血筋という物差しを切り捨てている
16〔場面〕兄に向けた回想花沢勇作17巻 第165話「旗手」兄が血筋を切り捨てた次の回に、弟が兄に語りかける回想が来る
17〔場面〕子分を置いて退かないソフィア19巻 第181話「アムールトラ」30巻で退場する人物の、19巻での選び方が見える回
18生きてることくらい伝えたらどうだ月島基19巻 第185話「再会」任務の途中で、月島が他人の家族を気にかけている
19相棒の契約更新だ杉元佐一20巻 第192話「契約更新」1巻からの関係を、離れていた時間を経て言葉で結び直している
20そうだ勃起だ!!チカパシ!!谷垣源次郎21巻 第209話「ケソラㇷ゚」3巻で言われる側だった谷垣が、言う側に回っている
21「道理」があれば 私は杉元佐一と一緒に地獄へ落ちる覚悟だアシㇼパ22巻 第215話「流氷の天使」1巻の杉元の「地獄行き」を、アシㇼパが条件つきで引き受けている
22〔場面〕月島に銃を下ろさせる鯉登音之進23巻 第231話「出産」上官と部下の上下だけでは説明できない、二人の関係が見える
23誰から生まれたよりも 何のために生きるかだろうがッ杉元佐一26巻 第255話「切り裂き杉元」生まれより生き方という作品の主題に、主人公が一言で答えている
24〔場面〕娘について語る回想ウイルク27巻 第267話「断絶」14巻で退場した父が語る場面を、13巻あとの回想で読める
25〔場面〕土方をかばう都丹庵士30巻 第294話「静寂」土方の一派に加わった囚人が、最後に誰のために動いたかが分かる
26〔場面〕鯉登に啖呵を切る永倉新八30巻 第297話「五稜郭脱出」新選組にいた老人と第七師団の少尉が、明治の北海道で向き合う
27〔場面〕手榴弾からアシㇼパをかばい退場する牛山辰馬31巻 第307話「ちんぽ先生」笑いに振れた題の回に、アシㇼパをかばう退場が置かれている
28故郷へ帰ろうアシㇼパさん杉元佐一31巻 第314話「大団円」旅の終わりに、杉元がアシㇼパと帰る場所の話をしている
29それぞれの違う部分を受け入れて、共に生きていける道を探そうって話し合いたい。それが私の役目だ。アシㇼパ31巻 第314話「大団円」2巻の「新しい時代のアイヌの女」の中身を、本人が説明している

話の題が分かると、電子書籍の目次からその回へ直接飛べます。ゴールデンカムイは1巻に10話前後が入っているので、巻数だけを頼りに探すと目当ての場面までかなりのページをめくることになります。

「カムイモシㇼ」「ケソラㇷ゚」のようにアイヌ語の題も多く、題そのものが場面の中身を指している回もあります。「契約更新」「猟師の魂」「脱獄王」のように、名言そのものが題になっている回もあります。

同じ回に2つ入っている場面もあります。2巻 第13話「憑き神」には鶴見中尉の言葉とアシㇼパの言葉が両方あり、31巻 第314話「大団円」には杉元とアシㇼパの言葉が両方あります。この4つは、同じ回を開けば2つまとめて読めます。

シラベエ
シラベエ

同じ回に2つ入っている場面があるんですね。

表を見ていて気づきました。

全巻くん
全巻くん

第13話の「憑き神」は、鶴見中尉が兵たちに語る場面と、アシㇼパが怒る場面が同じ回にあるんだ。

重い場面と笑う場面が同じ回に同居しているのは、この作品らしいところだと思うよ。

杉元佐一の名言|1巻「ウェンカムイ」から26巻「切り裂き杉元」まで

日露戦争を生き延び、「不死身の杉元」と呼ばれた男の言葉です。1巻の名乗りから、26巻で出自を問われた場面まで、巻の若い順に並べます。

杉元の名乗り「殺してみろッ…」|1巻 第2話

殺してみろッ 俺は不死身の杉元だ

出典:『ゴールデンカムイ』1巻 第2話「ウェンカムイ」/杉元佐一
POINT名言だと言われる理由

この一言で、主人公がどういう人間かが決まります。第1話の題も「不死身の杉元」で、題と名乗りが重なっています。 読者は最初の数話のうちに、杉元という名前と「不死身」を一緒に覚えることになります。

もう一つは、この名乗りが一度きりで終わらないことです。「不死身の杉元」はこの先の巻でも本人と周囲の口に繰り返し上り、杉元を指す呼び名として定着していきます。何度も出てくる言葉の、最初の1回がここにあります。

物語のごく序盤、杉元がヒグマと向き合う場面の言葉です。この回の題「ウェンカムイ」は、人を襲うようになった熊を指すアイヌ語です。杉元とアシㇼパが出会って間もない時期にあたります。

杉元の「地獄行きだと?…」|1巻 第2話

人間を殺せば地獄行きだと? それなら俺は特等席だ

出典:『ゴールデンカムイ』1巻 第2話「ウェンカムイ」/杉元佐一
POINT名言だと言われる理由

杉元は戦争で多くの人を殺してきた兵です。その過去を否定も言い訳もせず、「それなら俺は特等席だ」と先に引き受けてしまうところに、この人物の覚悟が出ています。問いを自分で立てて自分で答える形なので、短くても言い切りの強さが残ります。

この言葉は22巻で受け止められます。アシㇼパが「一緒に地獄へ落ちる覚悟だ」と言い、杉元が一人で背負っていた地獄を、二人で分ける形になると読めます。 1巻の言葉が20巻以上あとで応えられている点も、名言と呼ばれる理由の一つと考えられます。

同じ第2話「ウェンカムイ」の言葉です。杉元はこのあと、戦友の妻子のために金塊を追います。

地獄行きを引き受けたうえで、果たすべきことのために動く人物として、1巻の時点から描かれています。

杉元とアシㇼパの「契約更新」|20巻 第192話

相棒の契約更新だ

出典:『ゴールデンカムイ』20巻 第192話「契約更新」/杉元佐一
POINT名言だと言われる理由

回の題そのものが「契約更新」で、この一言が場面の名前になっています。 二人の関係を「相棒」と呼び、それを「契約」として言い直すことで、情だけでも利害だけでもない、この二人らしい距離が一言で伝わります。

1巻で始まった関係は、樺太で二人が離れていた時間をはさんでいます。離れたあとに、もう一度同じ関係を選び直す言葉なので、20巻の時点で重みを持つと読めます。

20巻の言葉で、杉元がアシㇼパに向けて言っています。樺太での出来事を経たあとの場面です。

20巻は第191話「故郷の水」から始まる巻で、この回は巻の2話目にあたります。20巻を開けば、すぐにたどり着ける位置です。

杉元の「誰から生まれたよりも…」|26巻 第255話

誰から生まれたよりも 何のために生きるかだろうがッ

出典:『ゴールデンカムイ』26巻 第255話「切り裂き杉元」/杉元佐一
POINT名言だと言われる理由

「誰から生まれたか」ではなく「何のために生きるか」。生まれと生き方を並べて、生き方の方を選ぶと言い切っている一文です。 相手は杉元自身の生まれを持ち出しており、それに真正面から返しています。

生まれをどう扱うかは、この作品が何度も戻ってくる主題です。尾形百之助は11巻と17巻で同じ問題に触れており、杉元の答えはそれと向き合う位置にあります。主人公が作品の主題に一言で答えている点が、名言と呼ばれる理由と考えられます。

26巻の言葉です。マイケル・オストログに向かって、自分の生まれを持ち出されたことに杉元が返しています。回の題は「切り裂き杉元」です。

シラベエ
シラベエ

1巻と26巻で、杉元は同じことを聞かれているように見えます。

巻はずいぶん離れていますよね。

全巻くん
全巻くん

どちらも「お前は何者だ」という問いなんだ。

1巻では自分は地獄行きの人間だと答えて、26巻では生まれではなく何のために生きるかだと答えている。

25巻ぶん離れた場所で、同じ問いに違う答え方をしているんだね。

アシㇼパの名言|1巻「不死身の杉元」から22巻「流氷の天使」まで

アシㇼパはアイヌの少女で、杉元とともに金塊を追う相棒です。1巻の出会いの場面から、22巻の流氷の上まで並べます。

アシㇼパの「弱い奴は…」|1巻 第1話

弱い奴は食われる

出典:『ゴールデンカムイ』1巻 第1話「不死身の杉元」/アシㇼパ
POINT名言だと言われる理由

第1話で、ヒグマのいる山がどういう場所かを一言で示している言葉です。飾りのない短い言い方なので、そのまま山の掟として頭に残ります。読者は主人公の杉元ではなく、アシㇼパの口からこの世界の決まりを先に教わります。

言っているのが大人ではなく少女だという点も効いています。狩りをして生きる者の前提を、アシㇼパが当たり前のこととして口にするので、この人物が山で生きる力を持っていることが、最初の登場で伝わります。

第1話、杉元と出会った直後の山での言葉です。ヒグマのいる山で生き延びるための、狩りをする者としての前提が語られています。

この先、杉元はアシㇼパから山での生き方を教わりながら旅を続けることになります。

アシㇼパの宣言「わたしは新しい時代の…」|2巻 第12話

わたしは新しい時代のアイヌの女なんだ!

出典:『ゴールデンカムイ』2巻 第12話「カムイモシㇼ」/アシㇼパ
POINT名言だと言われる理由

アシㇼパが自分の生き方を、自分の言葉で言い切った一言です。伝えられてきた掟と、これからの生き方との間で、自分は「新しい時代」の側に立つと宣言しています。

この言葉は2巻で言いっぱなしになりません。22巻の選択や、31巻の最終話でアシㇼパが語る自分の役目へとつながり、中身が少しずつ説明されていきます。物語全体を通して回収される宣言である点が、名言とされる理由と読めます。

2巻の言葉です。回の題「カムイモシㇼ」は、アイヌ語で神々の世界を指します。

この言葉の中身は、31巻の最終話で本人の口から説明されます。最終話の言葉は、この記事の最後の章で扱っています。

アシㇼパの「「道理」があれば…」|22巻 第215話

「道理」があれば 私は杉元佐一と一緒に地獄へ落ちる覚悟だ

出典:『ゴールデンカムイ』22巻 第215話「流氷の天使」/アシㇼパ
POINT名言だと言われる理由

1巻で杉元は「地獄行きだと? それなら俺は特等席だ」と、一人で地獄を引き受けていました。22巻のこの言葉で、アシㇼパはその地獄に自分も一緒に落ちると言っています。

ただし無条件ではなく、「道理」があれば、という条件が付いています。杉元にただ付いていくのではなく、自分で筋を見たうえで覚悟を決める言い方だと読めます。相棒として、アシㇼパが自分の判断を持って並んでいることが伝わります。

22巻、樺太を出たあとの言葉で、回の題は「流氷の天使」です。20巻の「契約更新」から2巻を経て、二人の関係の中身がここまで進んでいます。

シラベエ
シラベエ

20巻の「契約更新」と22巻のアシㇼパの言葉は、近い巻にあるんですね。

続けて読めそうです。

全巻くん
全巻くん

そうなんだ。20巻 第192話と22巻 第215話は、23話しか離れていないよ。

二人の関係の言葉を続けて読みたいなら、20巻から22巻をまとめて開くといいと思うよ。

巻をまたぐから、話の題を目印にしてね。

白石由竹の名言|1巻 第7話「脱獄王」の名乗り

白石由竹は脱獄を繰り返してきた囚人で、杉元とアシㇼパの旅に加わる人物です。登場する回の題が、そのまま彼の通り名になっています。

白石の名乗り「脱獄王」|1巻 第7話

俺は脱獄王だ

出典:『ゴールデンカムイ』1巻 第7話「脱獄王」/白石由竹
POINT名言だと言われる理由

回の題が「脱獄王」で、白石の名乗りがそのまま題になっています。1巻のうちに、杉元の「不死身の杉元」と白石の「脱獄王」という二つの通り名が出そろい、 旅の顔ぶれの役割がはっきりします。

白石はこのあとも、閉じ込められた場所から人を出す場面を何度も担います。名乗りが大げさな飾りで終わらず、その後の役回りの予告になっている点が、この一言が名言として挙がる理由と考えられます。

1巻の最後に入っている第7話の言葉です。白石は1巻から最終巻まで、杉元たちと行動をともにします。

1巻は第1話「不死身の杉元」から第7話「脱獄王」までの7話です。1巻の最初の回と最後の回の題が、どちらも通り名になっています。

土方歳三の名言|3巻「亡霊」と6巻「鰊七十郎」

新選組の副長だった土方歳三が、明治の北海道で生きている設定です。年を重ねた者としての言葉が2つあります。

土方の「生き残りたくば…」|3巻 第21話

生き残りたくば死人になれ

出典:『ゴールデンカムイ』3巻 第21話「亡霊」/土方歳三
POINT名言だと言われる理由

戦い方の指示でありながら、土方自身の来歴の説明にもなっている言葉です。 この作品の土方は、死んだとされていた人物が明治の北海道で生きているという設定です。死んだことにして生きてきた本人が言うので、言葉に重みが出ます。

「死人になれ」という逆説も、短く覚えやすい形です。生き残るために死人になるという矛盾した言い方が、幕末から明治までを生き延びた人物の口から出るので、ただの言葉遊びに聞こえません。

3巻の言葉です。牛山辰馬たちに向けた言葉で、回の題は「亡霊」です。

回の題の「亡霊」も、死んだことにして生きる土方たちの姿と重なって読めます。題と言葉の両方から、この一派がどういう立場にいるのかが分かる回です。

土方の「この時代に老いぼれを見たら…」|6巻 第55話

この時代に老いぼれを見たら「生き残り」と思え

出典:『ゴールデンカムイ』6巻 第55話「鰊七十郎」/土方歳三
POINT名言だと言われる理由

老いを弱さではなく、生き延びた証として扱う言葉です。 幕末の戦を越えて明治まで生きている老人は、それだけで「生き残り」だという見方を、年老いた土方本人が口にしています。

3巻の「死人になれ」と対で読めるのも理由の一つです。どちらも、生き延びた者が何を積んできたかという話で、土方という人物の芯が2つの言葉で見えてきます。

6巻の言葉で、日泥親子に向けて言っています。回の題は「鰊七十郎」です。

3巻と6巻、どちらの言葉も生き延びる側の理屈です。土方は31巻まで前線に立ち続け、最終巻で退場します。

シラベエ
シラベエ

新選組の副長が、明治の北海道で動いているんですね。

設定を知らずに読むと驚きそうです。

全巻くん
全巻くん

土方は3巻と6巻で、生き延びる側の理屈を続けて口にしているんだ。

同じ幕末の生き残りだと、30巻 第297話「五稜郭脱出」に永倉新八が出てくるよ。

名言として挙がる回と、その人が退場する回は別なんだ。土方の退場は31巻だよ。

鶴見中尉の名言|2巻 第13話「憑き神」の呼びかけ

鶴見中尉は陸軍中尉で、情報将校として第七師団を動かす人物です。金塊を追うもう一方の勢力の中心にいます。その人柄が出る言葉が2巻にあります。

鶴見中尉の「我々の戦争は…」|2巻 第13話

我々の戦争はまだ終わっていない

出典:『ゴールデンカムイ』2巻 第13話「憑き神」/鶴見中尉
POINT名言だと言われる理由

日露戦争は終わっても、自分たちの戦いは終わっていない。鶴見中尉が兵たちに、戦後も続く戦いを語りかける言葉です。第七師団が金塊を追う理由も、この一言の延長にあると読めます。

杉元も同じ戦争の生還者です。同じ戦争から出発した者が、一方は戦友の妻子のために、一方は第七師団を動かして別の目的のために金塊を追います。敵役の側の芯がこの一言に表れていると読める点が、名言と呼ばれる理由と考えられます。

2巻 第13話の言葉です。捜索を共にしている兵たちに向けて言っています。

なお鶴見中尉は、最終話まで読んでも生死が明示されないまま終わります。詳しくはゴールデンカムイの最終回・結末ネタバレで扱っています。

尾形百之助の名言|11巻「あんこう鍋」と17巻「悪兆」

尾形百之助は、自分の生まれをめぐって動き続ける人物です。2つの言葉と、異母弟である花沢勇作の場面を並べます。

尾形の「祝福された道が…」|11巻 第103話

祝福された道が俺にもあったのか…

出典:『ゴールデンカムイ』11巻 第103話「あんこう鍋」/尾形百之助
POINT名言だと言われる理由

自分の生まれをめぐって動き続ける尾形が、自分にも祝福された道があったのかと口にする一言です。 文末の「…」で、答えの出ない問いのまま言葉が途切れています。

この言葉は、26巻で杉元が言う「誰から生まれたよりも 何のために生きるかだろうがッ」と同じ主題の上にあります。生まれに縛られる側から見た問いとして、杉元の答えと対になっている点も、名言と呼ばれる理由と考えられます。

11巻 第103話の言葉です。回の題は「あんこう鍋」で、題だけでは場面の重さが分からない回に、尾形の生まれにかかわる言葉が入っています。

尾形の「血に高貴もクソも…」|17巻 第164話

血に高貴もクソもそんなもんありませんよ

出典:『ゴールデンカムイ』17巻 第164話「悪兆」/尾形百之助
POINT名言だと言われる理由

鶴見中尉に向けて、血筋という物差しそのものを切り捨てる言葉です。 上官に対する丁寧な言葉づかいのまま、中身では真っ向から否定しています。言い方と中身の落差が、この一文の印象を強くしています。

11巻の「祝福された道が俺にもあったのか…」から6巻を経て、尾形は問いではなく否定の側に立っています。同じ問題を抱えたまま答え方が変わったことが、この一言から分かります。

17巻の言葉で、鶴見中尉に向けて言っています。回の題は「悪兆」です。この回のすぐあとに、異母弟の花沢勇作をめぐる回想の回が続きます。17巻は第161話「カムイ レンカイネ」から第170話「亜港監獄の女囚」までが入る巻です。

花沢勇作が兄に語りかける回想|17巻 第165話

17巻 第165話「旗手」にある、日露戦争の回想として描かれる場面です。この場面は文言を確認できなかったため、セリフは引いていません。

POINT名場面だと言われる理由

尾形の異母弟・花沢勇作が、兄に向けた言葉を口にする回想の場面です。勇作はこの回で退場し、撃ったのは尾形です。 語りかけた相手が、自分を撃つ兄だったという構図が、この兄弟の関係の重さを示しています。

直前の第164話「悪兆」で、尾形は血筋を切り捨てていました。兄が血筋を否定した次の回に、弟が兄に語りかける回想が来る並びが、名場面として挙がる理由と考えられます。

第164話「悪兆」と第165話「旗手」は、同じ17巻の続きの回です。2つの回を続けて開けば、兄の言葉と弟の場面を並べて読めます。

シラベエ
シラベエ

兄が血筋を否定した次の回に、弟が兄に語りかける回想が来るんですね。

並び順に意味がありそうです。

全巻くん
全巻くん

17巻はその2つが続けて入っているんだ。

17巻の現在の時間では、勇作はもう亡くなっているんだよ。

巻数だけを見ていると、そこが分からなくなるところだね。

第七師団の名言|月島基と鯉登音之進

鶴見中尉のもとにいる二人です。19巻と23巻に、それぞれの人柄が出る場面があります。

月島の「生きてることくらい…」|19巻 第185話

生きてることくらい伝えたらどうだ

出典:『ゴールデンカムイ』19巻 第185話「再会」/月島基
POINT名言だと言われる理由

任務の途中で、月島が他人の家族のことに自分から口を挟んでいる言葉です。 第七師団の下士官として鶴見中尉のもとで動いてきた人物が、ここでは相手の親の側に立って話しています。

言い方はぶっきらぼうで、説教らしい飾りもありません。そのぶん、命令で動く兵としてではない月島の一面が、短い一文からそのまま伝わります。

19巻の言葉です。樺太での場面で、月島がスヴェトラーナに向けて、生きていることくらい親に伝えたらどうだと言っています。

回の題は「再会」です。19巻は、第181話「アムールトラ」から第190話までが入る巻です。

鯉登が月島に銃を下ろさせる場面|23巻 第231話

23巻 第231話「出産」に、鯉登が月島に対して銃を下ろすよう命じる場面があります。この場面は文言を確認できなかったため、セリフは引かず場面だけを紹介しています。

POINT名場面だと言われる理由

鯉登音之進が、月島基に銃を下ろすよう命じる場面です。上官と部下という上下の形をとりながら、命令の中身は月島を止めることにあります。 二人の関係が、上下だけでは説明できないものになっていることが見えてきます。

二人はこのあと最終盤で、そろって鶴見中尉と分かれる側に回ります。その変化の途中にある場面として、23巻のこのやり取りは読み返す意味があります。

回の題は「出産」で、23巻の最後の回にあたります。二人の関係の変化はゴールデンカムイの相関図にまとめています。

シラベエ
シラベエ

19巻の月島と、23巻の鯉登では、立場が逆に見えます。

同じ第七師団の二人ですよね。

全巻くん
全巻くん

19巻では月島が他人の関係に口を出して、23巻では鯉登が月島に命令しているんだ。

二人とも第七師団の人だけど、上と下だけでは説明のつかない関係になっていくよ。

最終盤では、二人そろって鶴見中尉と分かれる側に回るんだ。

旅の同行者と敵役の名場面|キロランケ・ウイルク・ソフィア・都丹・永倉・牛山

旅の同行者と、行く手をふさいだ側の名場面を6つ並べます。いずれも文言を確認できなかったため、セリフは引かず、巻と話の題つきで場面だけを紹介します。

シラベエ
シラベエ

名場面の巻と、退場の巻が別々の人がいるんですね。

表だけだと気づきにくいです。

全巻くん
全巻くん

そうなんだ。キロランケは19巻、ウイルクは14巻、ソフィアと都丹は30巻、牛山は31巻で退場するよ。

永倉新八は、死亡キャラ一覧で数えた47人には入っていないんだ。

名前が挙がる回だけを開くと、その人がもういない場面だったりするから、巻数は分けて見てね。

キロランケが騎手として走る場面|7巻 第61話

7巻 第61話「蝦夷地ダービー」に、キロランケが馬の競走に騎手として出る場面があります。回の題どおり、競馬にあたる催しが描かれる回です。

POINT名場面だと言われる理由

旅の同行者キロランケが、馬の競走に騎手として出る回です。回の題「蝦夷地ダービー」のとおり、金塊を追う緊張から離れた催しの場面で、この人物の違う顔が見えます。

キロランケは19巻 第190話で目的が示されたうえで退場します。退場までを知ってから7巻を読み返すと、この回の軽さが別の意味を帯びて見える点が、名場面として挙がる理由と考えられます。

キロランケはアシㇼパの父ウイルクとつながりのある人物です。7巻の時点では、杉元たちの旅の同行者として描かれています。7巻の競走の場面と、19巻の退場の場面が同じ人物のものです。

ウイルクが娘について語る回想|27巻 第267話

27巻 第267話「断絶」に、ウイルクが娘のことをキロランケに語る場面があります。回想として描かれる場面です。

POINT名場面だと言われる理由

14巻で退場したウイルクが、娘アシㇼパについてキロランケに語る場面が、27巻の回想で描かれます。 本人がいなくなってから、その言葉が明かされる順番になっています。

ウイルクはアシㇼパの父で、金塊をめぐる物語の中心にいた人物です。その人が娘について何を語っていたのかが後から示されるので、それまでの巻の読み方が変わる点が、名場面として挙がる理由と考えられます。

ウイルクが退場するのは14巻 第137話です。 網走監獄をめぐる展開のなかで尾形に狙撃されて亡くなっているので、27巻に出てくるのは本人がすでにいない巻の言葉になります。巻数だけを見ていると、27巻の時点で生きているように読めてしまう場面です。

ソフィアが子分を置いて退かない場面|19巻 第181話

19巻 第181話「アムールトラ」に、ソフィアが子分を置いて先に逃げることを拒む場面があります。相手はナーナイ民族の人たちで、回の題は「アムールトラ」です。

POINT名場面だと言われる理由

ソフィアが、子分を置いて先に逃げることを拒む場面です。自分だけが助かる道を選ばない姿に、この人物が何を大事にしているかが表れています。

ソフィアは30巻 第299話で退場します。19巻での選び方を知ってから退場の巻を読むと、この人物がどういう選び方をしてきたのかがつながって見えます。

ソフィアはウイルクと同じ側にいた人物です。19巻は、キロランケが第190話で退場する巻でもあります。ソフィアの退場の巻と話は、ゴールデンカムイの死亡キャラ一覧でも確認できます。

都丹庵士が土方をかばう場面|30巻 第294話

30巻 第294話「静寂」に、都丹庵士が土方歳三をかばって銃撃を受ける場面があります。都丹はこの回で退場します。

POINT名場面だと言われる理由

都丹庵士が土方歳三をかばって銃撃を受け、この回で退場する場面です。 土方の一派に加わった囚人のひとりが、最後に誰のために動いたのかが分かります。

回の題「静寂」は、都丹という人物の戦い方に関わる題です。題と退場の場面が重なっていることで、この人物の最後が一話の中にまとまって描かれています。

都丹は、土方の一派に加わった囚人のひとりです。30巻には、都丹の退場と、第299話のソフィアの退場がともに入っています。同じ30巻には、第297話「五稜郭脱出」の永倉新八の場面も入っています。都丹の退場の巻と話は、死亡キャラ一覧記事でも確認できます。

永倉新八が鯉登に啖呵を切る場面|30巻 第297話

30巻 第297話「五稜郭脱出」に、永倉新八が鯉登音之進に啖呵を切る場面があります。回の題どおり、五稜郭を舞台にした戦いのなかの場面です。

POINT名場面だと言われる理由

新選組にいた永倉新八と、第七師団の少尉・鯉登音之進が向き合う場面です。幕末を生きた老人と、明治の軍人が正面からぶつかっています。

永倉は、土方と同じく幕末を生き延びた側の人物です。土方の3巻・6巻の言葉と合わせて読むと、生き残った者たちが最終盤で何をしているのかが見えてくる点が、名場面として挙がる理由と考えられます。

30巻は第291話「骨董品」から第302話「車内暴力」までの12話が入る巻で、この回はその中ほどにあたります。同じ巻に、第294話「静寂」の都丹庵士の場面も入っています。

牛山がアシㇼパをかばう場面|31巻 第307話

31巻 第307話「ちんぽ先生」に、牛山辰馬が手榴弾からアシㇼパをかばう場面があります。この場面は文言を確認できなかったため、セリフは引かず場面だけを紹介しています。

POINT名場面だと言われる理由

牛山辰馬が手榴弾からアシㇼパをかばい、この回で退場する場面です。 土方の一派として動いてきた人物が、最後にアシㇼパをかばう側に立っています。

回の題は「ちんぽ先生」で、題だけを見れば笑いの側に振れた回です。その回に退場の場面が置かれているのは、笑いと重さを同じ回に並べてきたこの作品らしい場面だと読めます。

牛山は3巻 第21話で、土方から「生き残りたくば死人になれ」と言われた一人でもあります。退場の巻と話は、ゴールデンカムイの死亡キャラ一覧でも確認できます。

ギャグ・迷言|「勃起」と「オソマ」と姉畑支遁

ゴールデンカムイは、重い場面と笑う場面が同じ回に同居する作品です。ここでは笑いの側の言葉と場面を、5つ並べます。

アシㇼパの「フチの憑き神様に…」|2巻 第13話

フチの憑き神様にうんこお供えさせやがって…

出典:『ゴールデンカムイ』2巻 第13話「憑き神」/アシㇼパ
POINT名言だと言われる理由

アシㇼパは味噌を「オソマ」、つまり大便だと思っています。その思い込みのまま、祖母(フチ)の家の憑き神様への供え物にされたと怒る一言で、 勘違いが解けないまま本気で怒っているところに笑いがあります。

同じ第13話には、鶴見中尉が「我々の戦争はまだ終わっていない」と語る場面も入っています。重い場面と笑う場面が同じ回に同居する、この作品の振れ幅を代表する言葉として読めます。

2巻の言葉です。そのオソマ(味噌)が祖母の家で供え物に使われてしまったことに、アシㇼパが怒っている場面です。

回の題の「憑き神」は、アシㇼパのこのセリフにも出てくる言葉です。題を覚えておくと、目次から回を探しやすくなります。

二瓶の「猟師の魂が…」|3巻 第23話

猟師の魂が勃起する!!

出典:『ゴールデンカムイ』3巻 第23話「猟師の魂」/二瓶鉄造
POINT名言だと言われる理由

言い方は下品ですが、中身は熊を追い続けてきた猟師の本気の話です。 狩る者としての高ぶりを、二瓶鉄造は飾らない言葉で谷垣源次郎にぶつけています。

二瓶の言い回しは、回の題「猟師の魂」とも重なっています。題に使われた言葉がセリフの中に出てくるので、どの回の言葉かを覚えやすい一言でもあります。

3巻の言葉です。熊を追い続けてきた猟師の二瓶鉄造が、谷垣源次郎に向けて言っています。

この言い回しは、21巻で谷垣が別の相手に向けて使うことになります。二瓶鉄造は、死亡キャラ一覧記事では北海道編(1巻〜12巻)で退場した人物として数えています。

谷垣の「そうだ勃起だ!!…」|21巻 第209話

そうだ勃起だ!!チカパシ!!

出典:『ゴールデンカムイ』21巻 第209話「ケソラㇷ゚」/谷垣源次郎
POINT名言だと言われる理由

3巻で二瓶鉄造が谷垣に向けた言い回しを、21巻では谷垣がチカパシに向けて使っています。 言われる側だった谷垣が、18巻を経て言う側に回っています。

谷垣はもともと二瓶と関わりのあったマタギです。笑いの言葉の形をとりながら、猟師の系譜が受け渡されていることが分かるので、単なるギャグで終わらない一言になっています。

21巻の言葉です。谷垣源次郎が、ともに行動している少年チカパシに向けて言っています。

回の題「ケソラㇷ゚」はアイヌ語の題です。3巻 第23話と21巻 第209話は、186話離れています。21巻は第201話「あばよロシア」から第211話「怒りのシライシ」までが入る巻です。

辺見の「ああ…この人に…」|5巻 第39話

ああ…この人に殺されたい よしこの人を殺そう

出典:『ゴールデンカムイ』5巻 第39話「ニシン漁と殺人鬼」/辺見和雄
POINT名言だと言われる理由

「殺されたい」と「殺そう」が一続きになっている言葉です。 相手に惹かれることと、相手を殺そうとすることが、一文の中でそのままつながっています。

前半の「ああ…」と、後半の「よし」で調子が切り替わります。短い一文の中に、向きの違う二つの気持ちが続けて置かれている形です。

5巻の言葉です。辺見和雄が杉元を見つけた場面にあたります。回の題も「ニシン漁と殺人鬼」で、この人物が何者かを言い切っています。

回の題に人物の正体がそのまま書かれている回で、題を知ってから読むと、場面の見え方が変わります。5巻の最初の回にあたります。

姉畑支遁が動物を調べる場面|11巻 第110話

11巻 第110話「支遁動物記」に、姉畑支遁が動物を調べる場面があります。この場面は文言を確認できなかったため、セリフは引いていません。

POINT名場面だと言われる理由

姉畑支遁が動物を調べる場面です。相手をしているのは谷垣源次郎で、回の題「支遁動物記」はこの人物の名前をそのまま冠しています。

重い場面が続く作品のなかに、こうした人物の回がはさまるのがこの作品らしいところです。題に人物の名前が入っている回は、目次からも探しやすくなっています。

姉畑は12巻 第113話でヒグマに襲われて退場します。第110話は11巻の最後の回にあたります。

シラベエ
シラベエ

笑う場面の言葉にも、話の題が付いているんですね。

題から中身が想像できる回もあります。

全巻くん
全巻くん

題を見ると、どの回が笑いの側か見当がつくんだ。

「支遁動物記」や「ニシン漁と殺人鬼」は、題そのものが人物の紹介になっているよ。

目次から回を探すときの手がかりにしてみてね。

最終回のセリフ|31巻 第314話「大団円」

最終話の題は「大団円」です。金塊と権利書をめぐる争いに決着がついたあとの場面から、2つ引きます。

杉元の「故郷へ帰ろう…」|31巻 第314話

故郷へ帰ろうアシㇼパさん

出典:『ゴールデンカムイ』31巻 第314話「大団円」/杉元佐一
POINT名言だと言われる理由

金塊をめぐる長い旅の終わりに、杉元がアシㇼパと帰る場所の話をする言葉です。 争いに決着がついたあとの場面に置かれた、短い一言です。

1巻で山に踏み込んだ二人が、最終話で「故郷」の話をしている構図になっています。旅の目的が金塊から帰る場所へ移ったことを一言で示している点が、名言と呼ばれる理由と考えられます。

最終話の言葉で、杉元がアシㇼパに向けて言っています。

杉元は自分の取り分の金塊を、戦友の妻子に渡します。最終話では、争いの決着からその後までが描かれています。最終話の題「大団円」は、物語がめでたく収まることを指す言葉です。

アシㇼパの「それが私の役目だ」|31巻 第314話

それぞれの違う部分を受け入れて、共に生きていける道を探そうって話し合いたい。それが私の役目だ。

出典:『ゴールデンカムイ』31巻 第314話「大団円」/アシㇼパ
POINT名言だと言われる理由

2巻でアシㇼパは「わたしは新しい時代のアイヌの女なんだ!」と言い切っていましたが、それが何を意味するのかは、そのときには語っていません。最終話のこの言葉で、その中身を本人が説明しています。

違いを消すのではなく、違う部分を受け入れたうえで共に生きる道を探すという言い方です。それを誰かに任せず「私の役目だ」と引き受けている点に、2巻から31巻まで続いたアシㇼパの歩みの行き着いた先が表れていると読めます。

同じ最終話のアシㇼパの言葉です。

アイヌの権利書は、奪い合う対象ではなく交渉のカードとして使われ、土地は国立公園として残る形で決着します。その選択を、アシㇼパは自分の役目として引き受けています。

最終話までの流れはゴールデンカムイの最終回・結末ネタバレに、誰が最後にどの陣営でどうなったかはゴールデンカムイの相関図にまとめています。退場した人物を巻と話数で追いたい場合はゴールデンカムイの死亡キャラ一覧をご覧ください。

シラベエ
シラベエ

2巻の言葉が、最終話まで持ち越されているんですね。

ずいぶん長い時間がかかっています。

全巻くん
全巻くん

アシㇼパは2巻で「新しい時代のアイヌの女なんだ」と言い切っているよね。

でも、それがどういう意味なのかは、そのときには言っていないんだ。

2巻から31巻までかけて、その中身を自分で言えるようになったのが最終話なんだと思うよ。

よくある質問

Q杉元の「不死身の杉元だ」は何巻の何話?
A1巻 第2話「ウェンカムイ」です。第1話の題も「不死身の杉元」で、この通り名はこの先の巻でも繰り返し出てきます。
Q「相棒の契約更新だ」は何巻の何話?
A20巻 第192話「契約更新」です。回の題がそのままこの言葉になっています。
Qアシㇼパの「地獄へ落ちる覚悟だ」は何巻ですか?
A22巻 第215話「流氷の天使」です。1巻 第2話で杉元が言った「地獄行き」の言葉を、アシㇼパが引き受ける形になっています。
Q尾形百之助の名言は何巻にありますか?
A11巻 第103話「あんこう鍋」と、17巻 第164話「悪兆」の2つです。弟の花沢勇作が兄に語りかける回想は、17巻 第165話「旗手」にあります。
Q「勃起」のセリフは誰の言葉ですか?
A3巻 第23話「猟師の魂」の二瓶鉄造と、21巻 第209話「ケソラㇷ゚」の谷垣源次郎の2人です。谷垣が二瓶と関わりのあったマタギであることを踏まえると、言葉の受け渡しとして読めます。
Q最終話にはどんな言葉がありますか?
A31巻 第314話「大団円」に、杉元の「故郷へ帰ろうアシㇼパさん」と、アシㇼパが自分の役目を語る言葉が入っています。同じ回に2つあります。
Qウイルクの言葉は何巻で聞けますか?
A27巻 第267話「断絶」です。ウイルク本人は14巻 第137話で退場しているので、この場面は回想にあたります。

まとめ|巻と話の題から名言を引く

ゴールデンカムイの名言・名場面を29か所、巻数・話数・話の題つきで並べました。杉元が1巻で言った「地獄行き」の言葉は22巻でアシㇼパが引き受け、2巻でアシㇼパが宣言した「新しい時代のアイヌの女」の中身は31巻の最終話で本人の口から説明されます。

二瓶の「猟師の魂」は21巻で谷垣に受け渡され、笑う場面の言葉にも同じつながりがあります。

この記事が扱った29か所は、杉元・アシㇼパ・尾形・鶴見中尉・二瓶・谷垣らの言葉です。巻は1巻から最終31巻まで、話は第1話「不死身の杉元」から第314話「大団円」までにわたります。

読み返したい回は、早見表の話の題から電子書籍の目次でそのまま開けます。巻だけ分かっていて話が分からないときも、題を手がかりにたどれます。

参考資料

完結・打ち切りになった漫画の最終回を検証し、わかりやすくまとめています。「ひどい」と言われる理由を、公式発表や単行本の情報をもとに整理し、賛否両方の見方を大切にしながら記事を書いています。

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